第8話お泊り
次の日、目を開けると前田春香と橋本知香がいなかった。俺は二人が帰ったと思って風呂に入った時、前田春香と橋本知香が頭と体を洗っていた。
「きやー、見ないでよ。」
いや、見てはない。そんな事よりもなぜ勝手に人の家でお風呂に入っているんだ。理由は分からないが俺はひとまず風呂場から出てお湯を沸かす。全く女子を家に泊めるとこれだから嫌だ。お湯が沸いて俺は湯のみを三つ出して急須の中にお茶っ葉を入れてからお湯を入れる。前田春香と橋本知香がお風呂から出て来て俺の方を見る。
「小山君、お風呂入っても良いよ。」
いいや、前田春香と橋本知香が入った後のお風呂には入れない。俺は三つの湯のみにお茶を入れる。俺はお茶を飲んで前田春香と橋本知香を見ると二人は体にタオルを巻いたまま出て来ていた。出来る事なら服を着て欲しいんだが、理由は二つ、一つ目は俺は体にタオルを巻いたまま出られるのが嫌だからである。二つ目は体にタオルを巻いていると強乳か貧乳かが分かってしまうからである。俺は黙ったまま二人の方を見ていると橋本知香が俺の視線に気づいた。
「小山君、さっきから私たちの事じろじろ見過ぎだよ〜。」
そんなに見ていたのだろうか。俺は立ち上がって料理をしようとすると前田春香が俺を止める。
「料理は私が作るから座ってて。」
それはいいんだがさっさと服を着て欲しい。俺は橋本知香の方を見ると橋本知香は顔を赤くして俺を見ている。
「な、何見てるの?わ、私が好きなの?」
いいや、好きとは言っていないし少し見ただけで好きと聞かれても答えようがない。俺はもう一眠りしようとした時、橋本知香が抱きついてくる。抱きつかれたのは二回目だと言うのにもう慣れた。俺は学校に行く事を考える。今日は土曜日だから前田春香と橋本知香が泊まっているのである。土日はゆっくりしていたいのにどうして分かってくれないんだろうか。分かった方が凄いのかもしれない。
「前田春香と橋本知香はお留守番で俺はちょっと出かけてくる。」
二人は涙目で俺の方を見て来る。可愛いとは思うがお留守番をしてて欲しい。俺と前田春香と橋本知香で出かけると彼女と思われても少し困る。俺は一人で外に出て鍵を閉めようとすると前田春香と橋本知香が靴を履いて外に出ていた。俺はため息を吐いて鍵を閉めて出かける。結局三人で出かける事になるとは思ってもいなかった。俺はコンビニに行ってジャンプを買って前田春香と橋本知香の方に行くと二人は本を読んでいた。こっそり先にコンビニから出て家の方に歩いて行く。すると後ろから前田春香と橋本知香が涙を流しながら俺の前に歩いて来る。
「どうして私達を置いて行っちゃうの?」
置いて行ったのは確かだが俺はジャンプを買って二人を見たら本を読んでいたから邪魔をしないようにコンビニから出たというのに余計なお世話だったらしい。俺は家に帰ってジャンプを読んでいると前田春香が俺の背中の上に乗る。
「ねぇ、ジャンプないの?」
今読んでいるんだが、もしも前のジャンプとかが読みたいなら押入れの中にいっぱいあるから好きに読んで欲しい。あ、でも今は心の中で思っているだけだから前田春香には聞こえてないんだった。
「前のジャンプなら押入れの中にいっぱい入ってるから好きに読んでいいぞ。」
前田春香は俺の背中から降りて押入れを開けて前のジャンプを出して読み始める橋本知香は俺に抱きついて来た。三回目と数まで数えてしまうようになってしまったではないか。俺はジャンプを読み終えてジャンプを押入れの中に入れる。しかし橋本知香は俺から全然離れてくれないんだが。まぁ別にこのままでいいと言うなら俺は気にしないんだが。時間を見るとまだ十時で俺は二階に上がって部屋の片付けをする。橋本知香は離れてくれなかったけど俺は気にせずに部屋を片付ける。俺は二階の部屋を片付けてから階段を降りる。いい加減に橋本知香に離れて欲しいんだが怒って泣かれでもしたら前田春香に何か言われるかもしれない。
「小山君、トイレ借りるね。」
やっと橋本知香が離れてくれた。俺がため息を吐くと前田春香はくすくすと笑っていた。俺はまた橋本知香に抱きつかれるのは少し嫌で俺は階段を上がる。橋本知香がトイレから出て前田春香の方を見て首を傾げる。
「ねぇ、小山君知らない?」
「さっき階段を上がって行ったよ。」
おいおい、なんで俺が階段を上がった事を言ってしまうんだ。橋本知香は階段を上がって来て俺に抱きついた。これは癖というよりも狙ってやっている気がする。俺の体に橋本知香の胸が当たる。俺は階段を降りて前田春香のところに行く。
「なんで俺が階段を上がった事を言ってしまったんだ。」
「正直者だもん私。」
前田春香は正直者だったのか。少し意外な展開だ。俺は昼ご飯を作ろうとすると前田春香が俺を止める。
「私が料理はするから。」
どんだけ俺が作る料理が嫌なのだろうか。まぁ、俺が作る料理は適当だから仕方がないだろう。俺は橋本知香にいい加減に離れて欲しいな。
「橋本、いつまで抱きついたら満足なんだ?」
「ずーっと。」
橋本知香はニコッと笑って俺の方を見る。俺にとっては迷惑なんだがずっと抱きつきたいというなら好きにしてくれ。だがお風呂の時には慣れて欲しいな。風呂は確かに三人は入れるが流石に俺が困るから嫌だ。俺は黙ってテスト勉強をする。
「えー小山君勉強するの?」
えーっと言われても明後日はテストだぞ。勉強をしない方がおかしいだろう。俺はノートを出して問題を書こうとした時、橋本知香の抱きついた手が邪魔であまり上手く書けない。
「橋本知香、少し離れてくれないか?」
橋本知香は 抱きつくのを辞めて離れる。俺は勉強をしていると前田春香と橋本知香も勉強を始めた。人というのは誰かが勉強をしていたら勉強をするのだろうか。よくは分からないが俺にとって女子というのは友達でしか無いのだろうか。俺は勉強を中断して立ち上がって出かけようとすると前田春香が俺を止める。
「今日は勉強をしよう。」
それはいいんだが昼ご飯はどうなったんだ?それに焦げ臭いんだが本当に大丈夫か?
