021−A――revisions リヴィジョンズ 第1〜6話(アニメ)
あらすじ
私立聖昭学園の2年生である堂嶋大介は小学生時に誘拐犯から助けてくれた女性――ミロの「いつか訪れる危機において、あなたがみんなを守る」という言葉を信じて懸命に努力してきていた。幼馴染である凱、露、手真輪、慶作の四人はそれぞれの思いを持ちながら彼を見ていたが、ある日、彼らの元に奇妙なメールが届き、翌日登校した大介たちを待ち受けていたのは、300年以上先の未来への転送とリヴィジョンズと呼ばれる未来人たちとの戦いだった。
概要
渋谷の土地と共に300年以上先の未来にタイムトラベルしてしまった主人公たちが、未来人と戦いつつ現代に戻る手段を探す姿を描く「
監督は『コードギアス』シリーズや『ID-0』の監督を務めた谷口悟朗。
脚本は自らも小説を執筆し、アニメでは『PSYCHO-PASS サイコパス』や『がっこうぐらし!』を手がけた深見真などが担当し、アニメーション制作は『永遠の0』『シン・ゴジラ』を手がけたVFX制作などに携わった白組。
今作は「海外にもアニメカルチャー広げていきたい」というコンセプトの元、新たに設立された「+Ultra」というアニメ枠の第二弾として放映された作品で第1弾の『INGRESS THE ANIMATION』から視聴していますが、今作に惹かれた理由としてはSF作品であることと深見真さんが脚本を務めているということで観させていただきました。
Case01「渋谷転送」
ということで第1話ですが、今回はキャラクター紹介と渋谷転送とリヴィジョンズの襲撃がメインでした。
特に(というか物語の中核を担う存在なので最初に紹介されるのが当たり前ですが……)主人公である大介のキャラクター性が押し出されており、『これは俺だけの使命で運命なんだ』と不敵な笑みを浮かべたり、カウンセリングで進路の話になった途端、貧乏揺すりを始めたりと「みんなを守る」という自らの使命を大事にし、悪く言えばそんな自分に酔っていることが描かれていましたし、その理由がかつて誘拐され自身の無力さを痛感したことと未来で起きる大変な出来事でみんなを守れるのは大介だけだとミロに言われ、保証されてしまったという特異な部分から来ているのが読み取れました。
同時にシビリアンから逃げる女子生徒が自分に近寄ってきた時には「こっち来んなよッ!」などと言ったり、現れたミロに「言われたように守るから! 今度こそちゃんとやってみせるからッ!」などと発言していたり、おおよそ英雄らしからぬ言動が見受けられたことから彼が誘拐とミロと出会い、自らに使命と約束を課さなければ、ただの守られる側の人間だったというのが現れていると思いました。
Case02「勇者願望」
今回は大介のストリング・パペットとシビリアンによる戦闘がメインの回。
合間合間に区長や警察署長など、主人公たちとは別組織の人間の動きも書かれていましたが6割ほどは戦闘シーンだった印象です。しかし、守った人からテロリスト呼ばわりされたりストリング・パペットを取り上げられた大介が激昂しているあたり、彼が正当な英雄ではなく、英雄になってしまった普通の人間であることを表しているように思います。
Case03「守護者たち」
今回は大介たちS・D・Sの初任務である残り2機のパペット回収任務。
相変わらず「みんなを守るため」に身勝手な振る舞いしようとする大介をみんなで諌めている形ですが、この五人のチームがかなり危ういバランスの中で成立していることがありありとわかります。その不安定さと主人公である大介があまり主人公らしくない性格の持ち主というのもあって、この先どう転ぶのかまったく予想できませんし、エンディング後の牟田区長とチハル・イスルギの会話も不穏な空気しか持っていませんしこの後は一体どうなるのでしょうか。
Case04「第一次帰還計画」
今回は牟田区長とリヴィジョンズの企てる計画に大介たちと黒岩署長たちが対峙する回でしたが、前回のエンディング後の映像が実質的な今回の真のアバンタイトルとしての機能してますし、それによって初っ端から転換点とも言える帰還計画の説明から始まるあたり、普段見ているアニメの形とは少し変わった構造作りをしているなと思いました。
実際この作品が海外ドラマをイメージして作られているそうなので結構その雰囲気を感じます。内容としてもミロを救いに行った大介が不穏なミロとアーヴとの通信を聞いてしまったりと断片的にですが先に繋がる情報が小出しにされていて気になるように作られていました。
Case05「未来の姿」
今回はパペットの電力ユニットによって渋谷の街に再び明かりが灯るという明るい出来事からリヴィジョンズが人間であるという驚愕の事実。そしてS・D・S内の大介たちの論争など実に落差の激しい回でした。
