012−C――Fate/stay night [Heaven's Feel] spring song(アニメ映画)

概要

 「Heaven's Feel」三部作の最終章。

 ということで劇場版fateの最後のお話です。一時はコロなんとかウイルスさんの影響もあって公開延期の憂き目にも遭いましたが、まずは公開されてよかったです。

 そして初日にチケットを取ろうとネットを開いたら、すでに午前中の席が全滅してしました。

 さすが最終章というのも手伝って、人気はすごいです……恐るべしfateの波(笑


 仕方なく公開日翌日の朝イチのチケットをネットで取っていざ劇場へ。

 結論から言わせてもらうと最高でした(毎度言ってる)。


 ストーリー面は第一章、第二章で撒いてきたキャラクターたちの感情の種が一気に芽吹いていましたし、映像もバトルシーンは大迫力ながらそれ以外のシーンでも細やかな演出が光って素晴らしかったです。

 あまりに凄すぎて劇場から出たあとしばらく放心状態になりました(笑


 さて、では肝心のストーリー面を詳しく語りましょう。

 前回の第二章のラストでは桜の闇落ちというこれでもかと気になるところで終わらせてくれていましたが、そこからの桜の無双っぷりを序盤の立ち上がりで出してきて掴みが十二分に出来上がっていました。


 そこから桜を取り戻したいと思いつつも、暴走する桜を直接止める手立てを見いだせない士郎の足掻きを交えつつ、言峰綺礼と真アサシン、士郎とバーサーカーの戦闘などが展開されて観客を釘付けにしていました。


 中盤の折り返し地点を超えると聖杯戦争と桜の暴走に関わる過去が語られつつも桜の歪んだ、あるいは歪められてしまった感情がさらにヒートアップしていきます。


 終盤になるとその感情に付随して優秀な姉である凛へのコンプレックスなど、桜のあの優しい笑顔の裏に秘められていたものが圧倒的な画面表現と共にぶちまけられ、かたや士郎はライダーと結託してセイバーオルタ相手に大立ち回りを繰り広げるなど、これでもかと場面を盛り上げていっていました。

 ホント、ラストの終止符を見るまで感情が昂ったまま、すべてを持っていかれました(笑。


 そういった人の感情を揺さぶり続けた本編ですが、今回の展開では兄妹や姉妹愛と言ったものが大きくフィーチャーされているなと感じました。


 凛と桜の姉妹関係も士郎とイリヤの兄妹であり姉弟の関係が深く掘り下げられており、しかもそれを正当な形ではなく破断した状態――凛と桜なら養子に出されたことで姉妹ながら血の繋がりを感じさせないまったく違う立場に置かれていますし、士郎とイリヤに関しては血縁関係がそもそも存在せず、互いに顔も知らなかった場所から始めているのが個人的にポイントとして見ていました。

 実際、これは他のセイバールートや凛ルートであるUBWでも見られなかったものです。


 自分の経験もある故かもしれませんが、その掘り下げられた兄弟姉妹関係がさらに観客の心を掴んだのではないかと思いました。

 とまぁ、長々書きましたがとりあえず面白いのでまず観てください(笑。




ストーリーライン

フェーズ1

・衛宮士郎が間桐邸を訪れるが、殺された間桐慎二の亡骸を目撃する

・士郎が間桐臓硯と対峙するが、現れたライダーによって回収される

・イリヤスフィールを連れ去るために衛宮邸に間桐桜が現れる

・イリヤを渡すまいと遠坂凛が桜に抵抗するがあっけなく戦闘不能となる

・士郎とライダーが間桐邸から帰還し、桜を説得するが現れたセイバーオルタによって邪魔される


第1プロットポイント

・イリヤが戦況の不利を察し、自ら桜についていく


フェーズ2

・士郎とライダーが遠坂を連れて言峰綺礼の元を訪れる

・眠りから目を覚ました士郎が言峰綺礼と共にイリヤを取り戻すためにアインツベルン城へと向かう

・士郎が十年前の聖杯戦争、衛宮切嗣と言峰綺礼のあり方を聞く

・士郎が言峰綺礼と共にアインツベルン城に忍びこみ、イリヤと再会し、彼女を連れ出す

・士郎の侵入を察知した桜が、バーサーカーと真アサシンを差しむける

・言峰綺礼がイリヤを士郎に託し、追随してきた真アサシンと戦う

・士郎がイリヤを守りながらバーサーカーから逃げる

・教会に戻った言峰綺礼が臓硯と真アサシンの待ち伏せを受けるが、真アサシンを戦闘不能にし臓硯を倒す

・士郎がバーサーカーと戦うためにアーチャーの腕を使い、バーサーカーを倒してみせる

・言峰綺礼の前に桜が現れ、彼を痛めつける

・衛宮邸でアーチャーの腕を使った反動に苦しむ士郎の前に遠坂が現れる

・士郎が遠坂、イリヤと外出し、聖杯戦争の真相、アヴェンジャーの登場、そして桜がアヴェンジャーと契約したため現在の状態になっていることを語る

・士郎たちが間桐邸を訪れ、土地の龍脈を辿り、士郎のアーチャーの腕を使って宝石剣をトレースする

・衛宮邸に戻った士郎がライダーとの会話の末、桜を取り戻すために彼女と協力関係となる

・桜が戻ってきた真アサシンと自身の神経に寄生していた臓硯を殺害する

・士郎が衛宮邸にイリヤを残し、遠坂、ライダーと共に柳洞寺を目指す

・士郎たちが柳洞寺裏に隠された洞窟を進むがセイバーオルタが立ち塞がる

・セイバーオルタが遠坂を桜の元に向かわせ、士郎とライダーに対峙する

・士郎とライダーがセイバーオルタとの戦闘に入り、見事な連携でセイバーオルタを倒す

・士郎が負傷したライダーを置いて先行する

・遠坂が桜と対峙し、宝石剣で桜を圧倒するがトドメを刺すことが出来ずにやられる

・桜が遠坂に手をかけたことで正気を取り戻す

・駆けつけた士郎が目覚めようとするアヴェンジャーの妨害を受けながらも桜の元にたどり着く


第2プロットポイント

・士郎がトレースしたキャスターのルールブレイカーによって桜とアヴェンジャーの契約を断つ


フェーズ3

・士郎が駆けつけたライダーに桜と遠坂を託し、アヴェンジャーの誕生を止めようとする

・士郎がアヴェンジャーの誕生を望む言峰綺礼と対峙し、殴りあう

・士郎が言峰綺礼に勝利するが満身創痍で動けずにいるとイリヤが現れ、すべてに終止符を打つ

・聖杯戦争が終結し、11年もの時が経過する

・桜たちが人形と魂を合わせることで士郎を蘇らせ、ともに生きていく

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