024−C――未来戦隊タイムレンジャー 第11〜15話(特撮)

Case File 11「死闘の町」

 今回は圧縮冷凍から解放された囚人の行う殺戮ゲームにタイムレンジャーと彼らを追う記者、森山ホナミが巻き込まれる話。

 前回の次回予告の時点から不穏な空気が漂っていましたが愉快犯による殺し合いや行き過ぎた記者の行動とそれが招く悲劇など、子ども番組かと疑うようなハードな内容にしながらもドモンと森山ホナミが恋愛への発展しそうな展開を入れたりとなかなかに見応えのある回でした。

 特に「特ダネを押さえたい」という欲求とその欲のせいで事態の悪化を招いてしまったという現実がホナミに突きつけられるのはかなりシビアな展開でしたし、タツヤが爆発する人形に吹っ飛ばされたり、アヤセが轢き殺そうとしてくる車を間一髪で乗り越えたりとアクションも展開と相まって緊迫感がありました。



ストーリーライン

フェーズ1

・街のレストランで豪遊するドルネロとリラを森山ホナミが写真に収める

・ギエンが新しい囚人を解凍する

・愉快犯ゴウガンが催眠誘導によって人々が争わせ、タツヤたちがその情報を手に入れる

・森山ホナミが警察の封鎖区域に侵入し、タツヤたちも後を追うようにが封鎖区域に侵入する


第1プロットポイント

・タツヤたちが操られた街の人々に襲われる


フェーズ2

・ユウリが襲われていた森山ホナミを助け、封鎖区域を出るように告げる

・シオンが催眠誘導装置とゴウガンを見つけ、タツヤたちが合流する

・タイムレンジャーに変身し、催眠誘導装置を破壊しようとするが森山ホナミによって失敗し、閉じ込められる

・解放されたタイムピンクが森山ホナミを引っ叩き、ゴウガンが人々を操って殺し合わせていることを明かす

・タイムイエローが「俺たちが止める」と森山ホナミに告げる

・タイムレンジャーが催眠誘導装置を破壊し市民の殺し合いを防ぎ、ゴウガンと戦う


第2プロットポイント

・ゴウガンがリバウンドを起こし、タックが緊急システム発動依頼をし、タイムジェットがやってくる


フェーズ3

・タイムロボβからタイムロボαを経由してゴウガンを圧縮冷凍する

・森山ホナミがタイムレンジャーの素顔を知り、アヤセがタイムイエローだと勘違いする

・ギエンが破壊と殺戮にしか楽しみを感じられないことが明かされる

・ドモンが森山ホナミと関わるなとユウリに釘を刺される




Case File 12「星に願いを」

 今回はシオンが主役の回。

 宇宙人でありロンダースの囚人に脅される男、アルゴとの交流が描かれますが、シオンの「悪(ゲーマルク)に屈しないでほしい」という思いとアルゴの「自身の正体が露見して欲しくない」という互いの欲求がぶつかり合うような構図で、それが隼人の拉致というゲーマルクの行動によってどんどんと選択を迫られ、展開の加速していく印象でした。

