第2-2話 新たな出会い②

 夜、夕食が終わりシェリア達三人はあの大きな切り株状のテーブルを囲みながら食後の紅茶を楽しんでいた。そんな中、アンジェが口を開く。


「それにしても、本当にあなたは面白い人ね。ここに帰ってきて良かったわ」

「えっと、そうですか?」

「だって、異世界から来た人と会う機会なんて事はそもそも無いわ。それに、この世界にない能力で私たちが見たこともないようなものを見ることが出来るかもしれない。これだけでも大きな価値がある。それにあなたの、魔力そのものを使うという発想も面白いわ」

「面白い……ですか?」

「うん、とても面白い」


 この世界の魔法において、魔力というものは重要な位置付けに入る。何せそれがなければ、アンジェを含む魔法使いは何もすることが出来なくなる。魔力というものがあってこその魔法使いであり、世界の常識を覆す事象をもたらすのだ。しかしそもそも魔力を単体で使うようなことはない。彼らにとって魔力というものは魔法を使うための、いわば材料のようなものと考えているのだ。長く常識となっているそれに、一体どうしてそんな発想が生まれようか。

 そんな世界の常識を打ち破るようなものだったからこそ、アンジェには面白いとそう思ったのだ。


「それにもしかしたらアーティファクトや魔法陣を使ってあなたのそれを再現できるかも知れない。あれはあなたの言う科学の力も入っているからね」

「再現ですか……しかし、再現したところで何かに利用できますか?私が言うのも何ですけど、戦闘以外あんまり用途がないように思えるんですが……」

「それは後回しよ。今はとにかくそれが再現できるようになることが第一と思っているわ。もしかしたらそれを再現できたときに思いつくかも知れない。ところで、今後あなたはどんなことをしたい?是非聞いてみたいんだけどね」

「そうですね、今考えているのは……」 


 彼女が考えていたのは、高濃度の魔力を使うための運用方法だ。ただ魔力を一点に集めるだけなら簡単にできる。ならばそれをどのように使うかが大きな鍵になることは間違いない。


(あの時、ただ集めただけの魔力でも大きなエネルギーを持っていた。じゃあそれを圧縮したらどうなる?)


 何もしなくてもそれは大きな熱を放っていた。つまりそれ自体が大きなエネルギーを持っていたことへの証拠でもあるわけだ。ではそれを圧縮し同じくらいの大きさにした場合はどうなるだろうか。

 無論、そのエネルギーは増大しさらに強力なものになるだろう。では、これを極限までに溜めて圧縮し、一方向のみに向けて開放したらどうなるだろうか。

 白い塊の外周、タンクの部分は風船のゴム、そして魔力は空気だ。風船には圧縮された空気が入っており、その状態で風船の口を開けるとそこから空気は勢いよく流れていく。

 これを置き換えれば、圧縮された膨大な魔力を一点から放てばビームなどの光学兵器を再現できないかと考えた。

 他にも圧縮された魔力を爆発させることで、周囲にダメージを与える範囲攻撃を行えないかなども考えていた。


「とりあえず明日に試したいと思うんですけど良いですか?」

「ええ、良いわよ。ただし私も参加させることが条件だからね」

「ちょっと待て婆さん、俺はどうするんだよ?」


 会話から完全に弾かれていたウィルがアンジェに抗議の声を上げる。


「あなたはファイヤーボールと、雷魔法のライトニングの練習を続けなさい」

「またかよ!ていうか教えるつもりないな!?」

「あら、そんなつもりはないわよ。私がこの子についていくのは探究心もあるけど、それ以前に私の目でどんなものが見極めたいの。もしそれが危険を伴うものだったら止めないといけないし、そうじゃなかったらこの子は一人でも練習が出来ると思うから」

