004−A――少女☆歌劇 レヴュースタァライト 第1〜6話(アニメ)

あらすじ

 愛城華恋は100年の歴史を持つ由緒正しい聖翔音楽学園に通う高校生。ルームメイトの露崎まひる。学級委員長の星見純那とルームメイトの大場なな。日本舞踊の家元の孫娘である花柳香子にその幼馴染の石動双葉。そして首席の天道真矢と二番手の西條クロディーヌなど、仲間と共に切磋琢磨しながら舞台女優を目指して日々厳しい練習を行っていた。ある日、華恋のクラスにイギリスの王立演劇学院からの転入生で、かつてともにトップスタァになろうと約束をした幼馴染――神楽ひかりがやってくる。ひかりがやってきたことに喜ぶ華恋だったが、ひかりのほうは妙に素っ気ない反応を見せる。ひかりがやってきて数日。彼女はイギリスでのレッスンで培われた演技力を見せつけ、完全にクラスに馴染んでいた。ある夕方、そんなひかりが制服姿で学校へ向かう姿を目撃した華恋は彼女の後をこっそりついていく。行き着いたのは学校の地下に設けられた秘密の舞台。そこで目にしたのは学級委員長の星見純那とひかりが戦う姿だった。謎のキリンからトップスタァをめぐるオーディションを聞かされ、きらめきの足りない人間はお呼びではないと一蹴される華恋だったが、かつてのひかりとの約束を胸に彼女は舞台に飛び入り参加し、トップスタァをめぐる戦いへと足を踏み入れていく。



概要(前編)

 舞台の主役を勝ち取るために仲間たちとしのぎを削る少女たちの姿を描いたアニメーション作品。


 監督は古川知宏。アニメーション制作は『CØDE:BREAKER』や『ゆゆ式』のキネマシトラスが務める。


 実は今作、TV放送時は観ていなかった作品なのだが、Twitterで散々「仮面ライダー龍騎じゃん!」と騒がれていて、少し気になっていた作品ではあった。そしてちょうどタイミングよく2018年の10月29日から11月11日までYouTubeにて全話無料配信が行われていたので視聴させてもらった。


 見てみて思ったのは確かにモチーフやキャラクターの設定などは違えど、自身の夢や願いのために他人と戦うという面においては非常に『仮面ライダー龍騎』に酷似している作品ではあった。

 これからそんな作品の細かい部分を述べていくわけだが、今回は初のアニメーション作品ということで、各話を扱って全てを述べていくには流石に長いので前編、後編に分けてお送りする。


 まずは第1話と第2話。全体から見ればここは導入シーンに当たる場面だが、この2話を使って「幼馴染と共に主役として舞台に立つことを夢見る主人公が、秘密のオーディションに飛び入りで参加し、クラスメイトたちトップスタァの座を歌って踊って奪い合う話」というログラインが明示される。同時にサブのエピソードとして華恋と戦った純那のキャラクターが深く掘り下げられている。この掘り下げの仕方というのが舞台装置を使って演出されるというこの作品独自のものになっているのがオリジナリティを出している。


 第3話では華恋とひかり、真矢とクロディーヌに視点が当てられている。特にひかりとクロディーヌが華恋や真矢に抱いている複雑な心境が見え隠れしており、特にひかりは華恋と真矢が戦い、華恋が敗北したことでその思いが噴出しているのがわかる。


 続く第4話では華恋とひかりの主役二人にフォーカスの絞られた回。かつての華恋とひかりの約束を交えながら、互いに目的を新たにする二人が描かれる。オーディションによる戦いのない回だが、その分キャラクターの掘り下げに割かれており、華恋とひかり以外にも真矢とクロディーヌ、香子と双葉といった具合にメンバーたちの関係性の変化を合間に挿入されている。


 第5話は華恋ルームメイトであるまひるが主人公のお話。一年生時のスタァライトで華恋の存在に救われ、彼女に依存するようになったまひるの思いが熱烈に表現されています。この回に関しては一話でのひかりの登場からすでに匂わせるような描写などがあったのですが、それら伏線を回収しつつ、前話でひかりと約束を再確認し合い、気持ちを新たに授業に励むようになった華恋の姿をきっかけとして思いが暴走したまひるの思いが舞台上で奇天烈ながらも熱く表現され、そこに観客が感情移入できるように作られていましたし、その中でもブレずに戦う華恋の姿も印象深いです。


 第6話はインターバル回ともいえる香子と双葉回。4話でトップスタァとして舞台への気持ちを新たにした華恋に触発されたようにクロディーヌと個人レッスンを行う双葉を香子が目撃したことから始まる展開は、まさに痴話喧嘩という言葉が一番適切に当てはまります。そしてここでも幼馴染同士、互いにした約束が見え隠れする形で互いの心情が表現され、そして最後、双葉と香子が戦うシーンでその思いがぶつかり合います。余談ですが、この時の舞台の装いが和風なものに代わっていたのは香子が日本舞踊の家元出身というキャラクターが反映されていましたね。




ストーリーライン


第1話「舞台少女」

フェーズ1(設定)

 ・聖翔音楽学園での華恋の日常や授業風景(舞台設定の説明)


第1プロットポイント

 ・ひかりが華恋のクラスに転入してくる


フェーズ2(対立・衝突)

