第11話二回目のサバイバル生活

二回目のサバイバル生活が始まった。場所は一回目の場所とは違うところで俺達は一回目と同じように海が近くて広い場所を探しながら歩いて行く。場所は適当に決めてテントを張って場所を確保する。まだ昼にならないので俺は黙って島の中央に向かって歩いて行こうとすると菜生桜と前田春香と橋本知香が俺の後をついて来る。

「何でついて来るんだ?」

「小山君を一人にすると危ないんだもん。」

そんなに俺は危なっかしいのか。俺はため息を吐いて中央に向かって歩いて行く。木の枝を拾って行って島の中央に着くと俺達がいるところよりも広い場所だった。滝川先生が島の中央にいた。

「どうしたんだお前達。」

「島がどのくらい広いか歩いてただけです。」

はっきり言って嘘である。俺は黙ったまま前に歩いて行く。島の中心部より先は危険という看板があって上級生でも中心部より先に行く者はいないらしい。俺は島の中心部より先に歩いて行く。

「小山健次、ここから先は危ないぞ。」

「ご心配ありがとうございます。しかし、ここから先が俺の夢への一歩です。」

俺は島の中央より先に歩いて行くと上級生の三年二組がいた。

「なんで一年三組がここにいるんだ。」

「別にいたって良いだろう?」

俺は三年二組の事は無視して真っ直ぐ歩いて行こうとすると橋本知香が抱きついて来る。俺は気にせずに真っ直ぐ歩いて行くと海が見えてきた。

「ねぇ、どうして海に行ったの?」

「いいや、俺の思い違いだった。」

俺は来た道を戻って行く。前田春香と橋本知香と菜生桜は慌てて俺の後を歩いて来る。俺は島の中央に着いて滝川先生とまた会った。

「島の中央より先に誰かいたか?」

「ええ、三年二組の先輩達がいました。」

正直にいうと三年一組や二年二組の先輩達もいて俺達はもしかしたら場所取りを間違えたのだろう。

「ねぇ、今日の昼ご飯と夜ご飯どうする?」

「この中で上手く料理ができる奴はいるか?」

俺はため息を吐いてから聞いて見ると菜生桜が手を挙げる。菜生桜がどんな料理を作るのだろうか。もしかしたら毒でも入れられるかもしれない。理由は一つで菜生桜の裏の顔である。前田春香と橋本知香は菜生桜の裏の顔は知らずもしも俺が言ってしまえば何をされるか分からない。俺は菜生桜に昼ご飯と夜ご飯を作る事を任せて俺は自分のクラスの場所まで歩いて行く。自分のクラスの場所に着いて俺は木の枝に火をつけて自分のテントの中に入る。

「小山君、暇なら野菜切るの手伝って。」

菜生桜が俺のテントの中を覗く。俺は菜生桜の裏の顔を知っているから今の菜生桜は表の顔なのだろう。しかしあの菜生桜の不敵な笑みは何なんだろうか。俺は何も言わずに野菜を切るのを手伝う。ニンジンと玉ねぎを切って前田春香に後は任せて俺は手を洗ってから自分のテントで少し休む。すると橋本知香が俺のテントの中を覗いて俺に抱きついて来る。

「悪いんだが今寝ようと思っているから邪魔をしないでくれないか?」

「じゃぁ一緒に寝よっか。」

どうしてこうなってしまうんだろう。同じクラスの友達から見たら彼氏と彼女である。俺は寝るのを辞めて一人で近くの海岸にブルーシートを敷いて寝っ転がる。俺は熟睡してしまい、前田春香が海岸で寝ている俺を見てニコッと笑って俺が寝ている隣に座る。

「小山君、起きて昼ご飯出来たよ。」

俺は目をゆっくり開けて前田春香の方を見ると前田春香はニコッと笑って右手を差し出す。俺は前田春香が差し出した右手を握って立ち上がる。菜生桜が作った昼ご飯は少し不安だけど一応ブルーシートをたたんでみんなのところに戻る。

「遅いよ〜小山君。」

「悪いな、ちょっと昼寝をしてたら遅くなってしまった。」

菜生桜はほっぺを膨らませて言うが俺は深呼吸をしてから遅くなった原因を言うと菜生桜はニコッと笑って髪をいじる。俺は涼風香里から菜生桜が作ったオムライスをもらって食べると俺は驚いた。なぜなら美味しいからである。どうして美味しいのに驚くかというというと菜生桜が裏の顔になったら俺を殺すのもたやすいだろう。俺は菜生桜が作ったオムライスを食べ終えて自分のテントの中に入る。夜まではまだあり俺はテントの中でスマホをいじる。

「ねぇ小山君、みんなでトランプをやるんだけどやらない?」

俺にトランプをやらないかと誘う前田春香。しかし俺は衝撃的な事実を知った。トランプはジョーカーなしで五十二枚で自分のクラスは五十二人ピッタリなのである。一人一枚でやったところで出来る遊びはないだろう。