「危険ね……。前にコイツと一緒にクエストをしたことがあったが、あのときのあれは確かに危険そうに思えたな」


 ウィルが空を仰ぎながらそう言っているのは、シェリアが使っていた水素による爆発のことだろう。あれは原料となる水素と酸素が豊富な場所、つまり水が大量にある場所であれば強力な範囲攻撃を行えるものだ。しかしこれには大きな欠点がある。

 シェリアの能力は元素を操る能力であり、それを見ることが出来る能力ではない。ということは、今どれだけ水素や酸素を貯めているか、ということが分からないのだ。

 これは非常に大きな問題である。何せ、貯め過ぎたら爆発が大きくなり自爆の危険が伴う。かと言ってそれを恐れて抑えめに行ったら威力が足りないなどの問題が発生する。

 現に、以前シェリアがオークと戦った際に、予想よりも爆発の規模が大きくなった時があった。あの時は事なきを得たが、今後同じようなことで無事でいられる保証はない。


「確かにあれは配合を間違えたら大変なことになりますけど……。今回は目で確認ができますから大丈夫だと思います。……保証はないですけど」

「……不安しかねー。わかったよ、明日はゆっくりここで自習でもしているさ」

「ありがとう、ウィル。でも暇になったりしないように練習内容を書いておくからね」

「わかった」


 そうして次の日、シェリアはアンジェと共に森の外れにある草原に来ていた。何故こんな所に来ているのかというと、簡単に言えば周囲に被害を出さないためである。そもそも彼女のそれがどのような結果になるか分からない以上、アトリエの前でやるわけにはいかなかった。失敗してアトリエが吹き飛びました、では洒落にもならない。


 さてこの草原だが、森の中で発動していた春の陽気にする魔法が届いていないため、周囲の空気は冷たく冬真っ盛りの気候になっていた。そんな中、シェリアが身につけているのはあのドレスだけだった。見た目からして防寒なんぞクソ食らえと言わんばかりの格好だ。当然、ここに来た当初は隙間という隙間から風が入り込み、彼女に冬の厳しさを教え込んでいた。

 しかし今はそうではない。彼女の周囲には紐状になった炎がいくつも回っていた。これは『炎のマント』と呼ばれる魔法で、主に魔法使いの自衛用として使われている魔法とのことだが、このように防寒用としても使われることがある物である。

 アンジェに事情を話し、かけて貰った魔法である。


「アンジェさん、この『炎のマント』と言う魔法をかけてくれてありがとうございます。助かりました」

「ううん、大丈夫よ。それにしても語尾に『にゃん』が付く呪いか……。本当にあなたは面白い子だわ。私も長い間生きているけど、そんな愉快な呪いをかけられた人は初めてだわ」


 彼女の隣に立っているアンジェは愉快そうに笑う。そんな彼女の服装は何時もの紫色のドレスである。彼女も自身に『炎のマント』をかけ、自身を温めていた。


「そういえばアンジェさんはどの属性の魔法を使えるのですか?」

「私?私は5種類全て使えるわよ」

「へぇー、全部使えるんですか……って全部!?」

「そう、私はエルフの中でも珍しい存在なのよ。魔法は一流の才能を持っているのに、弓矢は苦手なの。過去何度もうまく当てようと訓練していたんだけどね。当たったことは一度も無かったわ」


 そう言ってアンジェは目を伏せる。過去にそれで何かがあったのだろうとシェリアは思ったが、それを知ることが出来ない。出来ないが、あまり良いことではないことは読み取れた。


「ごめんなさいね、ちょっと悪い空気にさせちゃった。さて、それじゃ始めるとしましょう」

「分かりました」


 そうはっきりと答えたシェリアはアンジェに背を向けて数歩前に歩く。

 そして彼女は始める。想像するのは大きなタンク。設置する場所は自分の正面。

 シェリアは目の前の空間に集中し、魔力の弁を少し開ける。するとすぐに白い魔力の塊ができていき、それはどんどん大きくなっていく。ある程度大きくなったことを確認するとシェリアは次の段階に移行する。

