まとめ4 二日目・2
君が目を覚ますと、君の目の前で黒い水着姿のフィンが笑みを浮かべて立っている。
黒色の水着は白い肌に引き立てられており、薄い胸には少しブカブカに感じられた。
「ご主人様、いっぱい見てくださいね?」
幼さを残す彼女の体を見ているとそう言って、彼女は台の上で君に自らの肢体を見せ始める。
黒い水着は胸を隠す布以外は紐と呼べる細さしかなく、下もタイトスカートのような物の下はピッチリと彼女の体に張り付く水着だった。
これのどこがメイドだと思うけれど、頭にはホワイトブリム、スカートにはエプロンが付いているからメイドなのだろう。
そう思っていると、フィンはスカートを上げる。
上げられたスカートの下に穿いている水着が露わとなり、君の目には彼女の白い小振りなお尻とそれをピッチリと包み込む黒い水着が飛び込む。
エロい、その一言に尽きるそのフィンの尻を真剣に君は見る。
するとフィンはクスリと君を見ながら嘲笑う。
「ご主人様、わたしにいやらしいことしないって言ってたのに、わたしのお尻を見て興奮してるんですね? ご主人様の……エッチ♥」
最後に君の耳元で囁かれた言葉に君は恥かしさと同時に興奮を覚える。
そして興奮のままに君はフィンを押し倒し、激しいまでの肉と肉の絡み合いを――。
「――さま、じんさまっ! ご主人様!!」
ユサユサと揺すられ、君は目を開ける。
すると君を見るフィンが安堵の息を漏らした。
「良かったですご主人様……。その、本当に申し訳ありませんでした」
置き上がった君へと、フィンは頭を深く下げ謝る。
その様子に、先ほど見たのは夢だったのだと君は理解し、残念な気分を抱きつつも……ホッと息を吐く。
夢か、夢で……良かった。けど残念だ。
そう思いながらフィンを見ると、彼女の服装は君が与えたワンピースだった。
メイド服は着ないのか? 君がそう尋ねると……。
「その、えっちな目で……ご主人様が見るので……」
恥かしそうにフィンは君へとそう告げる。
その言葉に君はショックを受ける。
そして、頼む後生だ。メイド服を着てくれ! 君は土下座する勢いでフィンにお願いする。
君のその反応にフィンは引いている。だが構わない。
あれほど素晴らしいまでに似合っているメイド服を着ないなんて、神への冒涜だ!
「え、あの、え……えぇ……、でしたら、ご主人様が命令をすればいいじゃないですか……」
無理矢理着せるなんてダメだ。君がそう言うと、フィンは呆れたのか溜息を吐くのが見えた。
そして、諦めたのか……ロングスカートのメイド服を手に取り、君を見た。
「わかりました。ご主人様、でしたら、こちらにします。で、ですが、下着は覗かないでくださいね!」
精一杯の抵抗とでも言うように、フィンは君に言う。
その言葉に君は頷く。
これではどちらが主人かは分からないだろう。
そんな奇妙な最後を経て、君とフィンの買い物は終了する。
「ちゃんと最後までやれば良いものを、このへたれめ」
日用品を差し出されたネコから怒られたが気にしないようにしよう。
それらを持って君たちは自宅へと戻る。
家の中に入ると、フィンが強張った体を緩める。
どうやらまだ外が苦手なのだろうか、それとも人が怖いのか……分からないが、両方かも知れない。
そう思いながら、君は彼女のために買った日用品をテーブルに並べていく。
皿、カップといった食器、タオルなどの入浴道具。
それらを並べていくのだが、フィンは申し訳なさそうにそれらを見る。
「ご主人様……その、わたしには過ぎた物だと思います。これらは……。それに、返せるものなんて、わたしには何も……」
これからの生活で返していけば良いさ。君はフィンにそう言って頭を撫でる。
「あ……。その、頑張り……ます」
恥かしそうにしつつも、君の期待に応えようとしているのか彼女は頷く。
頷く彼女を見ながら、君は言う。とりあえず、家ではメイド服を着ていてほしいと。
「わ、わかりました……。では着替えてきます……」
そう言って、フィンは脱衣所に向かおうとする。
君はそんな彼女を呼び止め、ちゃんと用意した部屋を使うように言う。
「で……ですが、いえ、わかりました」
拒否しようとする彼女だったが、君の言葉で諦めてトボトボと階段を上っていく。
それを見届けてから、君は今日の予定を考える。
初めに……フィンにして貰いたい家事を説明しよう。
そのあと、彼女にはそれを任せておくとして……自分はどうするべきかと君は考える。
冒険者ギルドに顔を出すべきか?
街中を散策するべきか?
街の外の狩場で狩りをするべきか?
君は……。
冒険者ギルドに行く。
→街中を散策する。
狩場に行って狩りをする。
街中を散策することにした。
まあ、その前にフィンに家事の説明だ。
とは言っても、家の中にどんな物があるかとかどんな部屋があるかを見てもらうことが目的だから……掃除をしてもらうことにしよう。
君はそう考えてフィンを待つと、しばらくして恥かしそうにメイド服を着たフィンが下りてきた。
似合っているよ。君がフィンにそう言うと、彼女は顔を更に赤く染めあげる。
「は、恥かしいので、あまり見ないでください……」
本気で恥かしがっているようで、フィンは顔を真っ赤にしている。
けれど、似合っているものは似合っていると言いたい、似合ってるし可愛い。
「~~~~っ」
再度君がそう言うと、益々顔を赤くしプルプル震える……まるで爆発寸前の赤い果実のようだった。
けれど、これ以上言い続けると家事仕事に支障が出るだろうから君は言うのをやめる。
君はフィンに謝りつつ、頭を撫でる。
すると彼女は気持ち良さそうに目を細めた……が、すぐにハッとする。
「な、何をするんですかご主人様!」
サラサラと滑らかな手触りを感じていたが、慌てながらフィンが君から距離を取る。
君はスキンシップと言ってから、撫でられていたときの顔は可愛かったよと言うと……フィンは気を損ねたのか君から視線を逸らした。
「ご主人様……意地悪です」
まるで拗ねた子供のように見えるフィンをマジマジと見ると、小さくだが頬を膨らましているのが見えた。
これは触らぬ神に祟り無しと考え、君はフィンにしてもらいたい仕事を説明することにした。
初めに掃除道具などを詰め込んだ倉庫に案内すると、掃除道具を取るように君は言う。
君の言葉に従ってフィンは掃除道具を取ると後ろに付いて歩いていく。
階段を上り、2階に上がると君は掃除道具を置かせてから、簡単にフィンに各部屋の説明を行う。
とはいっても2階は君の部屋と客間が2つ、それと小さな書庫があるだけだ。
それを説明して、今は部屋と廊下をホウキを使って掃くことと布で窓や棚などを拭くだけで十分だと言う。
その言葉に頷き、フィンは君に確認を行う。
「二階の掃除を行えばよろしい、のでしょうか?」
彼女の言葉に君は頷くと少し街を歩いてくることを告げる。
同時に帰ってきたら食事にしようと告げた。
「かしこまりました。頑張って掃除します」
君の言葉にフィンは頭を下げて言う。……が、君は気づいた。
彼女に掃除が出来るのだろうかと。
なので聞いてみた。
「で、できます! できますから!! エルフにだって掃除道具はちゃんとありましたよっ、その……これほど使い易い物じゃありませんでしたけど……」
君の言葉にフィンは慌てながら言う。
その言葉に君は謝ってから、掃除を任せて家を出た。
……多分、大丈夫だ。
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