情報屋
二人が情報屋のもとへ足を運んでいるのと時を同じくして、Xエリアの外では学園都市外からやって来た新参者達がだんだんと各地域に進出してきていた。そして、圧倒的な人海戦術で暗黒街を手中にしようと考えていたのだ。が、どの地域も一筋縄では行かないということを新参者とはいえ、直ぐに分かるほどに実力差を痛感し始めていた。子どもから大人まで、まるで
そして遂に、夜行型の犯罪者たちが出払い朝型の犯罪者たちが眠りに落ちている頃、ほんの数名の新参者がXエリア全体を囲む鉄格子越しに中の様子をしばらく
この情報は、Xエリア西区のトップ[通称・疾風のメリッサ]に直接送られる様に設定してあるものだった。すぐさま、続々と集まってくる情報の解析に取り掛かる沢山のコンピュータと、その様子を
それが今回は初めての地下で本人ご登場だ、メリッサのテンションはデータそっちのけでうなぎ登りしている。その事に気づいたリアナが、軽く溜息を吐いて咳払いをした。二人同時にそちらへ振り向くと、情報を教えて欲しいという動作をしていた。
「あ!そうだったそうだった!ゴメンねリアナお姉ちゃん。ここ二時間以内の新参の動きなんだけど、すっごい数なのに…どこからどう見て考えても動きが鈍すぎるなってメリッサ思ってて。Xエリアは鉄格子の外から見てっただけだし、地上だけサーッと見てったよ?皆ほとんど地下暮らしなのにね、監視カメラもお構いなしなんだもん、ビックリしちゃった」
「情報の集めかたも本腰入れてる訳じゃないのね……数だけで勝負ってこと?だとしたら、今が様子見なだけで…他の街の人間が新参者に容赦するはずないし。ってなると、そのうち間違いなくこの街が標的にされる…メアとルーチェ、エマもここに呼ぶよ」
「アイサーッ!」
「はいよ」
可愛らしいメリッサが、今日一番の元気な挨拶を西区の地下に響かせた。
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