第4話

「贅沢」、「至福」って何を指すのだろうか。お金持ちの方なら「大人買い」「高級料亭での食事」とか…あれこれすぐに思い付き実行するのだろう。だが俺にはそんなお金もなく、勿論そんな経験すらない。

昔、地球が滅亡する。という予言があり、「もし、明日地球が滅亡するならあなたは何をしますか?」という質問が一時期流行った。当時、俺も学校の卒業文集の寄書きに書いた覚えがある。今となっては何を書いたかは覚えていない。明日死のうというのに…やっぱり俺はその程度の人間だったのかな…そんな事を思いながら、あてもなく俺はブラブラと街を歩いた。行き交う人がみんな幸せそうに見える。俺も最期ぐらいあんな笑顔で終わりたい。そう思えば思うほど、何をしたいのか、何を求めているのか全く分からなくなった。そして、とりあえずお腹を満たす為に俺は某チェーン店の牛丼屋に入った。勿論、注文は並盛。行き慣れた店、何も気を遣わないていいし落ち着く。結局、俺にはこれが合っているのだろう。

あぁ、本当にこれから何をしようか…。

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