前エピソードから時間がそれなりに経過しているというのもあって、大介たちの日常も落ち着きを取り戻し始め、露たちの裸の付き合いというサービスシーンを出すだけの余裕が生まれていましたが、そこにチームリーダー選出とミロとチハルの会話からシビリアンたちが元々人間であるという事実を聞いてしまうという爆弾が投げ込まれる形で物語が一気にねじれ狂っていく様は編集も相まってか、現行のアニメとはまた違った感覚で見ることができました。
Case06「だって、人だから…」
前エピソードでシビリアンたちが元々人間であるという事実を知らされ、S・D・S内にも亀裂が生じてきますが、ここで五人の個性がそれぞれ反応の違いという形で出ていましたし、特にシビリアンたちが人間であると知りながらも運命という言葉を盾にし、頼られていることに酔っている大介の反応は建前の中に本音が見え隠れしているようで人間というものの歪さを感じました。
そしてそれをもかき乱すリヴィジョンズとも違う第三の存在、ゲシュペンストで気を引かせつつもエンディング後には大介と手真輪の関係性を使って聞いているしかない慶作のやるせなさを展開と演出で引き出して、次へと繋げているのが印象的でした。
ストーリーライン(前編)
フェーズ1
・大介が誘拐され、凱やミロたちに救われた過去(Case01〜)
・大介が登校中に
・大介が学校の養護教諭である悠美子から進路などについて小言を言われる
・手真輪のいるグループの会話で過去に手真輪に道を訊ねた男性を大介がタックルし、肋骨を折ったエピソードが語られる
・大介、手真輪、凱、露、慶作の五人が仲良しであったことが明かされる
・凱が朝の出来事で露を困らせたことで大介と口論になりかける
・帰り道に会った慶作にみんなを守るという使命を捨てたらどうだと言われる大介
・7年前の2010年に田舎で大介が攫われ、凱やミロたちが助けに行ったエピソードが語られる(回想)
・大介の携帯に「明日の渋谷は危ない」と謎のメールが届く
・大介がお世話になってる親戚の幹夫に「渋谷を離れる」ように言う
・学校に来た大介に同じようにメールを受け取った凱たちが大介の仕業だと思い詰め寄る
・渋谷が停電に陥る
・学校の校舎の一部が消え去っている事に大介たちが気づく
・凱と露、慶作が大介の元から離れ別行動する
・屋上に出た大介と手真輪、その他生徒たちをリヴィジョンズのシビリアンが襲う
・危機に陥る大介たちの前にミロが現れ、リヴィジョンズを一時的に無力化する
・大介がミロからストリング・パペットを提供される
・家の様子を見に行って戻ってきた慶作と手真輪が体育館で合流する
・ストリングパペットを着た大介がリヴィジョンズに挑む
・大介が生徒たちがいる体育館を襲うシビリアンにストリング・パペットで戦いを挑む(Case02〜)
・大介がストリング・パペットでシビリアンと戦闘をしつつ徐々に機能を理解する
・渋谷区の区長。牟田誠一郎が対策に奔走する
・大介がストリング・パペットでシビリアンを倒す
・警察署長に黒岩亮平がシビリアンとストリング・パペットの画像から対処を考える
・大介たち五人が合流する
・ミロが大介たちと初対面であることを明かす
・黒岩たちが大介の前に現れ、大介たちを逮捕する
・大介がストリング・パペットを取り上げられて激怒する
・ミロが災害対策本部にて黒岩や牟田、凱たちに現在の状況を説明する
・牟田が災害対策本部で渋谷臨時政府に樹立を宣言する
・ストリング・パペットがあと2体存在し、操縦できるのは凱たちしかいないことが明かされる
・渋谷防衛のために大介たちを中核としたS・D・Sが組織される
・大介たちが残り二機のパペットの回収に向かう(Case03〜)
・移動中に世界がパンデミックに侵されたことがミロの口から語られる
・大介がミロに指示されたポイントに向かう
・黒岩署長がS・D・Sを使ってこちらから攻め込むことを牟田区長に話す
・ミロから自身が時間跳躍の能力を持つこと、それによるアーヴの活動内容を語られる
・ミロの言葉から凱がいずれミロが過去に時間跳躍し、幼い頃の大介たちを救うのではないかという仮説を立てる
・凱が幼い頃にミロが「すべてを疑え」と言われたことを思い出す
・大介がシビリアンを見つけ、持ち場を離れる
・凱がミロがなにかを隠していると話し、幼い頃にみんながミロから受け取った言葉が違うことが明かされる
・泉巡査が2機のパペットを見つける
・凱たちの前にシビリアンが現れ、大介が陽動にひっかけられたことをミロが悟る
・泉巡査が凱たちを逃し、囮を引き受ける
・渋谷にもシビリアンが現れたことが伝えられる
・凱と露がストリング・パペットの起動に成功する
・大介とミロがシビリアンを片付け、凱たちの元に向かう
・凱と露がストリング・パペットに乗り込み、シビリアンを倒す
・泉巡査から渋谷の状況が伝えられる
第1プロットポイント
・牟田区長にチハル・イスルギが接触し、あるリストを渡す
フェーズ2
