第9話 会議と後悔
城壁都市アリオン、第三防壁内。
それはシェリアが所属しているギルド、アリオン支店が存在する場所である。そしてアリオンにおける行政府機能が集まっている場所でもある。
そしてその中でも最も重要であり、そして警備が厳しい場所がアリオン行政府の幹部クラスが集まる行政庁舎である。
それは第3防壁の中、最も奥に立てられていた。鉄製の柵に囲まれ、敷地内には水をたたえる噴水、色取り取りの花壇などが置かれていた。庭の奥には3階建ての大きく横に広がる白い建物だ。
かつてアリオンとその周辺を支配していた領主の屋敷も現在は行政部のトップが集まる重要な拠点として稼働している。
その建物の部屋の一つ、かつて領主の会議に使われていた部屋にアリオンにおける行政のトップが集まっていた。大きな木のテーブルを囲むようにして座っている彼らの表情は暗い。
その理由は明白だ
先の攻撃によって第1防壁が陥落したためだ。アリオンがこの地に生まれてから多くの時が経ち、幾度となく攻撃を受けてきた都市であったが、一度も防壁が破られたことはなかった。その防壁が破られたことに誰もが衝撃を受けていた。
「よもや、私の代で防壁が破られようとはな。想定はしていたが、まさか現実になるとは…」
そう言って部屋の一番奥に座る男が目を瞑りながら片腕をつき、そう呟いた。男の名はエルベール。城壁都市アリオンにおける行政の長である。彼はしばらくそのままの姿を維持していたが、拳を当てていた皺だらけの頬から離すと、白髪が交じった金髪を揺らし、目の前のテーブルに座っている全員に言い聞かせるように口を開いた。
「とにかく現状を知らなければ何も出来ない。防衛担当、現状の戦力を教えてくれ」
「はっ、首長」
エルベールから見て左側に座っていた鎧姿の男が右手に書類を持ちながら立ち上がる。その鎧姿に全員の視線が集中し、それを確認した彼は書類を顔の前に動かした。
「まず我が軍の被害から説明いたします。先の戦いで兵士1879名が戦死。負傷は883名に上っております。そのため現状での戦力としては約6200名となり、3割程の減となっております。この数字にはギルドの冒険者達は含んでおりません」
第1防壁にいた兵士はおおよそ3400名である。内訳は壁の上に1400名、商業地区に2000名である。被害の殆どは最前線であるここが占めている。ここのみの被害と考えて、おおよその損耗率は八割であり、壊滅と言って良い被害だった。この被害に加えて、火災による商業地区の被害も甚大であり、この会議に参加した誰もがその顔色を青くさせる。
「では、敵の現状は?」
「そちらに関しまして、斥候の報告によると、敵の本体は一旦第1防壁から離れたそうです。現在壁に張り付いているのは、おおよそ1万程と推測されます。おそらく場内に大部隊が展開できないため、逐次戦力を送る腹づもりでしょう」
「そうか。それで、あとどのぐらい持ちこたえられる? 率直な意見を言ってくれ」
「はい、敵がまだ同じような爆薬を持っていると仮定して、最大でも3日耐えれば良いところでしょう。そしてもし、敵がそれを持っていないならば、およそ9日は耐えられると思われます」
「ふむ。本国からの応援は、どれぐらいで着くだろうか」
「おそらく、後2週間は掛かると思われます。それでも先に来るのは先遣隊だと思われますので、本隊が来るのは更に遅くなることが予想されます」
「と言うことは、我らが生き残るには目の前に広がる八万の軍団を打ち破るほか無いと、そういうことか」
防衛担当の答えを端的にまとめたエルベールの言葉に、重かった空気が更に重たくなる。そして自分たちの運命に絶望しているのだろう、殆どの者が視線を落とし、頭を抱えている。
「はい、誠に残念ですが……」
