029――シン・ゴジラ(特撮映画)
あらすじ
11月3日8時30分ごろ、東京湾羽田沖で大量の水蒸気が噴出し、東京湾アクアラインでトンネル崩落事故が発生。その後、巨大生物の尻尾が現れ、多摩川河口から大田区内の呑川を這いずるように遡上しはじめる。
政府は呑川から蒲田に上陸した巨大生物の駆除を決定。害獣駆除を目的とした戦後初の防衛出動を要請する。一方、巨大生物は品川区北品川近くで急速な進化と巨大化を遂げ、直立二足歩行を開始。そこへ自衛隊の攻撃ヘリコプターが到着するが、付近に逃げ遅れた住民が発見されたことで攻撃は中止。直後に巨大生物は突如、京浜運河から東京湾へ姿を消してしまう。
政府は巨大生物の足取りを探る一方、再襲来に備えて内閣官房副長官矢口蘭堂を事務局長とした「巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)」が設置。同時に米国からは大統領次席補佐官および大統領特使が極秘裏に来日し、巨大生物の正体は太古から生き残っていた深海海洋生物が、不法に海洋投棄された大量の放射性廃棄物に適応進化した「ゴジラ(Godzilla)」と呼称される未発表の生物であることや、その研究をしていた牧悟郎という学者が行方不明であることを伝え、牧が残した謎の暗号化資料などを日本側に提供する。
だが4日後の11月7日、前回よりも更なる進化を遂げ、倍近い大きさに成長したゴジラが鎌倉市稲村ヶ崎辺りに再上陸した。
概要
十二年の沈黙を破り、新たに描かれるゴジラと日本。
総監督・脚本は『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズを手掛けた庵野秀明。
監督・特技監督には平成ガメラ三部作を手掛けた樋口真嗣が参加。
ということで今回は2016年(平成28年)7月29日に公開された『シン・ゴジラ』を紹介します。
当時、新海誠監督の『君の名は。』と共に日本の夏を席巻した『シン・ゴジラ』ですが前作にあたる『ゴジラ FINAL WARS』以来約十二年ぶりの日本製作のゴジラ映画ということで、ゴジラファンである自分も期待を胸に劇場に足を運びました。
個人的にこの作品が公開される約二年前のギャレゴジのヒットによって世間のゴジラ熱の再燃とCGによる怪獣表現の可能性が示されたことでの復活だななどと邪推なことを考えていましたが、CGを使った生物らしいゴジラを目指しつつも日本独自の進化するゴジラの姿には驚かされました。
そんな衝撃と熱狂からはや五年以上が経過していることに驚きを隠せませんし、時の流れの早さに圧倒されます。
さて、今回はそんな作品を三幕分解してみたわけですが、キャッチコピーである「
それを象徴するのが徹底的に突き詰められた官僚同士の会話や会議シーンでしょう。
単体で見ているとなかなか眠気を誘うものではありますが、その合間に挟まれるゴジラの姿が会議シーンに緊迫感を与えて盛り上げてくれています。
また徹底的にリアリティを追求されているため、官僚同士の会議シーン、自衛隊の無線や行動などは見る人が見ればニヤリとできるほどの作り込みがなされていました。
そこに主人公である矢口を軸に縦軸のストーリーも入ってくるので現実と虚構というシンプルながら両極端な構図をうまくひとまとめに組み上げて演出や音楽でさらに強固にしている作品だなと思いました。
いつものゴジラ映画ならゴジラを倒すための超兵器が登場したりするものですが、この映画ではそういった要素は一切廃され、100メートルを超える化け物に等身大の人間が挑むというまさに地に足つけた構図がこれでもかというほど強調されています。
音楽もエヴァでおなじみの音楽が流れたりもすればゴジラファン歓喜の『宇宙大戦争』や『ゴジラVSメカゴジラ』のテーマが流されたりと非常にオタク心をくすぐります。そのタイミングも絶妙すぎて自分は劇場で悶絶しました(笑。
