第3話 昼休み
学校案内が半分終わって、教室に戻った。
残りは昼休みにでもやる事に。
面倒くさいとしか言いようが無かった。
俺は眉を顰めてその様に思いながら、席に腰掛ける。
周りに睨まれながら、だ。
側では、あんな奴に案内させなくてもという声が長家に対してか、俺に対してか。
結構大きい感じで聞こえる。
「あんな奴じゃ無くて俺が案内するよ!優香ちゃん」
「そうそう!」
いや、そんなにしたいんならお前らにいっそ全てを投げ渡すけどな。
何でか知らないけど、俺を見放さないんだよ長家は。
気持ちが悪いんだが。
俺はその様に思いながら、横の青空が広がっている空を見た。
青々としていて、全く悪天候で無い。
素晴らしい景色だ。
こんな日は部屋に引き篭もってベッドで寝ながら風に当たりたい。
キーンコーンカーンコーン
「.....英語か」
俺は教科書を探す。
のだが、教科書が無い。
しまった、教科書は長家に渡している。
無いとか言っていたから、だ。
不愉快げに思っていると。
「はい」
「.....?」
「一緒に見よ?」
長家がやっと話し掛けられた。
という感じで。
ニコニコしながら、俺に話し掛けてきた。
くそっ心底、面倒臭い。
☆
「.....まぁ、英語訳するとそういうこった。という事で、次」
英語教師、佐藤の既に授業開始から30分は経過している。
残り、20分間、この苦痛に耐えれば良いのか。
長家と密着する感じで教科書を見ながら。
周りから空気悪い感じを受けるのは。
忌々しくて仕方が無い。
「大丈夫?」
「.....何が?」
「いや、私ばかり教科書を見る場所を占拠して無いかなって」
そんな事はどうでも良い。
俺はそんな事より早くこの学校を去りたい。
とっとと家に帰ってラノベでも読みたい。
面倒はごめんだ。
マジで帰りたいわ。
「あ.....」
「.....今度は何だ」
「黒板が.....」
俺は黒板の方角を見る。
あらら、確かにスッキリ消えたな。
だから佐藤は嫌いなんだ。
端から端まで書かれていた、英語の文章とか訳とかそういうのをあっという間に消しやがって。
このクラスの奴らは多分、佐藤の事に関しては全員慣れているが、長家は慣れてないだろうな。
俺は書いていたが。
そんな長家は真横で落ち込む顔をする。
「ったく.....」
ノートを静かにポンッと差し出す。
すると、長家は端に涙を浮かべているのをパアッと明るくして。
俺のノートを見ながら、消えた部分を一生懸命に写し出した。
その光景を見ながら、真正面を見る。
☆
「4時間目終わり.....さて、飯でも食うか」
取り敢えず、屋上で。
この学校の屋上の1メートルぐらいの貯水タンクの上。
そこなら一人で飯が食える。
誰の迷惑にもならないし、俺も一人で飯が食える。
win-winである。
ガタン
立ち上がる、俺。
すると、質問攻めにあって居た長家が追い掛けて来た。
ストライプ柄のお弁当箱を持って、だ。
俺は後方を向く。
「あ.....待って.....!」
「.....今度は何だ」
コンビニの袋を揺らしながら、睨むと。
長家は俺に向かって、笑顔でとんでもない事を口に出した。
「えっと、一緒に食べよ?」
「ハ、ハァ!?」
流石に、何でや。
とツッコミを入れようとした。
その時だ。
長家の背後からリア充が俺を見て、長家に声を掛ける。
「えっと、優香ちゃん。流石にそれは.....」
「え?何でですか?」
「いや、そいつにそこまでする義務は無いと思うよ?放って置こうぜ?」
それは納得です。
俺はその様に思いながら、頷く。
そんな中で、長家は俺を見てきて、そしてリア充を見た。
教室中も俺達を止めようとする。
俺はため息を吐いた。
「.....長家。飯はそいつらと食え。じゃあな」
「.....でも、学校案内の残りが有るよ.....」
「.....」
段々と面倒臭い事になってきたな。
多分、全く気にしてない呟きなのかも知れんが。
放課後を潰されるのも面倒臭い。
「.....クソッ.....」
「ごめんね。須藤くん。私、麹町くんに学校案内してもらいたいから.....」
「.....」
おーおー。www
須藤ちゃん、目付きが凶悪な獣の様ですね。
まぁ、口には出さないが。
口に出して殴られたら面倒だ。
「じゃあ行こうか!」
「.....もう勝手にしろ.....」
教室中にアイツさえ居なければという感じを受けながら歩く。
何でこんなにも面倒臭い事ばかりなんだか。
俺の完璧ボッチ生活を返してくれ。
いや、本当に。
君はいつだって私のヒーローなんだよ アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
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