「ふむ。防衛担当、聞くが我々の戦力で打って出たとして、打ち破る事は可能か?」
「今となっては不可能でしょう。まず商業地区の建物があるため、大きく軍を展開できません。また、例えそこから敵を追い出したとしても、壁の外には八万の軍勢。とても勝ち目はありません」
防衛担当の答えに嘆息してエルベールは背もたれに体を預け、空を仰ぐ。そもそも、戦力的に劣るために引きこもって戦っていたのだ。打って出て勝つことが出来るのならば初めからそうしていたことだろう。
「わかった、座って良い」
空を仰いでいたエルベールはゆっくりと彼の方を向き、疲れた表情を向けると彼を座らせる。そしてその場にいる者たちを見渡す。
「さて、他の者に聞くが、何か良い案はないだろうか。どんな案でも良いぞ、言ってみてくれないか?」
エルベールは問いかけるが誰も反応しない。
現在の戦況は最悪と言って良いだろう。街の出入り口は軍団に塞がれ、第1防壁は陥落した。さらに単純な敵と思われたゴブリンも武装を使いこなしていると来た。数の上でも負けているこの状況に、誰も案を出すことが出来なかった。ある人を除いては……。
「首長、一つギルドから提案があるのですか、よろしいでしょうか」
一人が手を上げて声を上げる。その者に全員の視線が集中する。
「おお、副ギルド長か。良いぞ、言ってみてくれ」
エルベールの言葉に茶色の前髪を揺らしながら首を前に振ると、立ち上がり、エルベールに体を向ける。
「では、僭越ながら私たちギルドとしては、独自に反攻作戦を行う準備をしております」
その言葉に誰もが耳を疑い、そして騒ぎ始めた。ギルドの戦力はアリオンの戦力に比べて圧倒的に劣勢である。単独で戦っても、数に圧されて飲み込まれるのがオチであることは火を見るより明らかだ。一体何が出来るのか、多くの者がそう思ったことだろう。しかし、エルベールは面白い物を見るように笑みを浮かべる。
「ほう、反攻作戦……。具体的にはどのような内容だ?」
「まず、Aランク冒険者であるウィル、ロイ、アリアの三人を投入し、敵軍の指揮官とおぼしき黒い騎士を足止めいたします。その隙に、別働隊が第1防壁に向かい、壁外におります軍勢を殲滅いたします」
その内容に騒いでいた者たちの声が大きくなった。こちら側が討ち滅ぼされそうな状況下で、少数の彼らにそんなことが出来るだろうか。いや、出来ない、出来るわけがない。今の彼らにとってそれはふざけた提案だ。案の定、不可能だ。出来るわけがない、と言う声が噴出した。しかしエルベールの態度は変わらない。
「そう、殲滅とは大きく出たな。まさか、以前君たちから報告のあったギルドの隠し球を使うつもりか?」
「はい、そのつもりです」
「ふむ、それ程の大魔法を使えるのか、彼女は?」
「はい、それは同じ防壁にいた冒険者からも報告されております。実際、その魔法を使う寸前だったとの事ですが、黒い騎士に妨害されて失敗したそうです」
「首長、それに関しては第1防壁の指揮官であるドランからも報告を受けております。未だ嘗て見たことがないものだったと。もしそれが本当であるならば、現状を切り開く術になると思われます」
防衛担当がギルドの背中を援護するように立ち上がり、説明する。
「ほう。それで、何か我らにしてほしいことはあるか?」
「あります。まず突撃前、そして作戦が失敗した時を想定して、銃剣隊の援護射撃をお願いしたいのです。それ以外はギルドの冒険者のみで行います」
「なるほど。それで勝算はどれ位なのだ?」
「そうですね、およそ五割と言った所でしょうか。まず黒騎士を貼り付けなければなりませんし、彼女がそこまで辿り着けるか、と言うことも不明です。ですが、今の我々にはこれしか無いと思い提案いたしました」
「うむ……」
