第7話

昨日はいつ寝たんだろう。全く記憶がない。気付いたら朝になってた。

時間は8時。まだ寝ぼけてはいるが今日することは決まっている。もう腹を括るしかない。そう思いつつ俺はテレビを付けた。

ん?何か見たことあるような…寝ぼけてる?まだ夢か?俺の目に映っていたのは昨日見たテレビ番組。出演者の服も同じ。「あれ?今日は月曜だからニュース番組…」試しに俺はチャンネルを変えてみた。不思議なことにどの局も日曜日のこの時間に放送される番組が流れている。何気に携帯をイジると…携帯の日付は日曜日を指していた。「何で?夢か?」まだ起きて間もないから頭が回らない。現実か夢かも区別がつかない中、俺はボンヤリとテレビを眺めていた。「一緒。丸っ切り一緒…」このテレビ番組は昨日俺は見た。しかも内容も一言一句一緒だ。ということは今日は日曜日なのか?俺は財布の中を確かめた。財布の中には1万円が入っていた。

「昨日、回転寿司を食べたり銭湯行ったよな?」誰に聞く訳でもないが思わず声に出た。「これは夢だ。まだ寝ぼけてるんだ」自分にそう言い聞かせ俺はシャワーを浴びて頭を起こすことにした。

相変わらずテレビ番組は昨日と同じ内容が流れ続けている。全く状況が理解できないが…月曜になれば俺は自殺するんだ。もう会社にも行かない。そう決めている。だから、今日は最期の日曜日には変わりはない。昨日同様、俺は家を出た。勿論、行き先など決まっていないが。

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