まとめ9 三日目・1

 朝、カーテンの隙間から光が差し込む光で君の目は覚めた。

 何があれば目が覚める君だが、何事もなかったようで気持ち良く眠ることが出来た。

 君は背を伸ばしつつ、窓から庭のほうを覗くと……フィンが籠を背負って歩いているのが見えた。

 どうやら君より早く目が覚めて、菜園で収穫をするようだ。

 ココアとミルクは起きているのだろうか? そんなことを考えながら君は廊下に出ると視線を感じた。

 視線はココアたちの部屋から感じられそちらを向くと、ココアと目が合った。


「っ!!」


 君の視線にビクッとしながら、ココアは即座に扉を閉めた。

 何となく何をしたのか予想がつく。

 君はその予想が当たっているだろうと考えつつ、1階へと下りる。

 するとテーブルの上には昨日置いた袋がそのまま置かれていた。

 どうやら誰も食べていないようだ。


「おはよう、あるじ」


 そう思っていると、ミルクが君に声をかける。

 どうやら彼女は顔を洗っていたようだ。

 彼女に返事を返しながら、君は食事を取っていないのか尋ねる。


「あるじを待ってた。どうせなら、あたたかいもの食べたい」


 そうミルクは淡々と言うが、彼女の瞳からは作ってほしいという訴えが感じられた。

 とりあえず、3人とも行動はばらばらか……。

 君は……。


   フィンと菜園で収穫を行う。

  →ココアの世界地図を見に行く。

   ミルクと食材を買いに行く。


 君はココアの様子が気になったので見に行くことに決めた。


「あるじ、どうしたの?」


 下りてきた階段を上り始める君にミルクが首を傾げる。

 なので君はミルクへとココアの様子を見に行くことを告げる。


「あるじ、ココアを見に行くの? ……ほんとうに?」


 何かを心配するように彼女は君に言う。

 君は本当に見に行くことを告げると、ジッとミルクは君を見つめ……。


「あるじ、ココアを怒らないでね」


 と心配そうに君に言った。

 その理由を君は知っているので、君は心配するなと言って頭を撫でる。


「にゅぅ……」


 撫でられ、ミルクから気持ち良さそうな声が洩れるのを聞いて君は上に上がった。

 ココアとミルクの部屋の前に立つと君は扉のドアをコンコンと叩く。


「――っ!!」


 すると部屋の中からビクリと怯える気配を君は感じた。

 そして少しするとゆっくりと部屋の扉が開けられて、扉の隙間からココアが顔を覗かせた。


「な、なんだよ……?」


 それはまるで悪戯が見つかった子供のようだった。

 同時に開かれた部屋の中から異臭が漂っているのに君は気づき、予想が的中していたと考えながら君はココアを見る。

 君の視線から逃れるようにココアは身を捩らせる。

 そんな彼女のへと君はゆっくりと近づき、目線を合わせるためにしゃがむ。

 そして彼女へと君は言う。

 悪いことをしたら怒るし、謝ったなら怒らない。だけど、どんなに恥かしくても隠すのはダメだ。と言う。

 その瞬間、ココアの顔がボッと赤くなるのを君は見た。


「な、なななっ、まさか……まさか知って!?」


 ココアの言葉に頷きながら君は彼女の部屋へと押し入る。

 すると、においは強くなった。

 君は光源を確保する目的と臭いを散らす目的のために窓へと向かい、大きく開けた。

 すると明るい日差しと爽やかな風が室内へと舞い込み、室内の異臭を散らしていく。

 そして君は見た。ベッドのシーツ状に描かれた壮大な黄色い地図を!


