009――仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER(特撮映画)

あらすじ

 2018年のある日、突如として現れたアナザーデンライナーから逃亡する少年、シンゴ。そんな彼を追う怪人、アナザーダブルの前に二つの影――仮面ライダービルド=桐生戦兎と仮面ライダークローズ=万丈龍我が立ちはだかる。

 一方同じ頃、仮面ライダージオウ=常盤ソウゴと仮面ライダーゲイツ=明光院ゲイツはアナザー電王と戦っていた。突然の敵に戸惑いつつも見事な連携でアナザー電王を退けるソウゴたちだったが、一緒にいたツクヨミが突然記憶を失う。それを機に自宅やゲイツなどソウゴの知る人や世界がどんどんと塗り替えられていく。その中でソウゴはツクヨミを知る高校生アタルの存在を知り、彼を追う。アナザーダブルからシンゴを守った戦兎も彼を追うなかですべての事件の黒幕であるスーパータイムジャッカーのティードに出会い、事件へと足を踏み入れていく。そして合流したソウゴと戦兎にアタルから真実が告げられる。この世界で仮面ライダーは虚構の存在であり、現実には存在しないということを……。



概要

 平成仮面ライダーの集大成であり平成最後の祭り。

 脚本は放送中の『仮面ライダージオウ』でメインライターを務める下山健人。脚本監修は『仮面ライダー龍騎』や『仮面ライダーオーズ』などを担当した小林靖子。

 監督は『仮面ライダー龍騎』から助監督として参加し、『仮面ライダーフォーゼ』で監督デビューを果たした山口恭平。

 そして今作では仮面ライダービルドのメインキャラに加えて、オリジナルイマジン、フータロスの声に『クライマーズ・ハイ』や『半沢直樹』に出演した滝藤賢一。ラスボスであるティードに『クローズZERO』『曇天に笑う』に出演した大東駿介。さらにサプライズゲストとして仮面ライダー電王/野上良太郎役で『るろうに剣心』『いぬやしき』など、活躍めざましい佐藤健と祭りにふさわしい総出演になっている。


 最新ライダーと過去ライダーが共演する平成ジェネレーションシリーズは前作のFINALで最後だと言われていたが、最後の平成に大玉が来たものである。

 ストーリーとしてはゲスト、特にアタルにフォーカスが当てられており、彼の仮面ライダーは虚構という認識から、誰かが覚えていれば仮面ライダーはそこにいるという認識の変化が物語の転換点にも関わってくる。またアタルが自分の弟だと知り、身を呈して守るシンゴや目の前で兄を攫われそうになるアタルの行動など転換点となるシーンでの登場人物たちの描写が結構強く描かれていた。

 逆にソウゴや戦兎などレギュラーメンバーの心理描写などは抑えめで自分たちが虚構の存在だと言われた時とラストの反応くらいであとは状況に流されながら小さな選択をしていくという形だった。


 ストーリーの作り込みはゲストの葛藤や行動メインで内容(ラストは特に)平成全ライダー集結のお祭り要素強めという感じだった。

 予告編やポスターなどからクウガ、電王、ダブルの3ライダーがフィーチャーされていたが、クウガはラスボスの力として、電王は最後まで隠されていた佐藤健のゲスト出演が、ダブルに関しては序盤にライドウォッチを風麺のマスターから手渡されるという唐突な展開という形で出てきていた。

 しかしウォズが星の本棚からイマジンについて検索をかける演出があったり、登場の際にアンクのタカメダルに触れるオーズ、アギトや龍騎、ディケイドやエグゼイドなどの一部ライダーで本人が声を当てていたりと仮面ライダー愛に溢れている映画ではありました。


 ただ……ただ個人的にアナザークウガのおかげでラストが半ば怪獣映画と化していたので個人的にはアナザークウガの怪人態をジオウのクウガアーマーとクウガのダブルマイティキックで倒すシーンが欲しかったッ!(笑)