 魔力の圧縮だ。魔力の粒子を塊の中心に向けて圧縮していく。すると塊は大きくなることをやめ、一定の大きさを維持し始める。やがて塊の形を沿うように電撃に似た何かが飛び始める。それは魔力を圧縮していく時間と共に増え、最終的には塊を覆い尽くほどになった。


(よし、あとはこれを向こうまで運ぶだけだ)


 シェリスは圧縮作業をやめ、爆破地点までそれを誘導する。そしておおよそ200メートルほど離れたところでそれを解放した。

 瞬間ひときわ大きな光を放ち、次の瞬間には周囲にその内包していたエネルギーを解放した。衝撃波と轟音をまき散らし、爆心地付近は白い光に包まれ何も見えない。

 やがて粒子が周囲に散っていきそこが見えてくる。そこに見えたのは大きく地面が抉られ、爆発時のエネルギーによって赤く染まっているものだった。


「これは、結構な威力になっちゃたな……」


 結構圧縮していたのは分かっていたため、大きな威力が出ることは分かっていたが、それを軽く上回った形になった。


「今のがあの塊の威力なのね。正直に言ってあんな魔力の塊にここまで威力があるとは思わなかったわ。今の魔法はさらに威力が上げられるのかしら?」

「おそらく。まだまだ圧縮できそうでしたので、もっと威力は上がると思います。これは暫定的に『プラズマ砲』と名付けましょう。では次、レーザーを試します」


 再びシェリアは先ほどと同じように魔力の圧縮を始め、同じものを作り出す。しかし今度はそのまま爆発させるようなことはしない。

 シェリアはそれの天辺に一点の穴を開ける。するとそこから勢いよく白いレーザーが放出され始めた。見上げると細い光の柱は遥か上空まで届いているように思えた。その光線はしばらく放出されていたが、やがて魔力が尽きてきたのか、所々途切れていきながら止まった。その時には魔力の塊の表面から電撃が消えていた。


(エネルギー切れか。でも結構長い間放出できたな。太いビームになると多分瞬時に切れるだろうけど、範囲を考えたら問題は無いかもな)

「今のがあなたの言っていた『れーざー』ってものなの?」

「そうです。高濃度の魔力を放出して相手を攻撃するものですね。予想だと相手を焼き切るような攻撃方法になると思います」


 そのように冷静に答えながらも心の中は高揚感に満ちていた。というのも今彼女が行っている攻撃方法は元の世界では技術的な問題や、必要とするエネルギー量の問題から兵器としての利用は出来ない。よって未だSFの世界でしか見ることが出来ないものだ。

 しかし、それが架空のものであっても映画やアニメ、ゲームなどでド派手な光学兵器が出る度に心をときめかせながら見ていた少年時代があった。それは大人になっても衰えることなく常にワクワクさせてくれるものだった。そしてそれが異世界と元素操作の能力で再現されようとしている。これに高揚感を覚えないわけがない。


(やばいな、夢が広がりまくる。ここまで楽しいと思ったのは久しぶりだ)


 目の前で行われている光学兵器博覧会に、ニヤけそうになる顔を抑えながらシェリアは実験を繰り返していくのだった。


 **


 日が傾き、森が赤色に染まる頃、シェリアとアンジェはアトリエ近くにまで戻ってきていた。


「すみません、こんな時間にまで付き合ってもらいまして」

「ふふっ、構わないわよ。私もあなたのそれを見て色々思い浮かんだから。ところであなたの世界の科学はすごいわね。この世界にもあるけど、あそこまでのことは出来ないわ」

「あの、言っておきますけど。私の世界でもあの光線を再現するのは無理ですからね」


 会話の通り彼女たちが話しているのはシェリアの能力を使った光学兵器の再現のことである。あれからいろいろなことを試す中で分かってきたことがあった。


 まず、能力を使った状態での魔力の供給量はかなり大きいと言うことだ。具体的には魔力を流すだけで簡単にビームが再現できる程である。しかしそれはただ垂れ流しているだけのため、派手な割に威力は低い。やはり一度圧縮して高濃度で放った方が遥かに威力が高かった。