・牟田区長がリヴィジョンズとの協力関係を結んだことが明かされ、パペットの引き渡しとチハル・イスルギからもらったリストの人物たちを第一次帰還者とすることを発表する(Case04〜)
・第一次帰還者リストが発表されるが、大介が「騙されるな」と演説をする
・凱たちがストリング・パペットをトラックに積み込む
・大介がニコラスと出会い、リヴィジョンズが大介たちを未来に連れてきたこと、ミロが敵であると話す
・黒岩署長がミロを事情聴取し、バランサーが持つ量子脳と渋谷の実情、敵の量子脳を破壊すれば渋谷は元に戻れるという可能性を聞く
・牟田区長が割り込み、黒岩たちを締め出し、ミロを拘束する
・第一次帰還者に選ばれた慶作が母親に渋谷に残ることを話すが、拒否される
・独断でパペットを取り返そうと画策する大介を幹夫が諌める
・黒岩署長が副区長を捕まえて話を聞く
・パペットを取り戻そうとする大介を凱と慶作が引き止め、副区長から事の顛末を聞いた黒岩署長が合流する
・黒岩署長がS・D・Sに第一次帰還計画阻止とパペット奪還作戦を命令、決行される
・泉巡査がミロがリヴィジョンズに引き渡されることを知り、黒岩署長に伝える
・慶作がミロがいなくなった場合過去に自分たちを助けたミロの存在も無くなってしまうのではないかと危惧を黒岩署長に伝え、黒岩署長がミロ救出を大介に任せる
・第一次帰還者たちが指定地点に運ばれる
・凱、露、手真輪がパペットのトラックに忍びこむ
・大介がアーヴとミロの会話を聞くも、彼女を助ける
・凱たちに行動によって第一次帰還計画が阻止され、牟田区長が駆けつけた黒岩署長によって逮捕される
・ミロと大介が現場に駆けつけ、手真輪の代わりにパペットに乗り込み、シビリアンと戦う
・シビリアンたちを退けるが幹夫や慶作の母親を含めた100名以上が連れ去られたことが伝えられる
・ミロの口から過去へ飛び、幼い頃の大介たちを救うミッションをアーヴから与えられたことが伝えられる
・パペットの電力ユニットを流用する事で渋谷の街に明かりが灯る(Case05〜)
・三週間の訓練によって大介たちがパペットに乗り慣れてくる
・大介がサインを求めた子供にサインしてやる
・大介たちの日常
・大介と慶作が哨戒任務に出る
・黒井署長が今後の生活への対策協議の中でアーヴに協力を申し出てはどうかと提案される
・慶作と大介が昔話をし、慶作が手真輪から大介を遠ざけるために騙したことが明かされる
・大介が別ルートで哨戒任務に出ていた凱と通信でケンカになりかけるが慶作が止める
・牟田区長が留置所にいることが明かされ、黒岩署長が訊ねるが有益な情報が得られず去る
・露、手真輪、泉巡査の風呂場でのガールズトーク
・凱が捜索隊の編成を黒岩署長に提案するが、S・D・Sがまとめるために凱をチームリーダーに考えていることを明かす
・手真輪が大介の誕生日であることを思い出し、誕生日会を泉が企画する
・定例会議でアーヴとの連絡などの議題が上がり、大介の誕生日会を泉が提案する
・シビリアンが現れ、S・D・Sが出動する
・手真輪と露が誕生日会の準備をする
・ミロが時空の揺らぎを目撃し、数日で2017年との交差が解けることがわかる
・ミロの前にチハル・イスルギが現れ、リヴィジョンズが元人間であることを手真輪が聞いてしまう
・手真輪が大介たちの元に戻るがリーダーを誰にするかで大介と凱が揉め、めちゃくちゃになった誕生日会の惨状を目にする
・ミロが現れ、ケンカする大介たちを見て軽蔑する
・手真輪がリヴィジョンズが人間であるなど聞いていないとミロを糾弾し、ミロもリヴィジョンズが人間であることを認める(Case06〜)
・ミロがリヴィジョンズが生まれた経緯を説明する
・S・D・Sがバラバラになる
・ミロが家族を失った時のことを回想する
・哨戒任務中だった慶作が大介の叔父である幹夫を発見する
・幹夫がリヴィジョンズに監禁されていた時の状況を話し、リヴィジョンズに連れ去られた人々が彼らの祖先である可能性が高まる
・手真輪が大介と話し、彼の態度や話から不信感を募らせて去る
・大介が矢沢悠美子に抱きつかれるがパペットに乗った慶作がやってくる
・大介が慶作と共にパペットに乗り、独断でリヴィジョンズの拠点を見つけるためにローラーをかける
・大介の前に謎のリヴィジョンズが現れる
・チハルたちが大介と対峙するリヴィジョンズを見て、ゲシュペンストと名付ける
・ゲシュペンストが大介に謎のメッセージを送る
・大介とゲシュペンストが戦闘になり、街を破壊してしまいパペットも破損する
・パペットに乗った凱の砲撃によってゲシュペンストがその場から消える
・大介と慶作が留置所に入れられる
・手真輪が大介の元に訪れ、自分に「ストリング・パペットに乗って」と言って欲しいと告げる
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