エルベールは視線を外すと腕を組み、考えるように目を瞑る。しばらくそのままで時間がゆっくりと過ぎていく。誰もが固唾を呑んで次の言葉を待つ。やがてその青色の瞳を開くと再び副ギルド長を見る。副ギルド長は姿勢を正し、答えを待つ。
「分かった、ギルドによるその作戦を許可しよう」
「ありがとうございます」
「しかし、副ギルド長よ。我々も面子という物がある。騎士団より応援を送ろう。その戦力を持って作戦に挑むと良い」
その信じがたい言葉に誰もがエルベールを見る。勝算が五割しかないという作戦に貴重な戦力を投入すると言ったのだ。
「お、お待ちください首長!この様な作戦に、貴重な騎士団を投入されるおつもりですか!?」
一人の男が椅子から飛び上がるように立ち上がる。そしてその言葉は多くの者の総意であったのだろう、それに皆が頷く。しかしエルベールは事も無げに答えた。
「そのつもりで言ったのだが、不満か?」
「当然です!その者がどんな者であれ、もし作戦が失敗するような事があれば、我々は貴重な戦力を失うことになります!もしそうなれば、都市の防衛もままならなくなりますぞ!」
「防衛もままならなくなる、か。しかし、このまま閉じ籠もっていても我々は負ける。そうだろう、防衛担当?」
「はっ、心苦しいことでありますが、我らとしては最早、彼女に賭けるしか生きる道はありません」
「そう言うことだ。何もしなくても我らはこのまま滅びていく運命にある。ならば少しでも生存出来る道があるなら私はそれを選ぼう。例えそれが博打であったとしてもな」
「しかし……」
「お前の気持ちも分かる。もしかしたら本国からの応援が間に合うかも知れないと思っているのだろう?そして、もしかしたらそこまで耐えられるかも知れない。しかし、それも所詮博打だ。間に合わなければ我らは滅びる。何の手立てもなくただ死んでいくだけだ。ならば少しでも可能性がある方に賭けようじゃないか」
「……首長がそう言われるなら、仕方がありません。しかし、万が一作戦が失敗した時を想定しておくべきです」
「そうだな。非戦闘員は隠し通路から逃がせるように手筈を整えておこう。しかし、それも間に合うか分からぬがな……」
エルベールは彼から視線を外すと再び副ギルド長に視線を合わせる。
「副ギルド長。我らの運命を其方らに託す。全力を持って事に臨むように」
「はい、必ずや成し遂げて見せましょう」
**
シェリアが目を覚ましたとき、まず見えたのは白い光に照らされた木の天井だった。肌に柔らかい布団の感触を感じながら右を見ると小さな窓があった。そこには暗闇の中にぽっかりと柔らかな光を放つ月が浮かんでいた。それをぼーっと眺めていると、左の方からのぞき込むようにアイリスの顔がぬっと出てきた。
『目が覚めた? 調子はどう、シェリア?』
「アイリス姉、ここはどこ?」
「ギルドの仮眠室よ。第1城壁が陥落したから今は殆どの宿が使えなくなっているの。そして使える宿は重傷者を運び込んでいてね、その人達でいっぱいだからこの仮眠室に寝かせていたの」
「そっか」
彼女がそう答えるとアイリスはそこから顔を離す。
シェリアはしばらく外を眺めると、やがて掛けられていた布団を退けてゆっくり上半身を起こす。その時、あることに気がついた。
「あれ、私の服は? なんで別の服に?」
『貴女が来ていた服は血糊で汚れていたから着替えさせたのよ。あと、あの服は諦めなさい。もう汚れは落ちそうにないから』
「……お気に入りだったんだけどな、あの服」
購入して以降、外に出る時はいつも来ていた服である。当然愛着があったため、それを諦めざるを得ないと言うことに、落胆し顔を落とすシェリアであった。が、すぐに思い出したかのようにアイリスの顔を見る。
「そうだアイリス姉、戦況はどうなったの!? 確か、第1防壁が陥落したんだよね?」