 次に攻撃に使用した魔力だが、再利用は難しいと言うことだ。プラズマ砲を放ち、着弾した後に辺りに飛び散った魔力をシェリアは能力を使い集めた。しかしそれで集まったものは放ったときと比べて遥かに小さく弱々しいものになってしまった。その結果に着弾した際に魔力が持っていたエネルギーが別のエネルギーに変換されたためと、シェリアは推測した。そのことから周囲に散った魔力を攻撃に再利用することは出来ないようだった。


 そして一番の収穫は放ったレーザーや弾などをある程度操作できると言うことだった。つまり、うまく使えば敵を追尾して当てるという芸当も出来、それは戦闘において大きなアドバンテージとなるだろう。しかし、直角などの無理な方向に曲げるようなことは出来ず、また、曲げる事も想像しなければならないため、そこまでやるととても制御が追いつかないという欠点もあった。


「それにしても魔力を使うだけでもこれだけのことが出来るなんて……。アーティファクトに同じような機構を組み込めば再現できるかも……」

「アーティファクトってそんなこと出来るんですか?」

「分からないわ。技術的に今はまだ難しいかも知れない。でもあれも科学の知識で出来たのだから、やる価値はあると思うわ」


 彼女がそんなことを考えているとアトリエが目の前にまで戻ってきていた。


「着いたわね。ウィル、ちゃんと練習していたかしら?」

「大丈夫だと思いますよ。ウィルさんはあれでも結構真面目だと思いますので」

「そうだと良いけどね。ただいま」


 アトリエのドアを開けながら、アンジェがそう言って中に入る。シェリアもその後に続き中に入っていった。中に入ると奥で食事の準備をしていたであろう、フィリアが出迎えてきた。


「おかえりなさいマスター、シェリアさん。もう少しで出来上がりますので待っていてくださいね」

「わかったわ。じゃあ私は着替えてくるから。シェリア、あなたはどうする?」

「私はこのまま食べますので大丈夫ですよ」

「そう、じゃあ後でね」


 そう言ってアンジェは2階へと上がっていき、シェリアは手近な椅子に座った。ふぅ、と一息ついたとき、いつの間に用意したのかフィリアが紅茶を入れて彼女の前に置いた


「どうぞ、シェリアさん」

「ありがとう、フィリアちゃん。いつの間に用意していたの?」

「マスターたちがそろそろ帰ってくると思いまして、用意していたんですよ。それでシェリアさん、練習の方はどんな感じだったんですか?」

「うん、とても良い結果が出たよ。もし聞きたかったら食事の後にゆっくり話そうか?」

「本当ですか!?約束ですよ!」

「うん、約束」


 そうシェリアが笑いかけると、フィリアは満面の笑みで奥の部屋に引っ込んでいった。


(好奇心が強いな。本当に子供みたいだ)


**


「や、やっと解放された……」


 疲れ果てた表情で自室に入ったシェリアはドアを閉めると迷うことなくそのままベッドに倒れ込んだ。こうなっているのは主にフィリアが原因であった。夕食から結構な時間があったが、その間はフィリアに元の世界や、昼間試したもの内容等について次から次へと質問攻めに遭い、先ほどフィリアが電池切れになるまで答え続けた。


「とは言え、夕食後に話すと言ったのは私だからなぁ。それにあの笑顔を見たら裏切るなんて事出来ないよ……」


 なんとなくアンジェの気持ちが分かったシェリアであったが、精神的な疲れからかだんだん瞼が重くなり始めた。目の前に睡魔が迫ってきているが彼女は全く抗うつもりはない。むしろ身を委ねる気満々だ。


