第6話 ファミリー

美生みおの運転するレンタカーのハイエースは、関越自動車道を高崎市に向かっていた。隣には、けい有希ゆきが座っている。


車のナビに従ってインターチェンジを降りて、一般道を走っていくと程なく有希の家に着いた。いかにも裕福な大きい農家といった感じの家である。有希の話によると、元は農家であったが曽祖父の代あたりから他の事業を始めて、そちらが忙しくなったので農地は貸してしまってもう自分の家ではしていない、ということだった。


広いリビングに通されると、有希の父が立ち上がる。


「いらっしゃい。娘が大学の友達を連れて来てくれたのは、初めてです。」


有希の母がコーヒーとケーキを持って現れる。


「ようこそ、いらっしゃいました。何もございませんが、ごゆっくり。」


美生は、親子って不思議だな、と思った。顔付きや体型は違っても、人の良さそうな雰囲気は、全く一緒である。


美生と佳は、しばらくコーヒーとケーキを頂きながら、有希が両親に近況の報告をしているのを聞いていた。


家族仲は良いようだった。佳は里心を刺激されたのか、家族に会いたそうな表情を浮かべている。以前、訪れた佳の実家の家族もみないい人たちだったのを、美生は思い出した。


話がひと段落したところで、美生は切り出した。


「バイクはどちらですか?」

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