012−B――Fate/stay night [Heaven's Feel] lost butterfly(アニメ映画)

概要

 第1章に続いて第2章も公開初日に見てきましたが上演前からかなりの席が予約され、当日にはチケットはすべて完売の大盛況という状態でこの作品がどれだけ期待されているかを如実に感じました。


 さて肝心の本編ですが、かなりの出来であったと思います。戦闘シーンが派手ながら迫力があり、特に中盤――バーサーカーとセイバー・オルタの戦いは飛び上がりや回避の横移動など上下左右を使った三次元のダイナミックな動きと規格外の大規模な宝具の細やかな演出が画面目一杯に映し出されるのは圧巻でした。


 キャラクターも桜との関係を深めていくなかで徐々に彼女の身に起きる変化を感じてしまう士郎や大好きな士郎を取られるのではないかと焦燥感に見舞われる桜など心情描写が徹底して描かれていましたし、特に桜に関しては過酷な境遇に置かれても我慢強く耐え抜いた彼女の内にある感情が画面から溢れ出ていました。

 そこからくる焦りも彼女の淫靡な行動で示されており、それがただのファンサービスなどではなくキャラクターを近くに感じるための要素として取り込まれているのも勉強になります。


 TV放映されたUBWと同じキャラクターであるはずなのに関係がまったく違うものへと変質しているというのも比較できて面白く、次の最終章でここまでの葛藤や感情がどのように消化され、帰結していくのかが待ち遠しいです。




ストーリーライン

フェーズ1

・士郎が影に喰われる悪夢から目覚める

・セイバーの行方不明を帰国という形で桜に伝え、外出する士郎

・士郎にイリヤが接触してくる

・士郎が遠坂と会い、彼女の家で作戦会議を行う

・衛宮邸にいた桜を慎二が攫う

・桜が倒れたことを知った遠坂と自宅に帰宅した士郎が慎二が桜を連れ去ったことを知る

・学校の図書室で待ち受けていた慎二と対峙した士郎がライダーと戦うこととなる

・ライダーの助力、遠坂とアーチャーの乱入によって慎二を止めることに成功した士郎がライダーの正式なマスターが桜であることを知る

・慎二の暴挙により、桜が暴走し、士郎と桜自身が怪我をする

・言峰綺礼の教会で目覚めた士郎が桜の体内に刻印蟲が植え付けられていることを知り、遠坂が桜に処分を下す

・桜が教会から逃げ出し、遠坂と士郎がそれぞれに彼女を追う

・士郎がイリヤに出会い、「自分は味方だ」と告げられる


第1プロットポイント

・士郎が桜を見つけ、彼女を受け入れ自宅へ連れかえる


フェーズ2

・桜を聖杯戦争に勝たせるために士郎がイリヤに協力を求めに行く

・イリヤとバーサーカーに間桐臓硯と真アサシンが挑み、影からセイバー・オルタが現れ、バーサーカーと戦闘になる

・バーサーカーとセイバー・オルタの戦闘に巻き込まれた士郎を遠坂が庇う

・バーサーカーと離れたイリヤと士郎たちが合流。真アサシンがイリヤを狙うがアーチャーが阻止し、戦闘になる

・バーサーカーがセイバー・オルタに敗北する

・一時的にアーチャーを退けた真アサシンが再びイリヤ、遠坂、士郎を狙う

・アーチャーが再び真アサシンの前に立ちはだかり撤退にまで追い込む

・影に殺されそうになった遠坂を庇ってアーチャーが深手を追い、影のさらなる追撃にロー・アイアスを使うが、士郎が片腕を失うという瀕死の重傷に陥る

・アーチャーが自らの腕を士郎に移植する

・帰宅した士郎が遠坂による腕の治療中に中学時代に士郎を姿を見ていたことを明かし、桜がそれを聞く

・桜が抱いて欲しいと士郎に抱きつき、士郎が彼女を受け入れる

・士郎、桜、遠坂、イリヤの四人での日常が続く

・桜の体を乗っ取った聖杯の影が外出し人食いを行なっている最中にギルガメッシュと出会い、彼を喰らった直後に大規模に人を食らう

・大規模な行方不明事件が報じられ、士郎が起きた直後、血だらけの桜が帰ってくる


第2プロットポイント

・士郎が桜が影と似ていることに気づく


フェーズ3

・士郎が自分が桜を殺す悪夢を見る

・間桐臓硯が士郎を呼び出し、暴走した聖杯の影を倒すには桜を殺すしかないことを語る

・士郎が桜を殺そうとするが、思いとどまる

・桜が一人、自分自身でこの戦いを終わらせようとするが慎二に強姦されかけ、彼を殺してしまう

・慎二を殺したショックから影が完全に桜を取り込み、黒桜が生まれる

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