ストーリーライン

フェーズ1

 ・なぜか仮面ライダーとしての記憶を失ったソウゴにタイムマジーンに乗ったゲイツとツクヨミが接触する

 ・ゲイツのタイムマジーンとアナザーデンライナーが衝突。アナザーデンライナーが不時着する

 ・シンゴがアナザーデンライナーから逃げ出す

 ・アナザー電王がソウゴに襲いかかる

 ・戦兎と龍我がシンゴと出会い、直後、彼を追ってきたアナザーダブルと戦う

 ・ライダーとしての記憶を取り戻したソウゴがジオウに変身。ゲイツとともにアナザー電王に挑み、撤退させる

 ・ツクヨミが記憶を失い、ソウゴとゲイツがともに学校に向かう

 ・アナザーダブルに苦戦するビルドとクローズだが、グリスとローグの加勢によってアナザーダブルを撤退させることに成功する

 ・追われていたシンゴを見失ってしまい、氷室幻徳が仮面ライダーとしての記憶を失う

 ・学校内でツクヨミの行動を監視している際に久永アタルが彼女に接触し、ソウゴがアタルの監視をすることとなる

 ・シンゴを見つけた戦兎の前にティードが現れ、シンゴを逃すことに成功した戦兎が洗脳される

 ・ツクヨミを尾行していたゲイツが時計屋であるクジゴジ堂がカフェ、モジモジ堂になっているのを目撃する

 ・ソウゴがアタルと接触し、共に風麺を食べるがそこにシンゴとアナザーダブルが現れる

 ・アナザーダブル撤退直後、ソウゴが風麺のマスターからダブルライドウォッチを託される

 ・ソウゴがアタルとシンゴを連れてクジゴジ堂に向かうが、店がモジモジ堂になっていることとゲイツが記憶を失っていることを知る

 ・ソウゴがシンゴを探していた龍我と一海に出会った直後、戦兎のバイクが現れる

 ・龍我/クローズとソウゴ/ジオウがティードに接触するが、洗脳された戦兎/ビルドがそれを阻む

 ・アタルとシンゴを託された一海の前にアナザーダブルが現れ、交戦するが、加勢したアナザー電王によってグリスが戦闘不能に陥る

 ・アタルを助けるためにシンゴが自らアナザーダブルたちについていく

 ・アナザー電王の正体がアタルであることが明かされる

 ・ビルドがクローズとジオウをピンチに追いやるが実は洗脳されたフリであることが明かされ、ティードが撤退する


第1プロットポイント

 ・ソウゴと戦兎がアタルの家を訪れ、彼から兄が自分が産まれる直前に行方不明になったこと、アタルの世界では仮面ライダーは虚構の存在であり、現状はアタルと契約したイマジンの力で現界していることが明かされる


フェーズ2

 ・シンゴを得たティードによって街に謎の塔と無数の怪人たちが現れる

 ・戦兎とソウゴが囚われたシンゴを救おうと変身し、怪人集団に挑む

 ・アタルが怪人集団に襲われ、契約を完了としたイマジン――フータロスに助けられ、フータロスが過去に飛ぶ

 ・フータロスの力により、留まっていたジオウたちライダーが一斉に消え去る

 ・元の世界で目覚めたソウゴの元に戦兎がやってきてシンゴがアタルの行方不明になった兄であると告げる

 ・ソウゴが再びアタルの世界に戻ることを決意。アタルの世界で受け取ったダブルライドウォッチを使う

 ・アタルの世界に戻ったソウゴの前でウォズがアタルにライダーチケットをかざし、フータロスが2000年1月29日に飛んだことが明かされる

 ・ソウゴがアタルを連れて2000年1月29日に飛ぶ

 ・2000年1月29日にアナザーダブルに攫われそうなっていたシンゴをフータロスとソウゴが助けようとする

 ・アタルがアナザーウォッチを入れられ、アナザー電王となる

 ・同じ頃、ティードが九郎ヶ岳の遺跡に埋葬されていたクウガの力を奪いクウガのアナザーウォッチを生成する

 ・ゲイツがティードを邪魔しようとするが自らアナザーウォッチを埋め込み、アナザークウガとなったティードに圧倒される

 ・タイムマジーンでアナザーデンライナーを追っていたソウゴをアナザークウガが妨害し、タイムマジーンが故障し、ティードたちが2018年に赴く

 ・2018年のティードの元に戦兎と龍我が現れ、彼の計画を阻止しようとし、アナザーダブルと怪人集団と戦闘になる

 ・ソウゴたちがデンライナーの力を借りつつも応急処置をした2機のタイムマジーンで2018年に帰還する

 ・ソウゴとゲイツ、フータロスたちがティードの前に立ちはだかるが、変身を妨害され、逆に窮地に陥る

 ・ソウゴたちが突然ティードの前から消え、時の狭間の空間に招かれる

 ・時の狭間の空間でアナザー電王が仮面ライダー電王によって倒される

 ・仮面ライダー電王/野上良太郎がソウゴたちをティードのいる塔に返す


第2プロットポイント

 ・アタルの世界で次々に平成仮面ライダーが現れ、怪人集団を倒していく


フェーズ3

 ・ジオウがアナザーダブルと戦っていたビルドたちの元に現れ、ダブルアーマーに変身。アナザーダブルを倒す

 ・ティードがアナザークウガに変身し、街の人たちを逃すジオウとゲイツに襲いかかる

 ・ビルドが故障していたゲイツのタイムマジーンを使って加勢する

 ・自らもタイムマジーンを使おうとしたジオウにゲイツが過去で生成したクウガライドウォッチを託される

 ・ジオウがタイムマジーンのクウガモードでアナザークウガに挑み、ビルドとの共闘で倒す

 ・ティードがシンゴを取り込むことでアナザーアルティメットクウガになり、街を蹂躙する

 ・アナザーアルティメットクウガに挑むジオウとビルドの元に平成ライダーが集結する

 ・アナザーアルティメットクウガを平成仮面ライダーが倒す

 ・シンゴが元の時代に帰還する

 ・ソウゴたちが元の自分たちの世界へと帰還する

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