第101話 行方

「そういえば、あれからアマンダさん見てないですけど、僕らの無事を知らせた方がいいんじゃないですか?」

テーブルを囲みながらマリィさんに言ってみた。


「最後に作戦通りに行かなくて、あれだけの大騒ぎになったのに駆けつけなかったと言うのも気になりますし……」


「いえ、あれでいいのですよ。最悪の場合は応援を呼びに行ってもらう手筈でしたよね?事前に打ち合わせた通り、冷静に実行した結果ですよ」

マリィさんがニッコリ微笑む。

「あの場合にアマンダが来ても状況はあまり変わらなかったと思いますし……」

そう言いながらマリィさんがポケットから小さな羊皮紙を取り出した。

「それに、ギルドに着いてから気づいたのですが、私の気づかない内にポケットの中にこんなものが────」


アマンダさんが僕に羊皮紙に書かれたメモのようなものを見せてくれた。

「ごめんなさい、こちらの文字は数字以外まだ読めなくて……」

マリィさんは読めて当然の様に僕に羊皮紙を見せてきたが、恥ずかしながら、僕はまだ全然文字を読むことができないのだ。

「……あ、ごめんなさい。字が読めなかったの忘れていました!!」

マリィさんは僕の代わりにデッカーさんに羊皮紙を見せながら僕にも分かるように読んでくれた。

「羊皮紙にはアマンダの文字でこう書かれています。『───魔女に気を許しすぎるな。少し調べてみる。ご飯でも食べながら待て』」


「アマンダも、私と同じく少し今回の事で何か魔女に不自然さを感じたのでしょう。『ご飯でも食べながら待て』と書いてあるので、そんなに長い時間私達を待たせるつもりもないのでしょうから、お言葉に甘えて食事して待ちましょうと、皆さんを連れ出した次第です」


それを聞いて少し納得。

東の魔女とノマドさんが尋問から帰ってきてないのにマリィさんが「お腹減りましたよね??美味しいお店があるからご飯食べに行きましょう!」と半ば強引に僕ら二人を連れ出した感じだったから。


「……とすると、今アマンダはお二人が尋問してるとこに忍び込んでるわけか?……なんか恩人に対して……」少しデッカーさんの顔色が曇る。

デッカーさんにとって東の魔女は義足で不自由な状態だったことから解放してくれた恩人になるわけだから心中複雑だよね。


「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ!念には念をって言うでしょ?魔女が完全 味方かどうかがわかるに越したことはないですよ。それに長生きするためには、こう言うこともたまには必要ですよ?」

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