家に誰もいないからって家に引きこもってエロゲをしたら駄目ですよ。たまに外を出ましょう

『おいお前、さっきからわたしに付きまとっと何考えてるんだ』

『別に、付きまとってるわけじゃ・・・・・』

『いいか、さっきも言ったはずだぜ。わたしに関わるなって・・・・・お前みたいな綺麗な人間が足を入っちゃいけないんだよ・・・・」

休日の休みの日俺は、以前ざーさんから借りた『空の彼方の記憶を』を徹夜つけプレイしているのだ。


その理由は勿論この作品に出てくるサブキャラの『袖織比奈』というキャラが出ている話をしらみつぶしで探しているのだ。



ではここで『空の彼方の記憶』の話をざっくりとあらすじを言うと、主人公の和人とヒロインの小夜は幼いころから晩年までの長い年月ずっと共に生きていた熟年夫婦だが、先に小夜が先に立たれ、大切な妻を失った和人は、ある日、パッケージ絵のもう一人のメインヒロインの白髪の天使と出会い、彼女の力で、小夜が転生する二週目の世界を前世の記憶を維持したまま転生する。そして、その数十年後主人公は、白髪の天使と共に、前世の記憶がない小夜がいる学園に入学し、彼女をなんとしても記憶を取り戻し、今まで言えなかったことを告白するのが主な流れだ。




で、その袖織比奈の立ち位置は、主人公が転生し、新たに通う学園の同級生の不登校の不良少女だ。彼女はメインストーリーでは関わらないが、ただ主人公と同じ前世の記憶が聡明に残っているだけで共感しあえるがそこまで親密な関係にはならない中だと、それはネタバレサイトに書いてあったようだ。俺は本来ゲーム全体をやる時はネタバレサイトという邪道は開かないのだが、このキャラと九頭竜と同じ声で尚且つ、そいつと同じ誰とも関わろうとしない孤高の不良という共通点ということでもっと知りたかっただけだ。






で、俺はそのサブキャを攻略しているのだが、メインヒロインじゃないからどうやっても攻略することができない・・・・・・ただバイトがなくこの休日の休みこの辰巳ノアさんの声を聴くのが楽しみな作業だ。





「う~~~~~少し声は高めだけど、もろ九頭竜そのものだな~~~~」

俺は、そう呟くと一度PCを閉じ空を見上げる。そういえば今何曜日かな?

徹夜でのめりこんだせいで、時間の感覚が分からなく目がクラクラしそうだった。

そういえば土曜日の朝から正午までバイトをしたのが最後に外に出た記憶があったな。後は、姉ちゃんがモデルの仕事で泊りで外泊してたからそれが好機か誰も邪魔するものがいないからコンビニで食べ物を買い込んでひたすらこのゲームをやりこんでいたな・・・・・今何時だ。そう思いながらスマホを取ろうとすると、





ピロロロロロロロロ

と電話が鳴る音がし、着信相手は樹のようで、俺はあくびをしながら電話をとる。





「もしもし・・・・・」

『もしもしじゃ、ねぇよ!!!!!やっと電話が通じた。お前今どこにいるんだ!!!』

樹は電話越しで耳がキーンと響く程声を荒げていた。



「なんだよ。もしかして学校か?いやそうじゃないはずだ。うちの姉ちゃんは日曜の晩に帰るはずだから今日は日曜日の・・・・え~~~~と11時だな。悪いけど俺は今しがた徹夜でエロゲをやり終えたから悪いけど用なら夕方頃にしてくれ」

ふと目が止った時計を見て答える。なんだ今は日曜の11時か。意外に時間が経ってないんだな。




『お前その日の予定なにがあるか覚えてるか?』

「あ?その時間って・・・・・あっしまった。俺今日のプリキュアと仮面ライダーを録画するの忘れたぁ!!!!」

『せめて、戦隊ものも入れて差し上げろ!!・・・・・・・って違うだろ。今日宗介の剣道部の都大会個人戦を応援する日だろ!!!』


あ・・・・・・そういえば、一昨日宗介が、土日にかけて剣道大会があるって言ってたな。土曜日はバイトでいけないって言ったから日曜日は絶対行くって約束したな。完全に忘れてた。


「すまん。そんな事忘れてたわ」

『お前友情とエロゲどっちが大切なんだよ』

「少なくとも休日は俺らと遊ぶ以外は籠りっぱなしの半ニートと違うんだよ」

『うるせぇ!!!お前何様だよ!!!お前だってさっきまで徹夜でエロゲして引きこもっている半ニートだろうが』

「違いますぅ~~~~~。お前のようなバイトは学校がある日しかとらないししかも、人とは接しない裏方のヤツしかしないのとはわけと違う。こっちは土日も普通にバイトがあるし接客もする。そのおかげでおばちゃんには大人気だ。お前のような陰気な奴と一緒にするなバーカ!!!!」

とにかく俺は眠たく機嫌が悪かったか電話越しの樹に喧嘩をうるしかできなかった。でも、勢いに乗り過ぎて友情でも亀裂が走ったらヤバいからここらで謝るか。




「お前、・・・・・・」

「でも、どうしてもって言うなら行ってあげてもいいけど。決してさっきのことは謝らないからな」

『ツンデレか!!!!いやそうだとしてもデレるの早すぎるだろ。せめてこっちの反応見てからからデレろや』

「電話越しじゃ反応分からねぇよ。じゃあ俺今から支度するわ」

『お、おう行くならなんか弁当でも持って来いよ・・・・後」ガシャン

俺は、あいつの話を最後まで聞く余裕はないので早速タンスから服を取り出すことにした。とりあえず適当でいいか。

そして準備ができ俺は近くでコンビニで弁当を買いに駅に向かい定期券を使い武道館近くの駅まで電車を使い、それから約一時間経ち今度はタクシーを使いなんとか到着できたので、一度樹に電話をしどこにいるか確認し観客席に向かう。




中に入ると、すでに個人戦が始まっており、周囲には観客の歓声で響き合っている。

そしてその中で俺は樹に落ち合うがなぜかご機嫌斜めだった。





「すまん。遅れた」

「その前にお前言うことがあるだろ」

「なんだ?」

「お前なんであの時電話をすぐに切りやがった?」

「すまん急いでたから。つーかどうせコンビニ行くついでになんか菓子でも買って来いって連絡だろ。ほら買って来たぞ」

俺は少しムスッとして樹に適当に菓子と唐揚げを差し出す。





「おう、気が利くじゃねぇか。でもジュースも欲しかったな」

「それくらい自分で買いにいけ。俺は寝るわふぁ・・・・・・」

「はぁ!!!宗介の試合もうすぐだぞ」

「ぐぅ・・・・・・」

「もう寝てるし・・・・・・」

とにかく俺はやることをやったので、俺は眠りにつくことにした。その激しい睡魔はこのうるさい武道館内でも寝ることができ、椅子に座ると同時に意識が遠くなっていた・・・・・

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