「前田、なんか焦げ臭いんだが。」
前田春香は慌ててキッチンに走って行った。魚でも焼いていたんだろうか。俺は座って
橋本知香と勉強をする。前田春香は出来上がった昼ご飯を机に置く。俺は焦げた魚を見てよく焼いてくれたのだろうと思ったのだがただ忘れていただけではないかとも思う。俺は焦げた魚を食べてからご飯を食べる。
「やっぱり魚苦かったかな?」
前田春香は心配そうな顔で俺の方を見ている。俺は黙ったまま食べているが橋本知香はニコッと笑って前田春香を見ていた。嘘はつきたくないし正直に言って心を傷つけるのは嫌だ。俺は昼ご飯を食べた後に出かけようとすると橋本知香がご飯を食べ終えて俺に抱きついてくる。一体何回やれば気がすむんだ。俺は橋本知香から慣れようとするが橋本知香は全然離れない。俺はため息を吐いて出かけるのを辞める。俺に抱きついている橋本知香をなんとか離れさせる事に成功したかと思った時に橋本知香がまた抱きついてくる。いい加減にイラっとしたが女の子に怒るのは少しやる気が出ない。俺はジャンプを押入れから出して読む。一日が台無しと言ってもいいと思うんだが勉強を教えてもらったからには仕方がないだろう。時間は流れて夜になってしまい俺は夜に出かける。
「小山君どこに行くの?」
俺は一人で夜の街を見たいんだが前田春香と橋本知香が家にいた事をすっかり忘れていた。俺がドアを開けて外に出ようとすると橋本知香が俺に抱きついて来る。何回目かは忘れてしまったが俺は橋本知香を離れさせようとするが離れてくれない。俺は外に出て夜の街を歩く。橋本知香は抱きついたままで視線が気になってしまう。前田春香はほっぺを膨らませながら俺の後を歩いている。よっぽど橋本知香が抱きついているのが羨ましいのだろう。
「本屋に行くから少し待っててくれ。それと橋本、いい加減に離れて欲しいんだが。」
橋本知香は俺に抱きついた手を離す。俺は本屋の中に入ってジャンプを読む。はっきりいうとジャンプには種類があって俺が持っているジャンプは情熱ジャンプと灼熱ジャンプである。今日発売の灼熱ジャンプを買いに来たんだが流石に夜に灼熱ジャンプを買う事になるとは思ってもいなかった。
「三百六十円になります。」
俺は三百六十円を払って本屋から出て前田春香と橋本知香のところに行くと前田春香と橋本知香は焼き芋を食べていた。俺は気にせずに歩いて家に帰ろうとすると前田春香と橋本知香が俺の手を掴む。
「小山君も一緒に食べようよ。」
また、前田春香と橋本知香が食べた後のを俺が食べるのかと思った時、前田春香はバックの中から焼き芋が入った袋を出して俺に渡す。俺はホッとして焼き芋を食べながら家に帰る。やっと一人だと思って横になると俺の肩を叩く前田春香と橋本知香。俺はため息を吐いて前田春香と橋本知香を見る。
「やっと一人と思ったのになんで前田と橋本がいるんだ?」
どうしているかなんて俺には簡単に分かった。今日が土曜日だからである。明日は日曜日で月曜日はテストで明日まで泊まるらしい。前田春香は夜ご飯を作り始めて俺はさっき買った灼熱ジャンプを読む。その時、橋本知香が抱きついて来る。今日で何回抱きついたかを思い出そうとするが思い出せない。俺は前田春香が作った夜ご飯を食べて橋本知香の方を見ると橋本知香はニコッと笑っていた。抱きつかれた俺の身にもなって欲しい物だ。俺は布団を敷いて一人で寝ようとすると前田春香と橋本知香が慌てて布団に入ってくる。今日はよく眠れなかった。
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