第7-2話 ランクアップクエスト②

高い木がうっそうと生い茂る森の中、本流から別れた浅い支流をゴブリンたちは歩く。支流の幅は2メートル程。周囲は背の低い木が立っている。上空は灰色の厚い雲によって覆われており、今にも降り出しそうな天気だ。空から降り注ぐはずだった太陽の光は遮られ、森の中は薄暗い。そんな中でもゴブリンは不安がることはなく棍棒を頭の上で振り回したり、鳴き声を何らかのリズムに乗せながら楽しげに進んでいく。

 そんな彼らの後ろから所々にある木に隠れ、シェリアは彼らを追っていた。距離はおおよそ100メートルは離れているだろうか、音を立てないようにゆっくりと後を追う。


(森の中じゃなきゃ、もっと遠くから見えたんだけどな……)


 彼女の強力な視力も、木々が生い茂る森の中では視界が遮られてしまい、効果を発揮することは不可能だ。と言って高い木に登っても、背の低い木に邪魔をされる上に発見されるリスクが増える。それを考えた彼女は地道に彼らを追うしかない。近づきすぎればゴブリンたちに気づかれ、離れれば木々によって阻まれ彼らを見失う可能性がある。そんなギリギリの状態を続けてすでに二十分以上は経っていた。


(にしてもどこまで進むんだ?結構森の奥に来たような気がするんだけど……)


 そんなことを思っていると川の先に広い空間が見えてきた。さらに家屋のような建物が見えてくる。そしてさらに見えてきたのはその周辺にいる動く物体。


(ゴブリンだ……!)


 見つかってはいけないとシェリアは瞬時に身を伏せ、待機する。

 果たしてそれは正解だったのだろう。彼女が追っていたゴブリンたちが奥に進んでいくと、周辺にいたゴブリンが彼らを歓迎するかのように集まってきたのだ。数は5。もし見つかってしまえば、場所を確認する間もなく八体のゴブリンに襲われることになる。彼女の力を持ってすれば逃げることはたやすいだろうが、ここまで来た意味がなくなってしまう。

 見つからないように彼女は祈りながら待っていると、ゴブリンたちは奥の建物に向かっていった。やがて彼らが建物に入った所を見計らって彼女は動く。

 姿勢を低くし、木々に隠れながらゆっくりと広場に向け歩いて行く。やがて境界線まで近づくと小さな草木が生い茂っている木々に伏せた。そこは草木がびっしりと生えており、隠れるにはもってこいの場所だ。


(ここなら見つからずに直に見れるはず)


 枝と枝の隙間から見えるもの、まず先ほどゴブリンたちが入っていった家屋だ。木材で作られているようだがあちこち壁に穴が空いており、内側にいるゴブリンの一部が見えている。屋根は一部が落ちており、まさに廃墟といった様子だった。建物の右側にはシェリアに背中を向けて椅子に座り何やら作業を行っているゴブリンの姿も見えた。さらにそこには何やら大量の木箱が置かれていた。

 そして反対側に視線を向けたとき、彼女の瞳は大きく開かれた。紫色の瞳に映し出されたのは、人間の骨のようなものと蔓のような草で作られた檻だ。それだけでも衝撃であったが、さらなる衝撃はその中に入っているものだった。

 中にいるのは人間の女性だ。それも若い人ばかりであり、中には年端も満たない少女の姿も見える。彼女たちに共通しているのは全員全裸であり、体のあちこちには暴行されたような擦り傷がいくつもついており、瞳には光がないように見えた。その内の何人かはおなかが大きく膨れている。そして檻の横で一匹のゴブリンが何かに向かって腰を振っているのも見えた。それを見れば誰もがそこで何が起こっているのか想像がつくだろう。


(マジか……。この世界のゴブリンは元の世界の想像通りか。そういえばミリスさんも同じようなことを言ってたっけ。そうなると俺もああなっていた可能性もあるのかよ)


