九頭竜さんをお見舞いに行きましょう

那智田の相談の内容はその同じ学校の先輩の彼氏にLINEの送信が遅いとか他に男にいるのかと友達と話してる時に無理やり話を中断して問いただそうとするらしい。正直俺はこの難しそうな難題は分からないので、とりあえず様子を見て本当にヤバかったら姉ちゃんに相談して、その彼氏と力づくで話をつけることにすることで話は終えた。本当は姉ちゃんではなく九頭竜に頼むという案もあったがあいつは喧嘩ができない状況なのだが涼浦はあいつの事が嫌いな背かそれを強く賛成するが、俺とざーさんがなんとかそれを止めることができた。



で、話は代わり今日は休み明けの月曜日なのだが、その九頭竜は、結局午後の授業にも来なかった。何があったか連絡をしたかったのだが、形だけのカップルであったかあいつの連絡先知らないんだよなぁ・・・

そう思いながら俺は、HRが終わったとの教室を出て帰宅する。ちなみに今日はバイトがなくこのまま帰っていつものように深夜アニメの消費をする作業を考えようとしたところ担任に止められる。

うわぁ・・・・・頼むから面倒ごとは押し付けるなよ。



「あの・・・・大河君お願いがあるんだけど、この後暇かな・・・・・」

「え・・・・・・・えと・・・・」

「暇だね」

「まだ何も言ってないんですけど!!」

「いや見れば分かるよ。暇な顔してるから・・・・」

いや暇じゃないから、なんでもかんでも帰宅部に面倒ごとを押し付けないでくれる?よしここは嘘でもついて断るか。いやいっそな事今からバイト先に連絡して休日なのに来るって連絡するか・・・・・


「実は頼みがあるんだけど、今日九頭竜さん休みだよね?実は彼女の叔父によると昨晩から熱が上がったらしいんだ。君、聞いた話だと彼女と付き合ってるらしいからこのプリント届けてくれる?」

「はい、喜んで」

前言撤回、暇でしょうがないからこういう用事は引き受けます。






そして俺は担任に住所を教えて貰い、スマホを使ってルート通りに向かった。

高校生になってもプリントを届けるってどうかと思うけど、これはいい口実だ。推しのエロゲ声優に見まいが出来るなんてそうそうある展開ではない。

俺は見舞いとしてコンビニで栄養があるパインとイチゴとメロンが詰まった三種のカットフルーツ盛り合わせを買ったからこれなら急遽来ても機嫌は悪くならないはずだ。




「え~~~~~とここのはずだ・・・・・」

学校からしばらく歩いてに20分後で駅より大分離れた場所だがなんとかついた。

そこはとある古げな外観な一軒家で恐らく築3、40年暮らししそうな感じであり、人がいなそうなくらい静かな感じであった。

俺はそう思いながらインターホンを押すのだが、壊れてるようでいくらカチカチと押してもならなかった。





「あの~~~~~九頭竜さんのお宅ですか?クラスメイトの大河ですけど」

家前で叫んでも返事がなく逆に寒気がし念のために目の前の引き戸を触ろうとする。





「開いてる?」

不用心に開いていたので、俺はなんでかコソ泥みたいな感じで周囲に誰かいないのを確認すると即座に入った。





「失礼しまーす」

玄関に入ると、誰もいない感じで静まり、靴置き場には靴は九頭竜の学生靴と彼女が履くらしい靴があって親の靴らしいものがなく一人暮らしをしてるのかというくらいにさっぱりとしていた。





「あの誰かいますか?」

再度声をかけるとやっぱり返事はせずもしかして留守かなと思い俺は出ようとした時なにやら奥から声が聞こえる。






「あ・・・・・・・・いいい・・・ん」

「なんだ?」

どうやら女の子らしい軋む声だった。そしてよくよく見るとそのふすまが少し開いてるらしく中の明かりが洩れていた。

気になったので音を消して奥に進む。





「九頭竜」

「んああ・・・・・いい・・・・・・よ。もっと・・・・」

ゆっくりと進み俺は音を立てずにふすまの前に立つ。よく聞くと女の子の喘ぎ声みたいな感じだった。

あれ?この声って確か『ドキシス』のさだかちゃんの声に似てるぞ。もしかしてあいつ俺が貸したエロゲをプレイしてるのかと思いながら俺はこっそりと除くとしたがそれは予想外の展開であった。





「んぁぁぁぁぁぁぁ。お・・・・・・・おにい・・・・・ちゃんさっきから激しい・・・・です・・・・これ以上動いた・・・・・・ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

中を開けると家具とか机とかある程度のものがあるがそれでも殺風景でとても女子高生が使うには地味な感じだがその和室では、布団の上で毛布を羽織あぐらをかき、熱で顔を真っ赤になりしかも無駄にかわいい星型のパジャマを着た姿で台本らしいものを持ち、Hシーンで行為が行われてるシチュエーションの如くさだかちゃんを演じ喘ぎ声を叫んでいる九頭竜の姿であった。





「あっ・・・・・・あっ・・・・・あっおにいちゃんの硬いの奥に・・・・・当たって」

しかも直接でのさだかちゃんボイスの隠語。まさかこれを直接聞けるなんて・・・・・

いや、それにしても前に一度九頭竜の声でさだかちゃんの声を聴いたことがあるけどまさかこんなに熱心な顔でやってるなんて。思えば学校のあいつはいつも冷めてるか怒鳴ってるかまたは二人っきりの時に見せる恥ずかしそうな顔以外見たことなかったな。

・・・・・あいつも努力するんだな・・・・




「あっ・・・・・・・あっ・・・・も・・・・・もう出ちゃうのですか・・・・・ん♡んん!!!!!」

シーンはさらに盛り上がり絶頂シーンに入りそうになる。この後さだかちゃんの生イキ声が聴けるのか?

やばいこっちにも熱気が移り興奮が止まらなく鼻息が出てしまう。





「イ・・・・・・・イイ・・・・」

ガタッ!!

しまった。夢中になったせいで身体の一部がふすまに当たって音が出てしまった。でも俺の声でも集中してたからこれくらいなら聞こえないだろ。




「オイ!!!!誰だ!!!」

「なんでそんな音で中断するんだよ」

俺が突っ込んだのと同時に九頭竜はふすまを開け、お互いが鉢合わせをする。お互いが予想外の登場をしていたのでしばらく固まっていた。がまず俺から恐る恐る口を開ける・・・・






「よ・・・・よう」

「てめぇなんでこんなところにいるんだよ!!!!!!!」

勿論九頭竜は顔を赤くしてご立腹で怒号を家中に響きだした。

なんで最近こういうラブコメ展開が多いんだよ・・・・・としみじみそう思う。

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