「五十二人いるのにトランプをやるのは無理そうだね。他の遊びにしようか。」

クラスの田中研が俺の思っていた事を悟ったかのように言うので少し驚いたが俺は何も言わずにテントから出ると橋本知香が俺に抱きついて来る。

「なぁ俺ちょっと島の中央より先に行って来る。」

みんなは驚いた表情で見ていて慌てて前田春香が俺の右手を掴む。

「島の中央より先には先輩達しかいなかったでしょ。」

「いいや、先輩達や先生以外にこの島に誰かいる。」

俺には何となくこの島には他の人がいると思う。例えば協力者かもしれない。先輩達が連れてきた協力者だとしたら問題点である。俺は黙って前田春香が掴んでいる手を離してもらって俺は島の中央より先に歩いて行く。この先が天国と地獄の境目という訳だ。

「また、小山健次か。今度は何しに来た。」

「この島に先生達と先輩達以外にいますね。」

滝川先生はまるで最初から知っていたように落ち着いていた。

「もしもいたら何だというんだ。」

俺は何も言わずに島の中央から先に歩いて行く。気が多く倒れてい木も多い。俺はゆっくり歩いて行くと目の前に現れた木で作られた小屋があり俺は小屋の中に入るとタバコを吸った男がいた。

「誰だね君は?」

いいやこっちが聞きたいんだが、まぁ一応挨拶くらいはしておくか。

「こんにちは一年三組の小山健次です。少し聞きたい事があるんですが大丈夫ですか?」

タバコを吸っている男は頷いて俺は木の椅子に座る。

「あなたはこのサバイバル生活の最高責任者ですよね?」

「ああ、よく分かったな。誰にもバレないと思っていたんだがまさか一年生にバレるとは思わなかったよ。」

俺は黙ったままタバコを吸っている男を見る。男は俺の方に歩いて来る。

「話はそれだけならクラスのみんなのところに戻って。」

俺はため息を吐いて小屋から出てみんなのところに戻ると橋本知香が俺に抱きついて来る。俺は何も言わずに自分のテントの中に入ると菜生桜が俺のテントの中で待っていた。

「一体どこに行ってたのかしら。」

「そうだな?少し島の中央より先まで歩いていただけだ。」

本当は島の中央より先にある小屋にいる最高責任者の男がいる事は黙っておこう。俺はテントの中でゆっくりしようと思ったのに菜生桜が待っていた事は想定外だった。

「なぁ菜生桜、一緒に島の中央より先に歩いて行かないか?」

「何で私が小山君と一緒に行かなきゃいけないのかしら?」

そんな嫌な顔をしなくたっていいじゃないか。俺と島の中央より先に行くのがそんなに嫌なのだろうか。

「そんなに俺と行くのが嫌なのか?」

「別に小山君が私とじゃなきゃ嫌だって言うなら行ってもいいわよ。」

そこまで言う気は無いので別に一緒に行かなくたっていいんだが。前田春香か橋本知香を誘って行っても良いんだが俺のテントの中で待っていた菜生桜の方が良いと思っただけだ。

「どうするわけ?」

俺は黙って島の中央の方に歩いて行くと俺の後を菜生桜が歩いて来る。島の中央には滝川先生がいてそれより先に小さな小屋がある。俺は黙ったまま歩いていると菜生桜が俺の横を歩いている事に気付いた。

「何よ、さっきからチラチラ見て。」

別にチラチラ見たわけでは無かったんだが。俺は目の前に見えて来た小さな小屋を指差して俺と菜生桜は小さな小屋まで歩いて行く。

「あの〜。」

「なんだまた君か。」

今回は小さな小屋がなぜあるのかを突き止めてからゆっくり一日を過ごしたいと俺は思う。

「今日は彼女と一緒か?」

「ああ、彼女では無いけどな。」

まったくどうして彼女と一緒にいる事になってしまうんだろう。俺はため息を吐いてタバコを吸う男を見る。

「今日は何しに来たんだい。」

「まずこれを見てください。」

俺はスマホをタップしてこの島の地図を出してタバコを吸う男に見せる。

「これはこの島の地図です。よーく見ると小さな小屋の近くに何かあるでしょう?」

俺は小さな小屋の近くを見ると地下通路だろうか。穴がある事を示している。だがな島には俺達一年生と先輩達と先生と最高責任者くらいしかいないはずなのである。謎が増えるだけで全然謎が減る気がしない。俺に関係がない事を考えたところで何も変わらないだろう。俺としては何でも自分通りにならないと嫌なタイプだからなるべく余計な事を言わないように気をつけた方が良い。失敗をすれば人生ですら捨ててしまうだろう。俺の思い通りになったからといって多分犠牲が付き物なのかもしれない。

「もう良いなら戻るわよ。」

「ああ、これを渡したら戻るから先に戻っててくれ。」

菜生桜は頷いてみんなのところに先に戻って行く。俺は一枚の写真をタバコを吸うおとこに渡してみんなのところに戻る。

「遅くなって悪かった。でも、これでサバイバル生活は終われるかもしれない。」

自分でも何を言っているのか分からなくなってしまった。サバイバル生活が終わったとしてそれが俺が望んだものなのだろうか。俺が望んでいる事は友達を作る事では無かったのだろうか。自分でも分からないくらい混乱しているらしい。さっきの一枚の写真は白い紙に赤い文字でサバイバル生活を辞めろという文字が書かれている。

「小山君、夜ご飯何が良い?」

何で俺に聞くのかは分からないが一応答える事にしようとした時、同じクラスの友達が前田春香の言葉に答える。

「俺はラーメンがいいと思うよ。」

はい、やりました。一番手軽でサバイバル生活では最終作と言って良いものを一日目の夜に作る事になるとは少し大変である。

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