「み、みみ、見るなぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


 目撃したそれを見せまいとココアがベッドの上へと飛び込む。

 そこから見える彼女の布面積の小さい下着も濡れているのが見えた。


「うぅぅ、おしっこもらすなんて今までなかったのにぃ~~、なんでだよぉ~~……」


 顔はベッドに埋もれていて分からないけれど、どう見てもココアは落ち込んでいた。

 悪いことをしたかと君はちょっと後悔をする。

 そんな君の袖が不意に引っ張られた。

 引っ張られた方向を見ると、ミルクが立っていた。


「あるじ、ココアは自分だけがおしっこもらしたことが恥かしいの」


 それはわかる。一緒に寝てて片方がおねしょしたら目も当てられないだろう。

 君がそう納得していると、君の前でミルクは寝巻きの裾を捲り上げ……彼女のローライズが白日に晒された。

 なんだろう果てしなく嫌な予感がする。

 君がそう思っていると、ミルクは「だから」と言いながら……。


「あたしも、おしっこしたらもんだいない……んっ」


 ミルクがブルッと震える。

 その直後、彼女の下着に湿り気が帯び始め……布地が水分を受け切れ無くなった瞬間、つぅ……と彼女の股へと尿が垂れ始めた。

 垂れ始めた尿が脚を伝い床へと落ちて行くのを、君はポカンと見ていた……がすぐに止めるように言う。

 だがミルクは首を振る。


「いまやめたら、ココアが恥かしいだけ」


 それはどうなのだろうか、君がそう思いながら放尿を続けるミルクを見続けるわけにもいかずベッドを見るとココアがミルクを見ているのに気づいた。


「ミルク……。オ、オレのために……」

「……んっ、ふぅ……ぅ……」


 ぶるり、とミルクが最後まで溜まったおしっこを出し終えたのか声が洩れる。

 そして自身の尿で濡れた地面を見てから、君を見て……頭を下げた。


「あるじ、ごめんなさい。よごしちゃった」


 これは、怒るべきなのだろうが……相棒を庇うために行った行動だ。

 だから怒るに怒れない。そう思っていると、ベッドから視線を感じた。

 見るとココアが唇を噛み締めながら君を見ていた。

 どうしたのかと思っていると、君に見られているのに気づいたのかしばらく悩んだ様子を見せてから……頭を下げた。


「お、おっさん。その、おしっこして……ごめん。だから、ミルクはおこらないでくれよ……」


 どうやら自分が悪いから相棒は怒らないでほしいとココアは言っているようだ。

 君はそれに気づき、2人へと怒るわけがないと告げる。

 子供がお漏らしするのは当たり前だろうし、安心したからだろう。

 君の言葉を聞いて、2人は顔を見合わせる。

 怒られると思っていたのが違うから驚いているのだろう。

 けれど、とホッとする2人に君は言う。

 瞬間、2人に緊張が走る。


「なにか、しないとだめ?」

「な、なにするつもりだよ……?」


 怯える2人に君は言う。

 汚れたシーツと服はちゃんと洗って、干すことと……お風呂に入って汚れを取ること。

 君がそう言うと2人は顔を見合わせ、すぐに頷いた。


「わかった。ちゃんと床もそうじする」

「わ、わかった」


 頷く2人を見ながら君は頷き、部屋の掃除の指示を行う。

 とはいっても、シーツが汚れているのだから更に汚しても問題ないだろう。

 そう思いながら君はココアに世界地図の描かれたシーツでミルクの濡らした床のおしっこを染み込ませるように指示する。


「わ、わかった」


 頷き、ココアはシーツへとミルクのおしっこを染み込ませる。

 染み込ませ、床の湿り気が取れたのを確認してから君はシーツを持って来るように指示して歩き出す。

 部屋の掃除は一度綺麗になってからだ。

 そう思いながら君は彼女たちをお風呂へと連れて行く。

 タライを用意すると、君は2人に洗う物はこっちに入れて2人は体を洗うように指示する。

 君の言葉に彼女たちは服を脱ぎ、即座に裸となると君が用意したお湯を体へとかけてからタオルで互いの体を洗い始める。

 フィンに洗われていた時は怖がっていたと聞いていたがその様子は見られない。

 もしかするとミルクとココアが互いで洗っているからだろうか?

 そんなことを思いながら、君はタライの中の洗濯物を洗い始める。

 一度汚れを流し、次に洗剤を混ぜて洗い始めていく。

 それが終り、洗剤を流してから水気を絞って……君は満足する。

 君はタライを手に、2人にちゃんと体を洗うように言う。


「わかった、あるじ」

「わかったよ」


 汚れを取って着替えたら、裏庭に来るように告げて君は外へと出る。

 しばらくして、服を着た2人が裏庭へとやって来た。

 そして彼女たちに洗濯物を干す場所を君は教える。


「わかった。覚えたよあるじ」

「洗って干すだけだろ? かんたんだ!」


 そう言う2人を見ながらしばらく彼女たちが自分たちで洗濯物を干すのを見ていると、収穫を終えたフィンが戻ってきた。


「あ、ご主人様。おはようございます。ココアちゃんもミルクちゃんもおはようございます」

「おはよう、フィン」

「お、おはよう……」


 彼女の挨拶に君たちは返事を返す。

 そして君は彼女にどんな野菜を収穫したのか尋ねる。

 すると彼女は籠の中を見せた。


「こんな感じに収穫しました。どうでしょうか」


 収穫した物を見て君は頷き、朝食にどんな物を作るか考える。


「おわったよ、あるじ」

「終わったぞ、おっさん」


 考えている間に干し終えたのか、2人が君に声をかける。

 ちゃんと出来たことに君は褒めながら、2人の頭を撫でる。


「んっ……あるじ、きもちいい」

「んなっ!? な、なに撫でるんだよっ! やめろよ!!」


 2人の反応を見ながら、君は頭を撫で続け……しばらくしてから離れて彼女たちと朝食を取った。

 それを終えてしばらくして君はいま……。


  →3人と一緒に市場に来ていた。

   1人で冒険者ギルドに来ていた。

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