『夕方まで戦闘が続いたけど第2防壁で食い止めたわ。今は戦闘が止まって、どちらも休憩時間って所かしら。けど、何時攻め込まれてもおかしくないから、兵士の人たちは交代で見張っているみたいね』
「そうか、それなら良かった。それで私はどのくらい寝ていたのかな」
『時間にして7時間ほどね。本当に心配になるくらいグッスリだったわよ。よっぽど疲れていたのね』
「そりゃ……、あれだけの体験をすればそうもなるよ……ん?」
ふとシェリアはある違和感に気づく。眠る前と今現在に違っていることがある、そんな予感がした彼女は体を見て回る。そして気がついた。
「あのさ、アイリス姉。私、怪我してなかったけ? 確かこの辺りに矢が当たっていたはずだけど……」
『その事ね。ここに運び込まれた時にはすでに塞がっていたわ。跡さえ残さずね。周りはポーションの力で直ったと思っているみたい。アリアは納得していなかったけどね。あまりにも早すぎるって』
「早すぎる、か。大方この体の化け物じみた回復力のおかけだろうね。じゃあ、毒は? あれは効いていたと思うけど……」
『アリアの言葉によると、普通は10分程度で死んでもおかしくない毒だったらしいわ』
「そっか。しかし、本当に私は人外、化け物なんだね」
『普通の人はそう思うでしょうね。明らかに常人を超える魔力と死なない不死性。そして年を取らない。もし知られた時は……って言ってももう遅いだろうけど。そうね、異世界の事を前面に押し出して突き通せば何とかなるかも知れないわ。それでもそれを説明するのは骨が折れそうよ』
「そう考えるとこれは隠すべきだよね。ウィルさん達に知られて面倒なことになる事は予想できるし」
『あら、貴女が異世界から来ているって言っているウィルにも話さないの?』
そう指摘されたシェリアは彼女から視線を落とすと、痛いところを突かれた、と思いながら苦笑いを浮かべ敷かれている布団に寝転んだ。
「正直言って、ウィルさん達に嫌われたくないって言うのが本音かな。だって、この世界に来て初めて得ることが出来た仲間というか……、とにかく大切な人たちだからさ、それを話して嫌がられた末に嫌われるとかそんな事にはなりたくない。そんな人たちじゃないって言うのは分かっているんだけどね」
『頭で分かっていても、心はそうじゃないって事かしら』
「うん、そんな感じ。とにかくこの事は黙っているよ。それとさアイリス姉、一つと思ったことがあるんだけど……」
『うん』
「あのさ、もし、最初から荷電粒子砲を撃っていたら、こんなことにはならなかったのかな?兵士の人たちも死なずに済んだのかなって思って……」
それは彼女の心に残っている棘のようなモノだった。目の前にいる軍勢。あれを接近される前に叩くことが出来たらこんな事にはならなかったんじゃないかと、そう思っていた。
姉代わりであるアイリスに話すのは、もしかしたらそんなことはなかったんじゃないかと、そんな答えを聞きたかった、そんな言い訳になる材料が欲しいと、そんな思いからだろう。
彼女自身もそんなことを聞いても意味は無いと思っていた。それでもそう言って欲しかった……と。
『そうね……。確かに最初から撃っていたら、この戦いはすでに終わっていたのかも知れないわね』
「そっか……、そうだよね……」
自分の思いとは裏腹に、アイリスの言葉によって改めて突きつけられた事実に、彼女は情けない気持ちになり、そしてそれを誤魔化すようにゴロンと体を動かして彼女に背を向ける。
『後悔しているの? 撃たなかったこと』
「うん、あの時撃ってしまえばさ、誰も傷つかずにこの戦いを終えられたと思うんだ。でも、私はそうしなかった。多分この力を手に入れてからさ、心のどこかで傲りがあったんだと思うんだ。この力なら誰にも負けないって。でも結局はそんなことはなくて、ゴブリンの攻撃を抑えられず負けた。兵士の人たちもいっぱい死んだ。そう考えたらさ、自分が情けなくなったんだよね」