 一歩間違えたら自分もあれの仲間入りしていた可能性を考えたシェリアの背筋に冷たいものが流れる。


(どこで集めてきたのか知らないけど、あれを放っておきたくないよな……。でもな……)


 どうにか助けたいと思ったシェリアであったが、このままそこに向かうのも当然ながら無謀な行為であることは分かっていた。敵の数が分からない上に救出する対象がいる以上、下手な真似をするわけにはいかない。


(とりあえず敵の数を知りたい。危険だけどやってみるか)


 シェリアは能力を使い、近くに流れている川から水素と酸素を取り出す。それをうまく混ぜ合わせた後、ある方法で点火した。

 起きたのはちょっとした爆発。空気が少し震える程度であったが、ゴブリンたちには効果があったようだった。外にいたゴブリン二体以外に建物から驚いたゴブリンたちがぞろぞろと出てくる。


(ひい、ふう、み……、大体十二から十三と言ったところか)


 ゴブリンは周囲を見渡し警戒している。当然の反応だ。彼らは警戒のためかあちこちに分散している。


(数は分かったけど、やっぱり警戒されちゃったか。しかも思いっきり分散されちゃっているし……。一カ所に集められないかな?)


 シェリアはそう思うと先ほど起こした場所よりも奥の方で再び爆発を起こす。それにゴブリンは素早く反応し一斉にそちらを向く。しかし、そちらに一向に向かう気配はない。むしろ警戒を強めた様子だ。


(ダメか……。一カ所に集められたらそのまま一網打尽に出来たんだけどな)


 彼女の中での理想はゴブリンを別の場所に集めた後、水素の爆発で一網打尽にすると言うものであった。なぜそう考えたかというとそのほうがゴブリンに捕まっている人を巻き込まずにすむと思ったからだ。しかし、敵の数を知るためだったとはいえ爆発を起こし、さらに一カ所に集まることを期待しての爆発とすでに2度の爆発を起こしている。その結果は見ての通りであり、一網打尽とはほど遠い。


(もう水素爆発で各個撃破するか?いや、それをすれば煙でゴブリンの姿が見えなくなるのは問題だ。危険だけど、雷を起こして各個撃破するか?いや、あれは成功率が低いし、上の雲を使おうとしても大きすぎて電気を貯めるのに時間がかかりすぎる。その間に逃げられて隠れられたら最悪だ)


 それによって救出している最中に万が一後ろから殴られるような事になれば、シェリアも彼女らと同じ目にあうことがたやすく予想できる。

 どうすると考える彼女の目にあるものが目に入る。それはこの森に入ってからいくつも見ているものであり、大きな存在感を放つ物。この森の特長の一つである大木だ。


 ――あれをうまく使えないだろうか。


 そんな考えの後、彼女は一つの作戦を思いつく。しかしそれを行うためには、やはりゴブリンを一つに集める必要がある。そしてそれを集めるには『エサ』が必要だろう。

 ゴブリンたちが気を引くもの……彼女は一つだけそれを持っている。しかしそれは自分自身を大きな危険に導いてしまうものだ。


(とはいえ、それしか思いつく方法はない。いくか)


 シェリアは緊張する体を緩めるために大きく深呼吸する。そして思いついた策を実行するため能力を使用する。

 やがて準備が完了するとシェリアはわざと音を立てるように立ち上がり広場に足を踏み入れる。音に気づいたゴブリンは一斉にシェリアに方を向くと鳴き声を上げ、一斉に彼女に向かって行く。手に持った棍棒を振り上げ口を開けて長い舌を風に揺らしながら一気に向かってくる。そしてある程度ゴブリンたちが近づいてきた時、シェリアは足を折り曲げ空を飛ぶとゴブリン集団の頭の上を通過する。そしていつものように着地するとそのままの方向に向けて走り始めた。ゴブリンは頭上を通過された事に呆気にとられているような様子だったが、シェリアは走り始めるとゴブリンもその後を追う。シェリアは走りながら軽く後ろを見ると先ほどのゴブリンが全て彼女の後を追っている。


(……ははっ、どうやら俺はやつらにとって良いエサになっているようだな)


 そんなことを思いながら、ゴブリンとの距離を一定に保ち、そして目的の場所に辿り着くとそこに立ち止まる。後ろを見れば追ってきたゴブリン集団が一カ所に集まって追ってくる。その光景にほくそ笑むとそのままそこで待機する。


(まだだ、もっと引きつけて……今だ!)