 逆にそこを突破してしまえば割と話がスイスイ進んだ印象でした。



ストーリーライン

フェーズ1

・トゥモローリサーチに滝本隼人がやってきて「宇宙人を見つけて欲しい」という依頼をシオンが受け持つこととなる

・シオンが宇宙人に手品を教えてもらったというアルゴの手品を見る

・シオンがアルゴの住処を訪れ、彼が本物の宇宙人であることを知るが帰ってくれと言われる

・街で次々と現金が貴重品がなくなる事件が起き、恐喝犯ゲーマルクの仕業であることが明かされる

・事件をタツヤたちが知り、調査を始める


第1プロットポイント

・アルゴがゲーマルクに脅されていることをシオンが知り、タイムグリーンとなって割って入り、ゲーマルクと戦闘になるが逃げられる


フェーズ2

・シオンがアルゴから身の上、滝本隼人との出会い、ゲーマルクに脅されるまでを聞き、「言いなりにならないで」と告げるが渋られる

・ゲーマルクがアルゴの前で滝本隼人を拉致し、盗みを行うよう促す

・アルゴが盗みを働こうとするがシオンがそれを止め、自身が宇宙人であることや仲間がいることを明かし、自分たちに任せて欲しいと再び告げる

・アルゴが盗んだ品を持ってゲーマルクの元に現れるが滝本隼人を解放する約束が破られる

・品物が偽物であることが明かされ、タツヤたちが滝本隼人を救出し、アルゴに託す

・タツヤたちがタイムレンジャーに変身し、ゲーマルクと戦う

・ピンチに陥るタイムレンジャーにアルゴが加勢するがゲーマルクの攻撃を受ける


第2プロットポイント

・タイムグリーンの猛攻によってゲーマルクに隙が生まれ、ボルテックバズーカで圧縮冷凍しようとするが、ゲーマルクがリバウンドを起こす


フェーズ3

・タックが緊急システム発動依頼をしタイムジェットがやってくる

・タイムジェットγからタイムロボαを経由してゲーマルクを圧縮冷凍する

・奪われた品々が元の場所に返される

・シオンが宇宙船に乗って旅立つアルゴを見送る




Case File 13「バトルカジノ」

 今回はその名の通り、武闘家の戦いに大金投じる闇カジノの話。

 被害者とも言える細木信二を軸にした依頼人の話は普通の話でしたが、タツヤと格闘家の熾烈な戦いの連続や見えない攻撃の正体など、ありきたりな話を入れつつ、アイデアや発想はあっと思うものがいくつか見られました。

 特に本体とメカボディに分裂するのは意外でしたし、それによって初めて圧縮冷凍以外の戦い方や圧縮冷凍の方法を持たないタイムロボβの活躍がしっかり観れるなどの点に反映されていました。



ストーリーライン

フェーズ1

・細木信二の妻がトゥモローリサーチに「夫の細木信二を連れ戻してほしい」と依頼する

・細木信二がオーナーとの賭けに敗北する

・ドモンがバトルカジノに潜入し、細木信二を探すが連れ出される


第1プロットポイント

・ドモンに代わってタツヤが選手としてバトルカジノに乗り込む


フェーズ2

・ドモンが殴った時の違和感をユウリたちに話す

・細木信二がオーナーが賭博師ベリトであること知る

・ユウリたちがタックなどの情報から賭博師ベリトが絡んでいるのではないかと考える

・タツヤが細木信二と戦うこととなり、事情を話すが勝てば金を返してくれるという話を細木信二から聞きわざと負けようとするが、細木信二の敗北に終わり、タツヤが違和感を感じる

・タツヤが試合後にベリドにボロボロにされた細木信二に会い、ベリドの駆けの顛末などを話す

・タツヤからの情報を聞き、ユウリたちも動き出す

・ユウリたちがカジノに潜入し、工作を始める

・タツヤが試合に勝ち続け、ユウリがオーナーとの駆けを持ちかけられる

・タツヤが試合中に見えない敵に攻撃されるが、レフェリーがベリドのメカニカルスーツであることが明かされる

・ベリドが逃亡するがタツヤたちがタイレンジャーに変身し、ベリドと戦う

・ボルテックバズーカでベリドの本体を圧縮冷凍する


第2プロットポイント

・残ったメカニカルスーツがリバウンドを起こす


フェーズ3

・タックが緊急システム発動依頼をし、タイムジェットがやってくる

・タイムロボβよってメカニカルスーツを破壊する

・細木信二が妻と再会する




Case File 14「デッドヒート」

 今回は井上敏樹脚本によるアヤセ回。ロンダースに組したかつての仲間――バロンとアヤセとの関係が描かれます。

 自分が認めた奴だからこそ「真っ当に生きてほしい」という願いがあり、30世紀のバロンの裁判で証言したアヤセでしたが、それが裏目に出て、バロンがアヤセとの決着をつけるためにロンダースに加担するという展開はある意味悲劇的な展開でしたし、さらにレース勝負によって近づいた二人の関係を悪人であるリラが再び引き裂くというのも他人の思考や思いがあってもそれがままならないこともあると痛感させられるエピソードでした。



