第12話信頼

結局夜ご飯はチャーハンという事になったんだがラーメンと提案した田中研はガッカリした様子で俺の方を見ているが俺を見たところで何も変わらないだろう。俺はため息を吐いて自分で持って来た食パンの耳を包丁で切ってパンとパンの間にケチャップとピーマンなどピザトーストを作ろうと思ったんだがピザサンドの様な物になってしまったが一応田中研に渡すと田中研は勢いよく食べ始めた。よっぽどお腹が空いていたんだろう。俺はチャーハンに入れる野菜を適当ではなくちゃんと綺麗に切って前田春香に綺麗に切った野菜を渡して俺は手を洗ってから自分のテントで寝ようとした時、テントの中を見ると橋本知香が寝ていた。何で俺のテントの中で寝ているのかは謎だが一応橋本知香を起こすとしよう。

「橋本、夜ご飯がもうすぐ出来るぞ。」

「何で私のテントを覗いているの?」

橋本知香は伸びをして俺の方を見ている。橋本知香は私のテントと言ったが俺のテントで寝ている事を知らないんだろうか。俺には何も分からなかった。俺としては橋本知香が好きとは思っていないが少し気になる部分がある。それは話し方で橋本知香の喋り方は最後に必ずと言って良いほど(?)がある。いわゆる疑問形だろう。

「どうかしたの?」

「何でもない。チャーハンができる頃かなって思っただけだ。」

やっぱり橋本知香は疑問形が多いんだろう。橋本知香は慌てて俺のテントの中から出てチャーハンを食べに行った。俺が寝ようと思ったのにチャーハンが出来てしまったじゃないか。俺はゆっくり立ち上がってチャーハンを食べに行く。急にブザーの音が聞こえてくる。

「一年三組の滝川陽菜だ。小山健次はすぐに島の中央に来てくれ。」

俺はチャーハンを食べるのをやめて島の中央に行こうとすると菜生桜が俺の右手を掴む。

「行くなら私も行く。」

俺は頷いて菜生桜と島の中央に歩いて行く。島の中央には滝川先生とタバコを吸う男が立っていた。

「小山健次、この写真はなんだ。」

見ての通り赤い文字で書かれたサバイバル生活を辞めろと言う意味だ。滝川先生は俺に渡した写真は誰か知らない女の人の写真だった。

「名前は星波奈々、お前より先輩の二年三組の子だ。まさか小山健次が盗撮したのか。」

「待ってください。私も小山君と一緒にいましたが盗撮なんてしてませんでした。」

そういえば菜生桜も一緒にいたんだった。ただ菜生桜が一緒にいただけで無実にはなるだろうか。

「菜生桜が言うなら絶対だな。戻っていいぞ。」

俺が無実って事になった。菜生桜とは恐ろしい存在である。先生ですら逆らえないのは凄いとは思うがただ俺に勇気が無いだけだと思う。俺と菜生桜はみんなのところに歩いて行く。夜で周りは暗くていつ何があってもおかしくない。

「小山君と菜生さん、どこに行ってたの?」

「えっと…。ちょっと散歩に行っただけだ。」

俺は涼風香里の言葉に慌てて答える。俺は自分のテントの中に入って横になる。

「皆さん明日は早起きですよ。おやすみなさい。」

みんなは自分のテントで寝ている。俺はホッとして寝ようとすると俺のテントの中に橋本知香が入っていて俺に抱きつきながら寝ている。俺は橋本知香の方を見ると橋本知香は目を開けてニコッと笑う。俺はため息を吐いて寝る。

「ねぇ、小山君って彼女いるの?」

いないが、寝ようと思った時に声をかけられるのはちょっと嫌だ。それより抱きついている手を離してくれないかと思うんだが言っても無駄だろう。

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