 シェリアは先ほどと違い、今度は高く飛ぶ。目の前にある巨大な木の枝に飛び移るためだ。そしてある程度の高さに来ると視線を後ろに向ける。ゴブリンたちは再び呆気にとられたのかそこに棒立ちしている。それを見た彼女はさらに笑みを深め、一つ呟いた。


「点火」


 そう呟いた瞬間、ゴブリン集団の中央から猛烈な光が発せられたと思うと次の瞬間には周囲に轟音と衝撃波をまき散らしながら炎の塊が円状に広がっていき、ゴブリン集団を焼き尽くしていく。一方シェリアはその衝撃波に押され飛ばされる。

はその衝撃波に押され飛ばされる。→この行は改行で途切れていたので修正すると要らなくなる


(しまっ――!)


 元々は高く飛んだ後、枝の上に着地して戦果を確かめる予定だった。しかし予想以上に衝撃が激しく、着地する予定だった枝を超えて飛ばされる。それに動揺したシェアスは姿勢を大きく崩し、そして着地の姿勢を取ることも出来ず、重力にひかれて地面に落下した。二、三回地面から軽くバウンドし、止まる。


「――いっ痛ぅ」


 シェリアは体に広がる痛みに顔を大きく歪め、痛みに耐えるように手を握りしめてその場にうずくまる。その痛みから自然と瞳から涙が流れ、呼吸もままならない。やがて、激しくなっていた呼吸が徐々に落ち着き、痛みが引いていく。体内のアドレナリンが広がったのか、楽になってくるとゆっくりと立ち上がる。そしてゴブリンたちがいた方向を見ると白い煙のような物がそこに漂っている。警戒しながらそこに向かうと肉が焼けるような匂いが鼻に付く。


(……うまくいったかな。それにしても相変わらず体は頑丈だな。どこも怪我していないように見える。けどそれなら痛みも軽減してほしいな……)


 自分自身の頑丈な体にそんなことを思いながら、彼女は爆発地点に近づいていく。

 そこにはいくつものゴブリンの死体が転がっていた。真っ黒に焦げもはや炭の塊になった個体、体の一部が欠損している者など魔物とはいえとても後味の良い光景ではない。それから目をそらしながらゆっくりとした足取りで捕らえられている彼女たちの元へ向かう。


(やっぱり起爆方法は核融合が一番安定するな。でも核融合を起こして爆発を起こすとか、普通は逆じゃないか?)


 向かいながら彼女はそんなことを思う。


 水素爆発を発生させるための火種として最初に彼女が考えていたのは氷の粒子をぶつけ合って出来る静電気を用いた起爆方法だった。しかし、この方法は安定せず実戦に用いることは難しい、そう考えた彼女が出した答えこそ核融合だった。

 通常、核融合を行うには特殊な方法を用いる必要がある。

 方法はいくつかあるが、まず一つは温度を一億度ほどのプラズマを用いて融合させる熱核融合、加速器を用いて原子を加速させ、互いに直接衝突させて起こす衝突核融合などだ。通常は巨大な特殊施設を用いて初めて行う事が出来るものである。

 だがそれを彼女は能力を使って強制的に融合させ、そこからエネルギーを生み出す事が出来たのだ。とはいえ、それを通常の爆発に用いるのに彼女は躊躇した。確かに強力なものであるが周辺に放射線をまき散らす。彼女の良心がそれをよしとしなかったのだ。


