まとめ36 出立・3

 君は、マジックのほうを改めて見た。

 あの日、別れてから数年経っているがサンズに続いて彼、じゃなかった。彼女が成長したように思われる。

 まあ、エンジェルハーフのセインも、フェアリーハーフのクラフも、ノームハーフのスミスも種族的に成長が遅いほうなので成長していないほうが当たり前なのだ。

 そして、ドラゴンハーフのサンズは種族的に一気に成長する代わりに一定の肉体になると成長は止まるだろう。

 もしかするともう既に止まってるのかも知れない。

 一方でサキュバスハーフのマジックはサキュバス故に女性らしさが強調された成長を見せている。

 男のときは成長しているのか不安だった。

 けれど体を女のものへと変質させた今は、成長を妨げていた要素が無くなったからだろう。

 捲り上げたときのことを思い出したが……実にサキュバスらしい、体型へと変わり始めているようだ。

 顔立ちも痛々しい言動と口の端を釣り上げる様な笑いを浮かべなければ本当に美人だ。

 サラサラとしたピンク色の髪、そこから覗く黒色の魔族特有の角。

 はふはふと言いながら辛いスープを飲み、額から流れる汗を伝うきめ細かい頬。

 ジッと見つめる君に気づいたのか、一瞬紫色の円らな瞳が君を見つめたが……すぐにハッとして、手で顔を隠すと含み笑いを発し始める。


「クククッ、どうかしたのかな小父殿? 我輩をジッと見つめて、まさか我輩の滲み出る魅了の力に毒されたのかな?」


 いや、初めは戸惑ったけれど、良く見ると美人になったな。

 君がそう言うと、マジックは顔を一気に赤くした。


「なな、何を言ってるんだね!? お、小父殿の魅了は解けてないのか?!」

「マジック、照れてるのです。女の子になったのですから素直に喜べば良いと思うのです」

「フッ、我輩が女となったからと言ってその様にきゃーきゃー騒ぐと思っているのかな?」

「えー、でもマジックはおっさんの恋び――もごっ!?」

「わ、わーっ! わーーっ!! それ以上言うな!」


 何かを言おうとするサンズの口へとマジックは手に持っていたパンを詰め込むと叫び始めた。

 いったい何を言おうとしていたのだろうか? 首を捻りつつ周りを見るが、全員君を微妙な表情で見ているだけであった。


 この微妙な表情は、どういうことだろうか?


