せっかくですから服を買いに行きましょう

「ではこれは割引券です」

「あ・・・・・はい」

「ありがとうございましたーーーーー!!!!」

「ふ~~~~~食った食った。結構腹が起きたな・・・・」

「・・・・・そうだな」

俺達はたった今吉〇家で牛丼を食べに行った。そこでは普通に会話という会話は特にしてなくただ普通に牛丼を食べるだけでなんのイベントなんてなかった。

俺は奢られ、片手には有名の声優である大食い声優の『尾崎杏』さんとのコラボである牛丼割引券を握り満足そうにしてる九頭竜を見つめる。

嬉しいのはいいが・・・・・俺的には自分の立てた計画で理想のデートがしたかったのに・・・・





「おい、大河お前何持ってんだよ。あーーーー竹崎の割引券か・・・・・そういえばあいつここの牛丼屋とコラボしてたな・・・」

「知ってるのか?アニメとか全く知らないお前が・・・・・」

「知ってるも何も事務所の先輩だ。一言も話したことは無いけどな・・・・こいつ、実家が金持ってるお嬢様だから牛丼とかの庶民派フードは嫌いなんだってさ・・・・知名度を上げる為にここまでやるとはな・・・・・・・まぁ仕事だからしょうがねぇか・・・・・」




おまけに声優の裏情報をサラッと流された。別にその声優の事は好きでもないが・・・・こんなのファンにとっては複雑な気分だぞ・・・・





「自分だけが幸せになるにはどんな手段を使っても貪欲に上を目指すしかないからな・・・・・」ボソ

「なんか言ったか?」

「なんでもねぇよ」

九頭竜の言葉が気になりながらもデートを続ける。正直最初の予定は淘汰されたからなんとか修正しないとな・・・・







「で、これからどうすんだよ」

「適当にぶらぶらする。それだけだ・・・・」

「はっ。なんでだよ」

「うるせぇな・・・・こっちは昨日でドキシスの収録が全て終わって疲れてるんだよ。大声出すな・・・・」

「それはお疲れだな・・・・・で、収録どうだった?」

「別に・・・・・お前の・・・・・・いや、オレの過去のさだかの声質を聞くことでなんとかつまらずにスムーズにできただけだ。これなら声がおかしいとかほざくネットのクソやろー共を黙らせれるだろ」

そこは俺のお陰って言ってくれよ。過去のエロゲ出演作化したのはオレだぞ・・・・





「そうか・・・・ならお礼をしなくちゃな・・・・」

「お礼?なんだ?もしかして今日の牛丼のおごり意外になんかあんのか?」

「決まってるだろ・・・・・くくくくくく」

俺は我ながらゲスっぽく九頭竜を見据え指をさす。





「まずはお前の服を買ってやる」

「はぁ!!!何言ってんだお前!!!」

九頭竜は当然のように驚きを見せるが俺はさらに話を続ける。





「なんせジャージだからな。これじゃデートじゃないどっちかといえばヤンキーとその子分の地回りみたいなもんだ。やっぱデートと言えばまず服装が大事だろ?だってお前の私服みたいし・・・・」

「別にこれでいいだろ?いくらファンでもこれは聞けないな・・・・・」

「甘い!!!!甘いぞ九頭竜。お前はファンの事をなにも分かってない!!!」

「なんで熱くなってんだお前!!!おかしいぞ。それに人前でそんな大声で言うなよバレるぞ」

「いや、黙らない。お前は一部のオタクには人気者だ。それを支えるファンは少ないはずだ。けどなそれなりのファンサービスをしてファンの数を維持しなければならない。人気者って言うのはな、ほんの少しの不快感でも人気が急落するもんだ。もし俺の誘いを断るともしかしたら他のやつに移るかもしれない。それは嫌だろ」

人前で言ってもバレないように、最低限にオブラートに包んで叫ぶ。これなら心配はないと思うはずだ・・・・・






「ぐぐぐぐぐぐ・・・・・・・わーーーーーーたよ。付き合えばいいんだろ。付き合えば。とにかく大声で叫ぶな。こっちも恥ずかしくなるじゃねーか!!!!」

「良かった。それでこそ俺の女神だ。お前にあった服を探してやるからな・・・・」

「勝手にしろ!!!!」

九頭竜は悔しがりながらしぶしぶそれに乗ることにした。普段は堅いけど褒めたりファンの話をすると意外にチョロ・・・・いや説得しやすいな・・・・





とりあえず俺は急遽九頭竜の私服を探す為に服を買いに行くことにした。その為にはここより少し近くのアパレルショップで買わなくてな。俺はそう思いながら姉ちゃんに教えて貰った近場のおすすめの店に行く。その場所は、ここより近くにあるとあるにあるアパレルショップだ。そこには最近の流行りの私服があるからそこに行く事にする。