 だが、その成果を捨てるのは勿体ない。そこで彼女が考えついたのが起爆に使用すると言う物だった。起爆に必要なエネルギーはほんのちょっとで良い。ちょっとであれば放射線もたいしたことないはずとそう考えた彼女はそれを採用した。

 もともと核融合は、核分裂と違って高レベルの廃棄物が出ることはなく、問題になるのはそのエネルギーを発生させる際に出る放射線ぐらいなものだ。ならば規模が遥かに小さくなればそれも比例して少なくなるだろう。



 さて、檻の近くにまで来たシェリアであったが、そこは鼻にはつんとくる悪臭が立ち込めていた。そして目の前に見える光景は、目をそらしたくなるような光景だ。嫌悪感を心に満たしながら彼女は女性たちの様子を確認する。遠くから見たとおり、あちこち傷だらけ、来ている衣服は全くなく、髪はゴワゴワで、体中に白い固体のようなものがこびりついている。


「ひどいな……。大丈夫ですか?」


 シェリスがそう声をかけるが反応がない。すでに彼女たちの精神は壊れているのだろう、誰もがその半開きになった口からブツブツと何かを呟いているだけだった。こんな状態では保護して運ぶだけでも一苦労だ。


「弱ったな……、とりあえずここから出してあげてそれから……」

「それからギルドに報告だな」

「――!」


 その声に驚き、彼女が振り返るといつの間にか後ろに来ていたのか、ウィルが腕を組みそこに立っていた。腰には何時も持っている長剣と小さめの短剣がつけられている。そんな彼の表情は目の前にいるシェリアに呆れていると言わんばかりだ。


「たく、無茶する奴と思っていたが、ここまでめちゃくちゃな奴だとは思わなかったぜ」

「ウィルさん、なんでここに……。ってなんとなくその理由は分かりますが……監視ですか?」

「やっぱり気づいていたか。ま、当然だな。で、お前に聞きたいことが山ほどあるがそれは後回しだ。とにかく助けるぞ」


 そう言ってウィルは腰につけていた短剣で草を切っていく。するとシェリアはあることに気づく。


「あれ、ウィルさん。その短剣、血がついていますけど……」

「ん?ああこれか。そこのゴブリンを刺したときについたやつだ。ったく、戦闘するなら最後まで確認しろ。奴ら、何体か生きてたぞ」

「えっ、そうなんですか?」

「そうなんですかじゃねーよ、まったく。俺がいなかったら今頃やつらに後ろからやられてたぞ」

「あはは、すみません。それでどうすれば良いですか?」

「俺たちだけでこれだけの人数を運ぶのは無理だ。となると応援を呼ぶ必要がある。とにかくこいつらをあの建物の中に連れて行くぞ。で、それが終わったらアリオンにいって応援を呼ぶ」

「分かりました」


 そうして指示を受けたシェリアは彼と共に一人ずつ建物に連れて行く。しかし誰も立ち上がるような気力はなく、おんぶか抱き上げて連れて行くしかない。


(余計な力が入っていないから運びやすいけど……、理由が理由なだけに複雑な感じだ)


 そう思いながらシェリアは一人の女性をお姫様抱っこで抱えると建物に向かう。

 中に入るとあちこちに壊れた家具のような物が散らばっている。床は壁と同じようにあちこち穴が空き、歩く度に木が軋む音が響き今にも壊れそうな様子だ。何時壊れるかと不安になりながらシェリアは彼女を奥の壁により掛からせて座らせる。そして次とばかりに彼女は外に出て次の女性を運ぶ。