 疑問に思いながら、君は首を傾げる。

 まあ、気にするべきことではないだろう。

 そう思いながら君は食事を済ませることにする。

 それから数十分後、全員の食事が終え……買って来た食材はすべて空となっていた。

 君は食後のお茶を全員の前に置くと自らの席に座り、啜る。

 お茶と一緒に果物の皮を混ぜて蒸らしたからか仄かに甘い。

 けれど辛いスープを食べて舌がピリピリしているから、その甘みは助かるものである。ついでにお茶の熱さも何時もよりもぬるくしている。

 その気遣いに気づいているのか分からないけれど、彼女たちはお茶を飲んで「ふう」と息を吐いている。

 ちなみに甘みが足りなかった者たちは蜂蜜を入れていた。


「それでクラフ、スミス、マジックに説明するのですが大丈夫です?」

「大丈夫さー、大体はココアとミルクに聞いたさー」

「まあ、具体的過ぎて分からなかったんだけどね」

「クククッ、我輩たちが一同に介したこと、それは運命だったということであるか。ならば聞こうか天使の姫よ」


 サンズの説明は大雑把過ぎる上に、君の説明は分かりやすいだろうが時折茶々を入れたりなどをしてちゃんとは聞かないだろう。

 その点、セインは真面目なところがあるからか、彼女たちはまともに聞く。

 聞かずに無視していたら酷い目に遭ったことがあるから、聞かないといけないと教え込まれているのだ。

 そしてセインの説明が始まり、3人は時折頷きながら話を聞く。

 君は二度ほどお茶を淹れ直し、彼女たちのカップへと注いで行き……頷きながらも顔を顰める彼女たちを見る。


「なるほどさー。とりあえず今はわっちらが来る間にフィンたちの強化を行っていたさー?」

「はい、ですが場所が……」


 冷めた目でセインはサンズを見る。見られたサンズは……恥かしそうに身を捩った。


「おいおい、そんな目で見ないでくれよー。ボク恥かしくなっちゃうぞ?」

「……アレで悪気がないってのが厄介なのです」

「うむ、我輩でさえも弁えているところは弁えているというのにな……」

「まあ、それがバカサンズだから仕方ないね……」


 そう言って、彼女たち4人はハアと溜息を吐いた。

 君も溜息を吐きたかったが堪えることに。

 そんなことをしてから、セインは手を前に出した。


「とりあえず、出発は予定通り一週間後に目的地に向けて出発するのです」


 指が一本立つ。


「次に食料の買い込みなのですが、マジックが居るので収納魔法にどんどん詰め込むのです」

「クククッ、我輩を物置代わりにするとは……流石だな、天使の姫よ」

「マジックの痛々しい言動は今は無視するのです。次に、」


 指が一本、一本と立つ。


「クラフとスミスには全員分の装備を手入れして欲しいのです」

「わかったさー。でも、数年で変わったところとかクセを見たいから時間はかかるさー」

「だけど、一週間以内には仕上げるから待っててね」


 任せろ、と言わんばかりにクラフとスミスは胸を張る。

 その言葉にセインは頷きながら、4本目の指を立てながらフィンたちを見た。


「最後に、どうやって彼女たちを鍛えるかが問題なのです。肝心の初心者のための森はなくなりましたし、弱いモンスターと戦っても鍛えられる可能性も少ないです。ですので皆さん、一週間で強くなれる方法を言ってみてほしいのです」

「え、休み無しで戦い続ければ良いんじゃないのかな?」


 セインの言葉に間髪入れずにサンズは言う。


「それが出来るのは体力馬鹿のサンズだけなのです。それに傷ついたら治さないといけないのです」

「あー、そっか。目的地に到着して使い物にならなかったらダメだしねー」


 何気に酷いことをサンズはうんうんと頷きながら言う。

 その言葉はダメだろうと分かっている他の4人からの視線が厳しいと思うのだが……彼女は気づいていない。

 ちなみに言われたフィンたち3人の表情は暗い。

 けれど力にならないのは認めているのだろう。


「クククッ、方法は……あるぞ」

 そんな中でマジックが言い、彼女たちの視線が向けられる。


「我輩が旅を行っている間に見つけた禁術だが、こことは時間の流れが違う別の空間で体を鍛えるというものである」

「時空魔法……見つけたのですか」

「うむ。それを使えば、こちらでは数日間だがその空間では数年が経っているというものらしい。実際使ったことがないから、効果は分からないがな」


 効果が分からない……。下手をすれば何処か分からない場所に飛ばされて一生を過ごすことになる可能性だってあるということだ。

 マジックには悪いがフィンたちにそれを使うのは危険だろう。

 そう思いながら君はマジックの案を却下することにした。


  →だが、彼女たちが先に声を出した。

   君の言葉に従うのか、彼女たちは何も言わない。


「わたしは、惨めな思いなんてしたくないんですっ!!

 森でも、わたしが強かったならモンスターを捌ききれたかも知れません。でも弱かったから出来なかった! こんな所で躓いていたら母に会うなんて無理です! ですから……だから、わたしは強くなりたいんです!!」