とこんな感じでまとめてみましたが、あまり三幕分解に分解しての話ではありませんでしたね(苦笑。
やはり好きすぎるものだと語りたいことが多すぎて本筋からズレてしまいがちになるのでなかなか難しいです。
ストーリーライン(全体)
フェーズ1
・11月3日8時30分ごろ、東京湾羽田沖で大量の水蒸気が噴出し、東京湾アクアラインでトンネル崩落事故が発生。
・政府が原因が海底火山か熱水噴出孔の発生と見て対応を進める
・内閣官房副長官矢口蘭堂が、インターネット上の一般人による目撃報告や配信動画などから、いち早く事故の背景にある巨大生物の存在を示唆するが一笑に付される
・巨大生物の尻尾部分がテレビ報道され、政府が認識を改める。
・巨大生物が多摩川河口から大田区内の呑川を遡上し、蒲田で上陸。街を破壊しながら北進する。
・政府が捕獲か駆除かを検討した結果、駆除を決定。防衛出動での自衛隊出動を模索し、半ば超法規的に害獣駆除を目的とした戦後初の防衛出動が要請する。
・巨大生物が品川区北品川近くで急速な進化と巨大化を遂げ、直立二足歩行を開始する。
・自衛隊の攻撃ヘリコプターが攻撃位置に到着するが、付近に逃げ遅れた住民が発見されたことで攻撃が中止される。
第1プロットポイント
・巨大生物が突如、京浜運河から東京湾へ姿を消す。
フェーズ2
・政府が海上自衛隊を出動させて足取りを探る一方巨大生物の再襲来に備え、矢口を事務局長とした「巨大不明生物特設災害対策本部」(巨災対)が設置される。
・被害地域で未知の放射性元素の検出や微量の放射線量の増加が確認され、その反応が巨大生物の行動経路と一致したことから、放射線源は巨大生物と判明する。
・米国から大統領特使であるカヨコ・アン・パタースンが極秘裏に来日し、巨大生物の正体は「ゴジラ」 (Godzilla) と呼称される未発表の生物であり、研究をしていた牧悟郎という学者が行方不明であることを伝え、牧が残した謎の暗号化資料などを提供する。
・巨災対が、血液凝固剤の経口投与によってゴジラを凍結させる「矢口プラン(仮称)」の具体検討を始める。
・11月7日。更なる進化を遂げたゴジラが鎌倉市稲村ヶ崎辺りに再上陸、横浜市や川崎市を縦断して川崎市武蔵小杉へと進行する
・自衛隊が武蔵小杉から多摩川河川敷を防衛線とした、ゴジラの都内進入を阻止するための総力作戦「タバ作戦」を実行するが突破され、大田区・世田谷区・目黒区へ進行を許す
・大使館防衛を理由に米国が爆撃機をグアムから日本に向かわせたとの通知を受け、日本政府が米国に攻撃支援を正式に要請する。
・米軍の爆撃機が地中貫通爆弾による攻撃を始め、ゴジラに初めて傷を負わせることに成功するが、その直後、ゴジラの熱線光線によってすべて撃墜される
第2プロットポイント
・ゴジラの熱線によって港・千代田・中央3区が壊滅的な被害を受け、総理大臣らが乗ったヘリコプターも撃墜され、総理を含めた閣僚11名が死亡。ゴジラは東京駅構内で活動を停止する。
フェーズ3
・政府機能が立川に移転すると同時に総理大臣臨時代理も立てられ、矢口がゴジラ対策の特命担当大臣に任命される
・米国の国連での外交工作によって国連安保理がゴジラへの熱核攻撃を決議、多国籍軍による核攻撃プランの策定が開始され、同時に住民360万人の疎開が行われる
・巨災対が牧の暗号化資料を解読し、国連軍の熱核攻撃開始が間近に迫る中で矢口プランは「ヤシオリ作戦」と改名され、日米共同作戦として開始される
・「ヤシオリ作戦」によってゴジラの凍結に成功する
・ゴジラの放つ放射性物質の半減期が20日と非常に短く、約2〜3年で人体への影響はなくなると判明したことから復興の希望も見える
・矢口が凍結したゴジラを見つめながら改めてこれからの事態収束の決意をする。
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