【アニメ】 波よ聞いてくれ

 ラジオのパーソナリティに抜擢された、しがないウェイトレスの話。


 いわゆる、お仕事女子系アニメ。


 ラジオの編集さんとも知らず、隣りに座っていた男性に

「金を持ち逃げした彼氏との別れ話」

 を延々と語りかけた主人公。

 その話が一部始終、地元のラジオに流れる。

 主人公はラジオ局に乱入。

 テープを止めるように言ったが、逆に編集から弁解トークを要求される。


 トントン拍子に、主人公は自分のラジオを任されることに。


 最初の仕事で、ミニラジオドラマの一人芝居を任される。で、それを主人公は見事にやってのけた。


 その場面は、きっちり「殺されかけていた元彼」にまで届いていた。



 普通ではありえない話で、トーク力もよほどツボっていないとこういう展開にはならないはず。

 なのに、ここまで人をひきつけるキャラの説得力がすごい。


「どこをどうやれば、ここまでのトークアドリブ力が身につくのか」と思えるほど、主人公の会話スキルが卓越している。


 それでいて、ラジオという媒体の難しさ、ネット普及によって追いやられていくラジオ局の難しい立場など、主人公の立ち位置の危うさがまた問われる。

 バイト先のウェイトレスもクビになっていて、一歩間違えば廃業だ。

 また、主人公にはラジオだけで食うという覚悟も薄い。

 プロ意識も控えめだ。


 だが徐々に、ラジオという媒体の面白さにのめり込んでいく段階がまた面白い。

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