「……あたしも、強くなりたい。強くなってフィンねぇとココアと戦いたい」

「オ、オレもだ! 馬鹿だって思うけどさ、みんな……みんな護りたいんだ!! 護られるなんてオレのしょーにあわねー!」


 フィンの言葉に呼応するように、ココアとミルクも声を上げて君たちを見つめる。

 彼女たちの瞳に宿るのは強くなりたいという意思。

 一年前君に言ったときよりも強い意思だった。


「おっさん、過保護じゃ厳しいんだって。こいつらの願いを叶えて上げてみたら良いじゃん」

「サンズ! 何を言ってるのです! これで失敗なんてしたら、小父さまに立つ背がないですし、森の奥に入る手段を失うのですよ!?」

「そのときはそのとき……って言ったら良いけど、覚悟を信じてあげなよ」

「セインもその瞳は覚えがあるのです。ですが、わけが違うのですよ!?」

「でも、やらないと強くなれない。ボクらも死にそうになりながら強くなってたじゃんか」

「クククッ、天使の姫よ。我輩が魔法を失敗するとでも言っているようだな? あんずるな、竜の姫が言うように我輩に失敗などない!」

「いや、失敗しないって信じてる以前にサンズは楽観的に言ってるだけなのです!」


 マジックの言葉にツッコミを入れるように、セインは叫ぶ。

 そんな彼女たちを見ている君へと、フィンたちが声をかけてきた。


「お願いします、ご主人様。わたしたちを、行かせてください」

「お願い、あるじ」

「お願いだ、ごしゅじん!」


 3人の瞳が君を見つめ、君は唸るように……間違えば戻れないのだと尋ねる。

 だが君の言葉に彼女たちは首を振るう。


「ご主人様、わたしたちはきっと強くなってご主人様の元に帰ってきます。ですからお願いします」

「強くなって、あるじを護ってみせる」

「だから頼むごしゅじん、オレたち強くなりたいんだ!」


 彼女たちの言葉を聞き、君は必ず戻ってくるように言って……許可を出した。

 君の言葉に彼女たちは頷いた。

 そして君はマジックを見て、彼女たちをその空間に連れていってもらうようお願いする。


「分かったぞ小父殿。だが明日まで待つがよい」


 彼女の言葉に君はどういうことだと首を傾げる。

 するとセインが、


「つまりですね小父さま、マジックは少し休ませて欲しいと言ってるのです」

「クククッ、何を言ってるのかな? 我輩は汚れた体を清め、目を閉じ魔力を研ぎ澄ませたいと言ってるだけである」

「つまり、風呂に入って寝たいのですね?」

「一般的に言うならばそうであろうな。さあ、小父殿。速くお風呂と寝床を用意するがよい」


 そうマジックは言い、時間的にもう風呂に入るべき時間だということに気づいた。

 なので、フィンにお風呂の用意を頼むと4人のための寝室を整えることにした。

 とりあえず……5人全員押し込める部屋だな。

 君はそう考えながら、使用人部屋へと移動する。

 部屋の中は掃除が行き届いており、簡素なベッドが6つ置かれている。

 君はこれで問題ないだろうと考えつつ、サンズたちにここで眠るように言う。


「わかったのです、サンズ。文句は言わないように」

「っ!! わ、わかってるってば!」


 先手を打たれたからか、サンズは言葉を呑み込んだ。

 そんな彼女の様子を無視するようにスミスとクラフの2人は部屋の中へと入っていく。


「あー、疲れたからゆっくり休むさー!」

「明日は急いで幾つか創るね」


 どうやら休むだけ休んで、フィンたちのために換えの装備を用意するつもりのようだ。

 眠る前に風呂に入ることを勧め、君は食事に使った道具を洗い始める。

 何時もよりも多い皿を洗い、布で拭いていくとフィンがお風呂の用意が出来たことを告げてきたので、スミスとクラフを連れてサンズたちに入って貰うことにした。

 君はそれを見届けてから、君はお風呂上りの水を水差しに入れる。

 それから暫くしてサンズたちは寝巻きとしてのワンピースに身を包み、リラックスした表情で戻って来て君が用意した水を飲み干してからベッドへと入っていった。

 はしゃいでいたけれど、だいぶ疲れていたのだろう……部屋の中からは彼女たちの寝息がかすかに聞こえた。

