第13話

朝起きてテレビを付けた。

相変わらず日曜日のままだった。

良かった。今日ほど嬉しい日はない。

今日起きる全てのことを知っているからだ。

早速、1万円を握りしめて外に出た。まだ時間が早いから例の女の子にも会わない。それはそれで可哀想な気もするが…。

そして俺は競馬から始めて着々と資金を増やした。午前中だけで100万以上の資金を作ることができた。こんな幸せなことはない。

みんな、4番の馬の調子が…騎手が…とかあれこれ予想をして得意げに話しているが結果は俺しか知らない。こんな優越感は味わったことがなかった。

そして後半に控える100万円超馬券。さて、いくら賭けようか。そんな余裕さえ生まれてきた。ふと、午前中に懸念した不安も今まで大丈夫そうだ。

不安とは、最初の日曜日は俺は競馬をしていない。そして、今日俺が大金を掛けているから配当が下がるんじゃないかと懸念していた。一般的に考えれば当たり前のことである。だが下がらなかった。だから千円賭けるだけで一千万を手にすることができるのだ。

誰かに喋りたい気持ちを抑え、俺は1万円を賭けた。もう一緒遊んで暮らせるだろう。今までの人生で一番の至福の時かもしれない。

そんなことを思いながらニヤニヤして俺は時間が来るのを待った。そして俺は見事1億というお金を1レースで手にした。

だが、急にそんな大金を貰っても使い道も考えてなければ、使い方にも慣れていない。明日からゆっくり考えよう。時間もお金もあるんだから。俺は家に帰りゆっくりと眠りについた。生きてて良かった。あの婆さんに感謝しながら。

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