第7話 パスタ

3人は有希ゆきの父に案内されて、家の裏手にある倉庫に行った。倉庫のシャッターを開けると、それは一番手前に置かれてあった。


画像通りのグッチーノ。保管が良かったらしく、錆も見当たらないし欠品もなさそうだ。


美生みおは、これはいけるんじゃないか、と思った。けいは、思ってたよりキレイ、と小声で呟く。


ハイエースを回して来て、グッチーノを積み込む。


有希の父が言った。


「お昼はどうする? 寿司でもとろうか。」


「せっかくだから、シャンゴさんに行ってくる。」


3人は、有希の父母に見送られて出発した。有希は母からお惣菜の入ったタッパーをいくつも受け取っていた。


お昼は有希がご馳走してくれるというので、有希の指示通り走って、あるイタリアンレストランに入った。注文も有希に任せて、料理が出てくる。


レストランの名物という、その料理はミートソースのパスタに大きなロースカツがのっていた。そして量が多い。普通の3倍くらいあった。美生は恐る恐る食べ始めたが、ミートソースとロースカツの相性がよく、するすると食べられる。ふだん少食の佳も目を白黒させながらも、食べ続けている。


結局、3人とも完食してしまった。有希は、美味しかったでしょ、といたずらっぽく笑っている。


帰りは佳が運転する予定だったが、お腹いっぱいで運転できないというので、帰りも美生が運転した。そして、3時前にバイク屋に着いた。

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