 そんなこんなで彼女達は女性たちを全て建物に収容していったが、その頃にはすでに周囲は暗くなり始めていた。


「さすがに今から向かうのは危険だな。今日はここで夜を過ごすしかねーか」

「そうですね……」


 そう、シェリアは彼の言葉に同意する。夜目は利くが知らない土地である以上はうかつに動かない方が良いと、彼女も思っていた。


「ところでお前、何か火になるようなものを持っているんだろう?悪いがそこの暖炉で火をつけてくれないか?薪は……外にそれらしき物がないか探して来てくれ」


 そう言ってウィルは中央にある小さな暖炉を指差す。そこには床に四角の堀のようなものが掘られ、中に灰が敷き詰められていた。


「はい、分かりました」


 そう言って早速彼女は行動に移った。建物の外に出て周辺を探すと、薪のような物が大量に置かれていることに気がつく。しかし長年そこに置かれていたためか、どれもかなり水分を吸って湿気っており、苔も生えている。火が付くか怪しい感じだ。


「これ使えるのか?いや、水分を抜けば使えるはずだ」


 シェリアは能力を使い、薪の中の水分を蒸発させて抜いていく。やがて苔が生えているものの乾燥した薪が出来上がった。それをいくつか持っていき、建物の中に入る。

 中に入るとウィルが中にある家具を使って女性たちを寝かせていた。その動きは無駄がないように見えた。


(さすがウィルさんだな。こんな現場を経験したことがあるのかな)


 そんなことを思いながらシェリアは暖炉に向かい、その中に薪を燃えやすいように配置した。


「後は着火だけど、あれでいいか」


 シェリアは近くの川から再び水素と酸素を分離する。酸素は燃焼時に使用するため大量に確保し、水素に関しては必要最小限の量を確保する。そして通常の空気を送り込みながら木の近くで水素を融合させる。瞬間、その熱エネルギーによって木に小さな火が点る。それを見逃さず、シェリアはそこに酸素を周囲の空気と混合させながら送り込んでいく。それによって小さな火はみるみる大きくなり、たき火としての役割を果たせるくらいに成長した。


「よし、うまくいった」


 火が完全についたことを確認するとシェリアはもう水素と酸素は不要と貯めていたものを解放し、ウィルに声をかけた。


「ウィルさん、こちらは終わりました。他に何かすることとかありますか」

「早いな。俺はまだ掛かるから、そこでゆっくりしててくれ」

「わかりました」


 そう言われ、彼女は暖炉に腰を下ろすと、安堵のため息をついた。

 緊張の連続であったがようやく落ち着けると思い、力を抜く…、その時だった。彼女の耳にある音が届く。何かが水の中を歩く音。


「ん?おい、どうした」


 彼女の様子が変化し困惑するウィルの言葉を無視し、シェリアは入り口の壁に体を隠しながら川の方を見る。ゴブリンがまだいたのかと思った彼女であったが、だんだんと音が大きくなるに連れてその足音が違うことに気づく。昨日まで聞いていた水の中を歩くゴブリンは主に水音しか聞こえない。だが、今聞こえている音はそれとは違い地面を踏みしめる音も聞こえる。


(ゴブリンとは明らかに質量とかが違う。新手か?)

「おい、どうしたんだ?」


 そう声をかけてくるウィルにシェリアは口元に右手の人差し指を当て静かにするように伝え、暖炉に二酸化炭素を集めて消火する。そして入り口を挟んで反対側の壁を指さし隠れるように促す。彼女の行動に意味が分からない様子だったが、聞こえてきた音に状況を理解し、彼も隠れる。

 やがて音は大きくなり、その音の主が現れた。

 大きさはゴブリンのおおよそ3倍はあろうか、顔の半分以上にまで伸びた鋭く大きな2本の牙。ゴブリンの細い腕と違い、全身が強固な筋肉質で固められた大きな体。その太く大きな腕は人の頭を容易に引きちぎってしまいそうに思える。そしてその先、大きな5本の指を持つ手には一人の裸の女性が握られていた。しかし力なくだらんとしており、生きているのか息絶えているのか全く分からない。


(あれ、一体何だ?もしかして、オーガって奴か?)


 よく分からないそれにシェリアがそう考えるがそれに答えを与えたのはウィルだった


「ありゃ、オークだ」


 そう彼は小さな声でそう呟いた。

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