ストーリーライン

フェーズ1

・アヤセがタツヤたちとドライブするがドモンの暴挙で免停を食らう

・稼ぎが少ないせいでドルネロが金欠病に陥る

・リラがマッドレーサーバロンと共に宝石強盗を働き、バロンの操縦テクニックで警察を撒く

・ユウリがリラの宝石強盗に関心を向ける


第1プロットポイント

・タイムレンジャーがリラたちの犯行に気づき阻止しようとするが、アヤセとバロンが知り合いであることが明かされる


フェーズ2

・事務所に戻ったアヤセがバロンとの関係をタツヤたちに説明する

・人間の姿を取ったバロンとリラが街に繰り出すが、バロンが単独行動をとる

・アヤセとバロンが再び出会い、アヤセがロンダースに加担する理由を訪ね、アヤセとの決着をつけることが目的であることを知り、自分が勝ったらロンダースを抜けることを約束させる

・アヤセが免停の講習を受けるが、一人だけ実技の講習を受けることになる

・リラとバロンが再び宝石強盗を働き、講習中のアヤセがそれを知り、講習の車で向かう

・アヤセがバロンとレース勝負をし、その中で自身の真意を明かす

・子どもの飛び出しを判断し、車を止めたアヤセにバロンが負けを認め、リラの元から離れようとする

・リラがバロンに与えたブレスレットの仕掛けを発動させ、バロンが駆けつけたタイムレッドたちに襲いかかる

・アヤセがタイムブルーに変身し、バロンと戦う


第2プロットポイント

・タイムレンジャーがボルテックバズーカでバロンを圧縮冷凍にしようとするがリラが妨害し、バロンのリバウンドを起こさせる


フェーズ3

・タックが緊急システム発動依頼をし、タイムジェットがやってくる

・タイムロボαがバロンと戦い、ブレスレットの仕掛けを解く

・自我を取り戻したバロンが自身の思いを明かし、アヤセがバロンを圧縮冷凍する




Case File 15「狙撃手スナイパーを探せ」

 今回は死闘の町にて見事にタイムピンクの張り手を食らった森山ほなみが主人公の回……というよりも完全に被害者ですが(笑

 しかしその分、彼女の「タイムレンジャーに助けてほしい」という欲求と助けに来たところをレイホウが確実に狙い撃ちするという葛藤が非常によく現れていましたし、その中で知恵を絞ったタイムレンジャーの作戦やタイミングよく森山ほなみを助けることとなったタイムイエローことドモンの活躍もなかなかでした。

 あといつもな無邪気なシオンがなかなか観察眼に長けている描写があったり、シオンが気づいたことに気づけなかったことをユウリが気にする描写があったりとなかなか細やかな部分にまで気が配られていました。



ストーリーライン

フェーズ1

・ドルネロたちがスナイパーレイホウにタイムレンジャー暗殺を依頼する

・森山ほなみの記事が再び掲載されるが、記事が森山ほなみの意思とは関係なく掲載されたことが明かされる


第1プロットポイント

・森山ほなみのアパートにレイホウが訪れ、タイムレンジャーの情報を渡すように脅す


フェーズ2

・記事の一件で忠告しようとしたタイムピンクが森山ほなみのアパートが荒らされていることに気づく

・森山ほなみのアパートを調べたタツヤたちが森山ほなみを狙ったのがレイホウであることを知る

・シオンが異常な時空通信を感知し、偵察に出たタックが森山ほなみの姿と首に爆弾が取り付けられていることに気づく

・タツヤたちが作戦会議をし、バリアを張っての爆弾解体とレイホウの位置特定を同時に行うことになる

・タイムレンジャーたちが作戦を開始するがタイムイエローの姿を見た森山ほなみが動いたせいで作戦がうまく行かず、タイムグリーンとピンクが直接森山ほなみを助ける

・タックがレイホウの位置を特定し、タイムイエローたちが駆けつける

・タイムグリーンとピンクが森山ほなみを助ける

・タイムイエローたちがレイホウと戦闘になり、グリーンとピンクが合流する


第2プロットポイント

・窮地を察したレイホウがリバウンドを起こし、タックが緊急システム発動依頼をし、タイムジェットがやってくる


フェーズ3

・タイムロボα、タイムロボβを経由してレイホウを翻弄する

・再びタイムロボαに戻り、レイホウを圧縮冷凍する

・ユウリとシオンが森山ほなみをアパートへと戻し、シオンが写真の裏に非公開のメールアドレスを置いていく

・レイホウの失敗がドルネロたちに伝えられる

・トゥモローリサーチのパソコンに森山ほなみからのメールが届き、ドモンがやりとりをする

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る