「あー眠い。ドレスのままだけどこのまま寝ても良いか」

『ダメですよ。ちゃんと着替えて、身支度をして寝なさい』


 ぼんやりした意識の中で突然声が聞こえてくる。優しい口調で女性特有の高い声だ。


「えー、良いじゃんかー。私も疲れているんだから今日ぐらい見逃してくれても……」

『ダーメーでーす。私が見ているうちはそんなことは許しません』

「何だよーケチー、ちょっとぐらい良いじゃん……ん?」


 ふと、シェリアは気づく。今、自分は誰と会話しているのだ、と。彼女がこの部屋に入ったとき、ここには誰もいなかった。そしてドアを閉めてからベッドに倒れ込んだ。そこから声が聞こえるまでおおよそ数十秒ほど。その間、戸を開け閉めするような音はしなかった。


 窓から入ってきたのだろうか?


 それまずあり得ない。そもそもシェリアのいる部屋は三階であり、窓は開く仕様になっていない。と言うことはこの部屋にはシェリア以外居ないはずである。その事実に気づいたシェリアはみるみる眠気が覚めていく。


『んー、どうしたの?もしかしてもう眠っちゃったの?仕方のない子ね』


 後ろの方からその声がはっきりと彼女の耳に入ってきた。その瞬間、彼女の体から血の気が引いていく。今、彼女の頭の中にはある文字が浮かんでいた。幽霊という二文字が。


(いやいやいやいやいやいや、あり得ないって。だってここ異世界だよ。そんな幽霊なんて存在いるわけないじゃん。ここファンタジーの世界だしそんなものいるわけ……いや、結構いたな)


 自身がやっていたゲームを思い出し、異世界では結構な頻度でそんな存在がいたことを思い出してしまった。そして多くは敵キャラとして自キャラに襲いかかってくる。


(どうしよう、呪ったりしてくるのかな、襲ってきたりするのかな。もし襲ってきたらどうしよう、ビームとか効くのかな、でも幽霊に物理って聞かないし、ここには塩もないし)


『んー、もしかして起きてる?すごく心臓が動いている音がするけど』


 瞬間、ビクッとシェリアが反応する。


『あっ、やっぱり起きていたのね。ほら、さっさと起きて身支度しなさい』


 気づかれた、とシェリアは心中でそう思う。最早誤魔化すことは出来ない。ならば、幽霊とのファーストコンタクトをうまくしなければと考えた。


(まず、相手が誰なのかを知らないと。ああでも振り返るのは怖い! ならばこの状態で問いかけるしかない!)


 意を決したシェリアは息を大きく吸うと言った。


「ドチラサマデスカ!」


 恐怖で声が裏返った。ミスったと顔を赤くして布団に埋める。やってしまったと、むしろやらなければ良かったと後悔した。


『どちらさまですか?あ、そうか。直に遭うのは初めてだったわね。でも私はあなたに会ったことは何度もあるわ。覚えてる?あの草原の事。あなたは夢の中の出来事と思っているかも知れないけど』


 夢、草原、そのキーワードがシェリアの頭の中を巡っていき、そしてあるものが弾き出された。今まで幾度もなく見た夢の中の出来事、そこで現れた一人の女性。寝ている彼女の隣で優しい声で話し掛けてくれたあの人。シェリスの思考がクリアになっていく。その思考で考えていくと聞こえてきた声が夢の中で聞こえていた声に似ていることにシェリアは気づく。


 シェリアは体を起こしてベッドに座ると首をゆっくりと後ろに向けた。そしてシェリアはそこに見えたものに驚きを隠せなかった。


 それは何故か。そこにいたのは体から淡い光を放つ女性、その姿はシェリアのその姿と全く同じ姿だったのだ。長い金色の髪も顔も、体型も、そして着ているドレスすらも全く一緒だったのだ。違うとすればそれは瞳の色とそれ。シェリアは紫色の瞳だが、目の前の人物は浅緑の色をしている。


「あなたは・・・誰なんだ」


 絞り出すような声でシェリアが問いかけると、それはクスッと笑い、答えた。


『私はアイリスっていうの。よろしくね、シェリア』

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