 それを見届け、椅子に座っているとサンズたちと入れ替わるようにお風呂に入っていたフィンたちも上がってきた。

 君は明日のためにもう眠るように告げると、彼女たちは頷き階段を登っていった。

 そして最後に君はお風呂に入り、体の汚れを落としさっぱりとしてから部屋へと戻った。

 君は部屋へと戻り、椅子に座って眠る前の一杯を味わっていると……扉がノックされた。

 この時間に誰だろうか、そう思いながら君が扉を開けるとそこには――、


   フィンが立っていた。

   ミルクが立っていた。

   ココアが立っていた。

  →3人が立っていた。


 扉を開けると、そこにはフィン、ミルク、ココアの3人が立っていた。

 君はどうしたのかと尋ねると、彼女たちを代表してフィンが君に中へと入っても良いか尋ねてきた。

 ……その言葉を聞き、君は部屋の中へと招いた。

 正直、夜遅くに年頃の少女を部屋に招くのは行けないことだと思うが、君はそうした。


「その、失礼……します」

「失礼します」

「し、失礼、します……」


 少し恥かしそうにしながら、彼女たちは君の部屋へと入ってきた。

 全員が入ると、最後に入ってきたフィンが部屋の扉を閉めた。

 そして君と彼女たちは向かい合うようにして部屋の中で立っていた。

 なんというか、落ち着かない……。

 そう思いながら君は、とりあえず何処かに座るように言うと君の言葉に従って彼女たちはベッドの縁へと座った。

 彼女たちが座るのを見届けてから、君はどうしたのかと尋ねる。


「そ、その……明日から、マジック様の魔法で……修行に行きます……よね。わたしたち」

「ちょっと、怖くなってきた……」

「オ、オレは全然怖くなんて、な……ないんだからな!」


 ココアは強がりを言うが、体はビクビクと震えているのが見えた。

 フィンもミルクも怖いのか、同じように震えている。

 君は、やっぱりやめることにしよう。と言う。

 だが彼女たちは首を横に振った。


「わたしたちは、行きます……!」

「でも、あるじに勇気を貰いたいから……ここに来た」

「べ、別にオレは……、その……ください、勇気」


 強がりを言えない、それを理解しているのかココアはミルクと共に頭を下げる。

 彼女たちも強くなりたいのだ、それを理解しているから今更止めるわけにはいかない。

 改めて君は理解する。

 そして、勇気を貰うとはいったい何を? 君はそれを彼女たちに尋ねる。

 すると彼女たちの体がビクリと跳ねるのを見た。

 更にはモジモジと内股や指を恥かしそうに擦り合わせ始め……何というか言うのを躊躇っている様に感じられる。

 いったい何を言うつもりなのだろうか? 君は嫌な予感を感じる。

 その予感は正しかっただろう。何故なら、意を決したのか彼女たちは潤んだ瞳で君を見つめ……口を開いた。


「抱いて、あるじ」

「オ、オレも……抱いてくれ、ごしゅじん!」

「その、ご主人様との絆を……ください!」


 ……彼女たちの言葉に、君は固まった。

 抱いてくれ、つまりは性行為して欲しいということだ。

 君は彼女たちに待つように言う。正直言って彼女たちは可愛い。

 彼女たちを惚れた男が居たならば、自分を倒してからにしろというぐらいに大事にもしている。

 ついでに言うと彼女たちが自分に行為を抱いているのも君は知っていた。

 というよりも、何度も告白されているのだから……。

 けれど今みたいに、率直に抱いてくれるようお願いすることはなかった。

 だから君は戸惑っていた。

 そんな君の様子から、3人は不安そうに君を見る。


「ダメ、ですか……?」

「あるじ、だめ?」

「ごしゅじん、ダメなのか?」


 言葉に詰まる。

 彼女たちは可愛い、愛らしい、成長したら美人だ。

 だけど、その相手として自分というのは如何なものだろうか?

 自分はもういい歳をしている。だから彼女たちの明日を奪ってはいけない。

 そう思っていると君の耳にぱさっ、という音が聞こえそちらを向いた。

 三者三様の下着が目に飛び込んだ。

 次に白く綺麗な肌が……!