『あの時、無理をしても攻撃しようとしたのは、それが理由?』
「わからない、あの時は無我夢中だったから。もしかしたら心の底で、贖罪したいって考えていたんだと思う」
シェリアは首を少し動かして窓に外に浮かんでいる月をジッと眺める。いつもと変わらない、綺麗な月がそこにあり、柔らかな光で彼女を照らしている。しかし彼女の心は安らぐことはない。むしろ、どんどん陰鬱な気分が強くなっていく。
「何というか、本当にうまくいかないものだね……」
『そうね』
その言葉の後、沈黙が部屋を支配する。それに耐えきれなくなったシェリアは掛け布団を胸元まで寄せると抱き枕のようにギュッと抱きしめた。
『でも、それは結果論よ。確かに貴女があれを油断なく撃っていれば勝てた戦いだった。けど、それは事が終わってから気づいたことであって、あの戦いの時には分からなかったわ。そもそも、相手が爆発物を持っている事に気づいていたら、貴女は油断なくそれを殲滅するように行動したでしょ?』
「それは、まぁ……」
『でも、そんなことは知らなかったし、ゴブリンの練度もボウガンを扱える位はある、と言うことも知らなかった。そんな風に情報が不足している中で、それを予測して対応するなんて事は、貴女にはまだ難しいと思うわ。初陣であるこの戦いにそれをしろって話が間違いよ。でも、これで同じ失敗はしないでしょう?』
「……うん、次は同じ失敗はしない。どんなのが相手でも間違えないように戦うよ」
『ホントはこっちを向いて言って欲しかったけど、まぁ、良いでしょう』
そう彼女が言うと同時にシェリアの頭にはゆっくりと撫でてくる感触が伝わってきた。子供扱いされている様な気がして、彼女は顔を赤く染める。
「何というかさ、今のアイリス姉って姉って言うよりお母さんって感じだな」
『お母さん、お母さんか……。それも良いわね。ねぇ、今からお母さんって呼ぶようにしない?』
「私が恥ずかしすぎるので却下」
『残念』
と言う言葉と共にシェリアは自身の体が捕まれるのを感じ、次の瞬間にはぐいっと引っ張られ、体をアイリスの方に向けられる。――何だ、と思った時にはそれは既に始まっていた。いつの間にか布団の中に入り込んでいたアイリスに頭を両手で抱え込むようにされるとそのまま彼女の胸元に押しつけられた。
「ちょ、アイリス姉、何やってんの!」
『あら、甘えて良いのよ?お母さん、お母さんって』
「出来るか!ていうか離して、一生のお願い!」
シェリアは必死にそれから逃れようとする。が、アイリスはそれを許そうとしない。
『だめでーす』
魔力で出来た弱い体のどこにそんな力があるのか、凄まじい力で抑えられ続ける。
「ぐおおおおおおおおお!!!!」
シェリアの顔は茹で蛸のようになり、羞恥心から涙も出ている。これが罰なのかと思いながら彼女は必死に抵抗する。その時だ、部屋のドアが開かれる音が聞こえた。
「入るぞ、って何やってんだ?」
「あっ、ウィルさん、助けて!」
『邪魔しないでウィル! これはね、姉妹の……いや、母と子の大事なスキンシップなんだから邪魔はさせないわ!』
「いや、本当に何やってんだお前ら!? 何だよ母と子って……。まぁいいや、もう気分はいいのか?」
「はい、もう大丈夫です」
「そうか、なら良かった。そんなお前にお客だ」
「お客?」
そう言いながらシェリアは体を動かしてそれを抜け出すと、上半身を起こしてドアを見る。そこにいたのはウィル、そして彼女がいつも見慣れている人、彼女の専属受付嬢であるレミールが立っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます