021−B――revisions リヴィジョンズ 第7〜12話(アニメ)

Case07「真夜中の狂詩曲」

 前回の謎の敵――ゲシュペンストとの戦闘によって幕を閉じましたが、今回は一転して序盤に大介による回想という形でのダイジェストが入ったりと落ち着いたパート。しかし、なんの援助もなく心もとない状況でやっていくしかない渋谷難民の心情が色濃く描かれているのが印象的でした。

 そこから次話に続くオペレーション・ネフィリムへの事前準備やそこに至るまでの大介たちとミロの間に生まれる不信感やそこから発展した葛藤も書かれており、戦闘がないぶん、人間ドラマが色濃く描かれている回になっていました。


Case08「オペレーション・ネフィリム」

 前話は少し緩くも人間同士のギスギスとした関係性が描かれていましたが、今回はいままで一行に動きのなかった人質救出作戦と渋谷帰還のための作戦が展開されます。

 ミロとも合流し、2チームに分かれて順調に作戦を進める大介たちの前に現れたニコラスの圧倒的な力に屈し、目の前で母親を殺されるという境遇を背負うこととなった慶作がチハルを殺したことでなにがどうなったのかが非常に気になる回でした。

 今回は非常にシンプルでほぼ大介たちの動向のみが展開されていきますが、的を絞っているぶん少しあっさり物語が展開しすぎな気もします。


Case09「消失の運命」

 前話で衝撃的な慶作の退場で物語は幕を閉じましたが、今回はその作戦――オペレーション・ネフィリムの失敗による波紋が渋谷難民たちの心を揺さぶります。

 いままで衝突はありながらもなんとかまとまってきた渋谷難民たちの一部が反乱を起こすといういかにも海外ドラマにありそうな裏切りとアクションでしたが、「みんなを守りたい」という欲求と慶作を守れなかったという現実に打ちのめされる大介がその場から抜け出すまでの成長が描かれていますし、渋谷難民たちの緊張や事態が思い通りに進まない憤りなどがシーンの端々から伝わってきました。


Case10「みんなの街」

 前回が人間同士の静のサスペンスだったのに対し、今回は動のアクションといった雰囲気の回。

 オペレーション・ネフィリムによってそれなりの被害を受けたリヴィジョンズの猛攻を電池残量の限られたパペットで奮戦する大介たちの姿が描かれますが、そこをメインとしながらもリーダーであった黒岩署長を失った対策本部の指揮系統や渋谷市民の結託による避難指示、そしてゲシュペンストの正体など、非常に複雑なサブ的ストーリーや情報が絡みあって非常に見応えのある回でした。

 それ故にもし複雑なサブストーリーなどを抜いた状態で映像化すれば、前半葛藤、後半戦闘というあまりにもわかりやすすぎる構図になったでしょうから海外ドラマのような目まぐるしい展開も入れつつ、よく頑張ってるなぁと思いました(笑


Case11「最後の希望」

 前話で渋谷防衛に成功するもパペットが使えない状態となり、黒岩署長死去やミロの時間跳躍など、主要人物を失った渋谷の人々が苦悩しながらも足掻く姿が描かれます。

 パペットによる渋谷防衛ができなくなった大介たちが市民の怒りの矢面に立たされるなど、非常に人間の負の面や本性が出ていましたし、その分協力しパペットを動かせる電気を集めた渋谷の人々の結束が輝いて見えました。

 そして慶作や黒岩署長の死を乗り越えた大介もいままでのような傍若無人さよりも、なにかのために一生懸命になる主人公らしさとも言える素質が出てくるようになって主人公の成長物語としてもかなり完成されてきていました。このままラスボスであり、新たな力を手に入れたニコラスとどのような決着を迎えるのか、非常に楽しみです。


Case12「revert」

 今回は前話でニコラスを追って時間の外へ出た大介が自分たちの転機となった2010年にやってきます。

 大介たちの記憶がバラバラだったことなど、いままで放置されていたような伏線が次々と回収されていきますが、お話としては非常にシンプルでわかりやすく、「慶作を助けたい」という思いながら慶作とニコラスが切り離せない存在となっていることによって解決策を見つけられないままニコラスとの戦闘に入るという形でそのまま決着し、ラストの結末からエンディングという流れ。エンディング後の映像でもまるで二期があるかのようなラストでしたが、今後この物語がどのように展開するのか、非常に興味深いです。

 さて、これで全話見終わったわけですが一言言うなら海外ドラマの総集編みたいでしたね。今回は全12話という形でしたが、時間経過がところどころ飛び飛びな部分もあったのでそういったところで繰り広げられていたであろう渋谷市民たちの不安な日常や大介たちの気の抜けた部分なども見たかったので、全25話とかの海外ドラマのサイズで見たかったですね。



ストーリーライン(後編)

・大介のこれまでの回想(Case07〜)

・大介より先に慶作が牢屋から出る

・黒岩署長が会議の場で秘匿していたリヴィジョンズの正体、パペットが大介達にしか動かせない理由、渋谷転送に対するアーヴの対処などを明かす

・始末書を書けない大介が幹夫と泉海に叱られる

・手真輪とミロが自身の家族事情を明かす

・パペットがシビリアンの残骸から作られていたことが明かされる

・大介の元にニコラスが現れ、大介に「仲間にならないか」と誘い、もうすぐ過去の渋谷に帰れなくなることを明かす

・黒岩署長がS.D.Sメンバー全員を集め、リヴィジョンズの本拠地へと潜入することを提案する

・凱が大介を作戦に参加させないことを条件にしようとするがS.D.Sメンバーの多数決によって大介の作戦参加が決まる。

・黒岩署長が大介たちをリヴィジョンズの本拠地に向かわせたことをミロに報告し、その上で彼らを守ってほしいと告げる

・ミロが大介たちに合流したことが黒岩署長に知らされる(Case08〜)

・幹夫が敵の研究を手伝いたいと黒岩署長に申し出る

・ミロが部隊を量子脳探索と人質を探す二つに編成する。

・大介たちが円陣を組み、互いの気持ちを言葉にしてからリヴィジョンズの本拠地に潜入し、オペレーション・ネフィリムが開始される

・ニコラスが大介たちの元に向かう

・大介たちが誘拐されていた人々を発見するが、慶作の母親を見つけられず、大介と慶作がさらに奥へと進む

・大介と慶作の前にニコラスの本体が現れ、目の前で慶作の母親を殺す

・慶作が逃げたニコラスの本体を追う

・凱、露、ミロたちが敵の誘いに乗り、人工量子脳を見つけるが、ニコラスの本体に攻撃を阻まれ、チハル・イスルギが量子脳を持った肉体を手に入れる

・ニコラスを追ってきた慶作が現れ、その攻撃によって、チハル・イスルギの肉体が破損する

・チハル・イスルギを殺害した慶作が光に飲まれて消える

・大介たちがリヴィジョンズの本拠地から撤退する

・ニコラスが慶作の消えた場所で謎の玉を見つけ、次に自分が生身の肉体で2010年に飛び、渋谷を未来に固定すると告げる(Case09〜)

・慶作の消失によってアーヴの未来予測が白紙となり、ミロが現状維持を言い渡される

・愛鈴が慶作が消えたことを知って大介たちに詰め寄り、ミロが慶作が時空の狭間に飛ばされたのではと告げる

・オペレーション・ネフィリムの失敗によって、対策本部内でも意見が分かれる

・牟田区長を支持する一派が反乱を起こし、泉巡査と露が誘拐され牟田区長が檻から出る

・大介たちに牟田区長たちの動きが伝えられるが大介が怖気づく

・凱がパペットで牟田区長たちの潜伏する学校へ赴き、通信で愛鈴たちに状況を伝える

・大介が救出作戦参加を申し出て泉巡査を助ける

・牟田区長から連絡を受けたニコラスが学校へやってくるが、黒岩署長たちが突入し、交渉を阻止する

・大介がウイルスサンプルを託して自分たちを過去に戻してほしいとニコラスに告げるが拒否する

・ニコラスが交渉を拒否した経緯を明かし、大介たちの前から消える

・事態を変えようとした牟田区長が銃を発砲し、黒岩署長が牟田区長を射殺するが、黒岩署長も致命傷を受ける

・黒岩署長がS・D・Sメンバーたちに声をかけ、死亡する


第2プロットポイント

・ムキュー・イスルギが無差別捕獲をすると渋谷の人々に告げる


フェーズ3

・ムキュー・イスルギの無差別捕獲宣言がS・D・Sメンバーたちに伝えられる(Case10〜)

・ミロが時間跳躍が近いことを大介たちに告げる

・大介たちがリヴィジョンズと戦う準備をしようとするがパペットの電力が残り少ないと告げられる

・凱と大介がこの状況に絶望しかけるが、露の言葉に立ち直る

・渋谷の人々が結託し、渋谷防衛のための作戦を進める

・ミロが渋谷防衛のためにミロと人々を囮にしての作戦を提案する

・人々の地下街避難が着々と進む

・ミロがみんなと別れを告げる

・大介がミロからパペットのインターフェースがミロの姉をモデルにしていることを告げられ、過去の大介に言葉を伝えるべきかと聞かれるが伝えて欲しいと告げ、出撃する

・渋谷防衛作戦が開始される

・大介たちが数の多さに圧倒され始めるが、ゲシュペンストが現れる

・ニコラスが謎の玉――虚無の結晶と融合し、時間の外に出ると告げる

・大介とゲシュペンストが戦闘になる

・シビリアンが地下に人々がいることに気づき、愛鈴が生身で攻撃を仕掛ける

・ゲシュペンストがシビリアンに襲われていた愛鈴を守る

・大介がゲシュペンストの正体が慶作だと気づく

・ゲシュペンストが大介たちの前から消える

・パペットが電力不足で機能停止に陥るも、なんとか渋谷を守りきる

・ミロの過去でのミッションが慶作の抹殺であることが明かされる

・大介がミロのバイクを回収する(第Case11〜)

・大介が慶作の救出を考え、凱たちと話し合う

・対策本部の面々が今後の方針を話しあう

・大介たちがミロのバイクに残された録音を聞き、ミロの任務が慶作の抹殺であることを知る

・パペットなしでS・D・Sと警察がシビリアンと戦う

・市民に暴行されていた大介が凱が助けられ、自身の思い打ち明ける

・大介と凱の前に堂嶋幹夫が現れ、パペットを再起動させると告げる

・渋谷の人々の協力によってキューブへの充電方法が見つかり、S・D・Sメンバーが再び量子脳の破壊を計画する

・大介が単身での人工量子脳破壊のためにリヴィジョンズの本拠地に乗り込む

・同時に渋谷に多数のシビリアンが押し寄せるがパペットに乗った凱が迎撃する

・ニコラスが大介の前で虚無の結晶と共に慶作とパペットを取り込んで生身の姿を得る

・大介がニコラスとの戦闘に入る

・ニコラスが人工量子脳とムキュー・イスルギの本体を攻撃し、渋谷が元の時代に戻ろうとする

・ニコラス自身がどこの時代にも存在できる超高次元存在となったと告げ、大介に本来慶作がパペット主力であり、大介はバックアップ要員として認識されていたと語る

・大介が別の時間に飛ぼうとしたニコラスを追う

・渋谷が現代へと帰還する(Case12〜)

・渋谷の人々が現代への帰還に歓喜する

・凱たちの前に慶作が現れ、7年前の誘拐事件で死んだと告げる

・大介が2010年の誘拐事件の日にやってきて、幼い大介たちに会う

・大介が幼い凱たちと共に慶作のいる誘拐現場へと赴く途中で露に「大介を信じてやってくれ」と告げる

・大介が慶作を殺めようとしたミロを阻止する

・大介たちの前にニコラス現れ、幼い大介を人質にする

・大介が幼い慶作をニコラスに差し出すが、ニコラスが幼い大介を殺そうとする

・ミロの協力によって幼い大介と慶作を奪還し、大介が慶作を射殺する

・ニコラスがゲシュペンストとして復活し時間の外で戦うことを大介に求める

・大介がミロと2017年で会おうと約束し、ニコラスの用意したパペットの乗り時間の外へ行く

・ミロが幼い大介たちに運命の言葉を告げる

・大介が時間の外にてニコラスと戦い、勝利する

・大介が戻れないことを覚悟するが、慶作や凱たちの力で生還する

・慶作とニコラスが時間の外で共に消滅する

・大介たちが生還してからの姿が描かれ、慶作とミロに再び出会うことを誓って歩き出す

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