 そして彼女たちの顔を見た。

 彼女たちは君に見られているのに気づいているからか、恥かしそうに顔を赤らめている。

 ……フィンは分かるが、ミルクとココアの反応は予想外であった。

 子供子供と思っていたけれど、女を感じさせる憂いを帯びた表情に君は内心驚いていた。

 彼女たちももう子供ではないのか……、君はそう感じた。


「お願い、します……ご主人様。抱いてください……」

「お願い、あるじ」

「お、お願いだ、ごしゅじん」


 彼女たちは君にそう言いながら体を寄せ付ける。

 彼女たちの体は温かく、いい香りがした。

 使っている石鹸は同じなのに匂いがそれぞれ違うのは、彼女たちの持つにおいなのだろうかと思う……。

 さらにココアとミルクの押し付けてくる体から伝わる柔らかい感触に君は歳柄もなくどきりとする。

 ルーナやフィンには無いたわわな感触、ミルクとココアの持つ大きな個性おっぱいに君は興奮しそうになるが必死に堪える。

 ここで興奮しているのがばれてしまったら、済し崩し的に抱いてしまうだろう。

 それは避けるべきだ。


「あるじ、ダメなの……?」

「ダメなのか、ごしゅじん……」

「お願いします、ご主人様……」


 そう思いながら黙る君へと、彼女たちは不安そうに見つめてくる。

 ちょっと傾きかける……だが、根性で我慢しながら口を開いた。


 ――せめて20歳になるまで心変わりしなかったなら。


 君の言葉に彼女たちは黙る。

 苦しい言い訳、だっただろうか。

 君はそう思い、フィンたちは受け入れてくれるだろうか?

 そんな不安を抱きながら彼女たちを見ていると、彼女たちはそれぞれを見ていた。

 声は出さないけれど、目と目で会話をしているように感じられる。

 そして会話が終わったのか……、


「……分かりました。ご主人様、ココアとミルクが20歳になったら……ですね?」


 フィンの言葉に君は頷き、内心回避出来たことにホッとする。

 それをわかっているのか分からないが、ミルクが意気込むように君を見ながら宣言する。


「わかった。あるじ、あたし20歳になったらせくしーになる」

「オ、オレも! オレも20歳になってごしゅじんを魅了する! だから待っててくれよ!!」


 釣られるようにココアも君へと宣言する。

 君はこれでよかったのだろうかと不安になるが、分かったと言って頷く。


「ですが、ご主人様……せめて今日だけは一緒のベッドで眠らせてください」


 そうフィンが言ってきたので、君はそれぐらいならと頷く。

 君の言葉に彼女たちは笑顔となる。


「あ、ありがとうございます。その……よろしく、お願いします」

「あるじ、寝よ」

「その、お……おやすみ!」


 フィンは頭を下げ、ミルクは君の服を引っ張り、ココアは一足先にベッドに潜り込んだ。

 君は彼女たちに導かれるままにベッドへと入ると、彼女たちは君の腕を枕にしたり、抱きついたりし始めた。


「ご主人様の体……温かいです」

「あるじのにおい、好き……♥」

「すんすん……♥」


 彼女たちの声が耳に届き、彼女たちの甘く心地良い石鹸の匂いが鼻をつき、彼女たちの温もりが体に伝わる。

 君は何時もよりも鼓動が速くなるのを感じたが、彼女たちも同じだったようだ。

 首を傾けると潤んだ瞳でフィンが君を見つめている。

 反対を見るとココアが君の体臭を嗅いで目をとろんとさせている。

 正面を見るとミルクが胸を押し付けながら抱き付いている。

 ある意味生殺しすぎる状態だ。

 それでも眠るべきだ。君はそう考えながら、目を閉じ眠りにつく。

 翌日、なんとか眠りにつけた君は目が覚まし、周囲を見ると彼女たちは気持ち良さそうに眠っていた。

 それを見ながら君は、


   再び眠りについた。

   彼女たちを起こした。

  →視線を感じた。

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