バスを使いしばらくしてそこに到着し早速目当ての場所に向かう。ここには流行りの服や雑貨を初め、いろものの四字熟語Tシャツや変な目玉なマークがあるパーカーを初めありとあらゆるものがあるからな。俺もよく姉ちゃんに無理やり連れられこられたからな・・・・なんせここ俺が普段買ってる場所より高いからな・・・・

早速俺達はレディース専門のアパレルショップに向かう。





「ほら着いたぞ」

「ほ・・・・・・・本当に好きなの選んでいいのか?」

九頭竜はここに来るのが初めてか・・・・女性らしく目を輝かせていた。

その笑みだよそれが見たかったんだよ。





「いや、ここは俺に任せてくれ。お前にあった服装を探してやる・・・・」

「え?ええし・・・・・信用していいのか?」

「あたり前だ・・・・・」

「お・・・・・・・おお、いいどきょうじゃねぇか!!!!もし変なの選んでみろ。その場でぶっ飛ばすからな・・・・」

心配するな。お前にふさわしい服を選んでやるよ。

俺は早速彼女に合う服装を探す。たった今時間は夜の7時を過ぎましてや休日なのでこの時間帯でも客はそれなりにいるからなかなかいいように探せない。そりゃそうだよなこの店はここらでは上位に入るくらいの名店だから人気だからしょうがないか・・・・・俺はそう心の中に愚痴をこぼしながら周り九頭竜も俺が変なのを買わないか監視してるようについてくる。あまりにも視線の痛さで貫きそうな感じでこっちまで緊張するな・・・・

俺はとりあえず適当に目の前の服を手に取る。





「ちなみにお前、サイズは?」

「は・・・・・・・サ・・・・・サイズ?えっと上から9・・・・ってなんでてめぇに教えなければいけねぇんだ?ぶっ殺すぞゴラァ」

「いやスリーサイズじゃなくて服の大きさだ」

「あっそっちか・・・・紛らわしい事急に振るんじゃねぇよ。テンパって無意識に変な事言ってしまっただろうが」

そんなの俺のせいにしても・・・・・こっちが勝手に勘違いしただけだろうが・・・・







そして探すこと小一時間経ち時間が8時になろうとした時俺はようやく決めることにしてそれを九頭竜に渡す。





「ほら、これなら大丈夫だろ?着替えてみろよ?」

「ああ、着替えてくるよ」

そういうと九頭竜は受け取った服を片手に試着室に入った。

正直他人の服のコーディネートするの初めてだから俺下手したらぶっ飛ばされるかもな。

不安になりながらもあいつが着替えるのを待つ。

そして、しばらくするとカーテン越しから声が聞こえる。





「お・・・・・・おい着替えたぞ・・・・」

「じゃあ出て来いよ・・・・」

「・・・・・・ああ」

俺的には怒ってるのかと想像していたが意外にもなにやら声が弱弱しかったように聞こえ、カーテンが開く音がする。

それと同時に目を閉ざし心の中でカウントダウンを取る。






3・・・・・・・・・・2・・・・・・・・・・1・・・・よし目を開けよう・・・・






「大河・・・・・・・ほ・・・・・・本当にこれオレに合うのか。なんか可愛すぎるんじゃないか・・・・」

俺が選んだのはヤンキーの雰囲気がある九頭竜に反して可愛らしい白のブラウスと水色の超短めのスカートといったシンプルにかわいさと清楚さを兼ね備えてるものを選んだのだ。

それを見たとたん予想以上可愛さがマッチして心の中で叫んだ。







ミニスカ・・・・・・・・・・・来たーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!







「おい、何変なポーズ取ってんだよ・・・・・・」

いかん声は出さないようにしたが無意識に体を広げてしまった。



「すまん。仮面ライダーフォーゼだ」

「知らねぇよ!!!で・・・・・どうなんだよ感想は・・・・」

「可愛いよ」

「・・・・・・」ボン!!!

その一言を言ったとたんに九頭竜はなにかがはじけるように顔をさらに赤くしていた。やっぱり褒めるのなれてないから効果が大きいな・・・・





「馬鹿野郎・・・・・・そんなに可愛いって言うんじゃねぇよ・・・・・」

「で・・・・・これにするのか?」

「当たり前だ。これ全部お前が買ってくれるんだろ?オレ的にはもっといいのがいいけどプレゼントなら喜んで受け取ってやるよ」

「ああ・・・・」

ちょっと高いけど別にいいか。俺にはこいつの珍しい顔が見れたから十分だ。





「それじゃ着替えてくるから待ってろよ」

「うん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え」ゾクッ

「おい、どうしたんだよ」

「いや。・・・・・・・なんでもない」

なんだ?今なにやら強い殺気を後ろから感じたのだが後ろを振り返るとその雰囲気は消えていった。まさか知り合いがこの近くにいるのか・・・・・・

いや・・・・・・・さすがにそれは思い過ごしだろ・・・・

そう心に言い聞かせ九頭竜が着替えるのを静かに待つことにした。











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