第131話 終幕-02
散歩から戻った俺とナホはシェルターの軍エリアにやってきた。
キッカは既に軍エリアの前に来ていて、俺達を待っていたようだ。
「待たせたな。」
「ううん、今来たところ。」
「キッカ、性格変わってないか?」
「ジョークですよ?」
キッカはそう言うが、ニューボディになって以来、性格が変わってきている気がする。
「しかし、激動の15年だったなぁ。俺が主人公のラノベでも書くか?」
「コウが主人公?そんな訳無いじゃないですか。」
「え?なんで?」
「何か活躍しましたか?」
「まず、転移なんてものを経験しただろ?」
「わたしも一緒でしたが?他には?」
「謎の部隊と交戦して勝利しただろ?」
「実際に照準を合わせて撃ったのはわたしですよ?他には?」
「広場での虐殺犯を仕留めたよな?」
「そうですね、ど素人の犯人で楽勝でしたね。三人中二人はわたしが仕留めましたが。」
「その後、ツムハでバッサリと・・・」
「あの時は特務課長とは思えない迂闊さでしたね。フジさんが石を投げてくれなかったらどうなっていた事か・・・他には?」
「多脚重戦車を倒したのは俺だよな?」
「そうですね、トドメはコウでしたね。地面に這い蹲っていたところにフジさんが命懸けで助けに来てくれて魔法が使えるようになったおかげですが。他には?」
「最終決戦・・・」
「ザコ処理と時間稼ぎとオウカの押し込みお疲れ様でした。最強の敵デヴィを仕留めたのは誰でしょうか?」
「・・・キッカさんです。」
「では質問です。主人公は誰でしょう?」
「俺じゃ・・・ないな・・・」
「誰でしょう?」
「・・・キッカさんです。」
言われてみれば、俺ってあんまり活躍してないかもしれないな。
逆にキッカは戦術
「ね、ねぇ、キッカちゃん?」
「はい、なんでしょう?」
「ヒロインは・・・その・・・」
「たまに出て来て脇役といちゃつくだけのキャラクターはヒロインでは無いでしょうね。」
「う、うん・・・そう・・・だよね・・・」
俺とナホは二人そろって肩を落とした。
「さて、冗談はさておき、時間ですよ!」
冗談・・・なのか?
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目が覚めた。
ちょっと違うかな?
実際は起動完了だね。
でも何だか変だなぁ?
まだパッチを当ててない筈なのに、記憶が更新されてるよ。
それに、この記憶って絶対にバックアップできない距離だったんだけどな?
ま、いっか!
とりあえずステータスチェックしないと・・・
あれ?
診断画面が出てこない?
それに、なんか懐かしい感覚がするなぁ。
何て言うか、”お腹が空いている”みたいな感じ。
オモさんが新しいボディでも開発したのかな?
ま、これ以上やっても何も分からないみたいだし、起きてみようっと!
目を開けた。
そこには愛しい人の顔があった。
「おかえり、フジさん!」
やっぱりヒロインって救われるものなんだなぁ。
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