 ・華恋とまひるがひかりを寮に案内する

 ・ひかりが授業で目覚ましい実力を見せる

 ・ある日の夕方、寮から出ていくひかりを目撃し、学校まで追いかけ、ひかりと純那のオーディションを見る華恋


第2プロットポイント

 ・キリンからオーディションのルールを聞かされ、「あなたはお呼びではない」言われる華恋


フェーズ3

 ・二人のオーディションに飛び入り参加し、純那に勝利する華恋



第2話「運命の舞台」

フェーズ1(設定)

 ・朝のトレーニングを行う純那

 ・華恋とまひるに一緒に住むと告げるひかり

 ・登校時、純那に敵対意思を向けられる華恋

 ・華恋をオーディションから下ろすようにキリンに言うひかり


第1プロットポイント

 ・真矢と西條に向けられる羨望の声に怒る純那


フェーズ2(対立・衝突)

 ・「邪魔をするな」と華恋に敵意を向けた純那が過労により倒れる

 ・放課後、華恋を呼び出しオーディションに参加しないよう告げるひかりだが、ひかりと一緒の舞台に立つためにやめないことを告げる華恋

 ・保健室で目覚めた純那がスターになることを諦められないという本音を語る


第2プロットポイント

 ・華恋と純那がオーディションで再び戦う


フェーズ3

 ・オーディションの中で純那の思いが演出とともに表現される(真矢クロディーヌのオーディションが挿入される)

 ・華恋が純那に勝利する

 ・仲直りする華恋と純那

 ・オーディションでクロディーヌに勝利する真矢



第3話「トップスタァ」

フェーズ1(設定)

 ・去年の第99回スタァライトの上演風景

 ・ホーム―ルーム前の教室で「じゅんじゅん」「華恋」と互いに親密に呼び合う華恋と純那

 ・第100回聖翔祭の企画書が華恋たちに渡される


第1プロットポイント

 ・なながB組と一緒に裏方仕事をすることが担任から告げられる


フェーズ2(対立・衝突)

 ・クロディーヌが遅刻してきて真矢との会話に違和感を覚える双葉

 ・夕方、ひかりに楽屋倉庫に閉じ込められる華恋

 ・一人練習するクロディーヌの前に現れ、さりげなく彼女を応援する双葉

 ・香子と一緒に風呂に入るまひる


第2プロットポイント

 ・オーディション三日目が始まる


フェーズ3

 ・倉庫から逃走し、オーディションに向かう華恋

 ・真矢と戦うこととなる華恋(クロディーヌと戦う双葉が挿入される)

 ・真矢に敗北する華恋

 ・雨の中、ひかりと向き合い敗北したことを告げる華恋



第4話「約束タワー」

フェーズ1(設定)

 ・突然寮から消えたひかりを華恋が探し回り、彼女からのヒントを元に街へと出る


第1プロットポイント

 ・送られてくる写真を頼りに水族館を探し回ったあと再び電話し繋がる


フェーズ2(対立・衝突)

 ・双葉と香子が学校で話す

 ・共に見た「スタァライト」から再会するまでを心情を交えながら語り合う

 ・東京タワーで再会する二人

 ・自主練するクロディーヌとそこに割って入る真矢


第2プロットポイント

 ・舞台に立つために負けないことを誓い、二人で勝ち抜こうとひかりにいう華恋


フェーズ3

 ・全員で協力し担任のチェックをひかりと華恋がいないことをごまかす

 ・翌日の早朝、ひかりと華恋が帰ってくる

 ・ひかりと華恋の朝帰り担任にバレる



第5話「キラめきのありか」

フェーズ1(設定)

 ・第99回の「スタァライト」で華恋の優しさに触れるまひる

 ・朝早く起きて自主練を始め、真矢に「追いつくからね」と宣戦布告する華恋

 ・練習に真剣に打ち込む華恋


第1プロットポイント

 ・人が変わったように輝く華恋とひかりたちに暗い顔をするまひる


フェーズ2(対立・衝突)

 ・まひるの祖母から荷物が届き、手紙と学園入学前にTVで取り上げられた際の映像を見る

 ・第100回「スタァライト」の配役を話すB組の生徒とななの会話を聞いてしまうまひる

 ・華恋の枕に顔を埋めているところをひかりに見られる

 ・まひるが「私のきらめき(華恋)奪わないで」とひかりに心の内を吐露する

 ・オーディション四日目が告げられ、華恋とまひるが戦うこととなる

 ・まひるが華恋への思いを舞台で表現する

 ・真矢と双葉、純那と香子、クロディーヌとひかりの戦いにまひると華恋が登場する


第2プロットポイント

 ・舞台裏でまひるの華恋に対する思い、華恋の決意を互いに語る


フェーズ3

 ・華恋がまひるには輝きがあると言い、彼女から勝利を勝ち取る

 ・まひるの祖母から頂いたじゃがいもでパーティーが開かれ、インタビューの続きを見てまひるがかつてのきらめきを思い出す



第6話「ふたりの花道」

フェーズ1(設定)

 ・幼いころの香子と双葉

 ・オーディションにて互いに武器を構える香子と双葉

 ・聖翔祭の配役オーディションから外されB組に直談判するも、突き放される香子


第1プロットポイント

 ・クロディーヌと双葉の特訓を見て、怒るも突き放されケンカする香子(双葉がクロディーヌのところに転がり込む)


フェーズ2(対立・衝突)

 ・オーディションで次々と負けを重ね、双葉の気を引くために学校をやめると言い出す香子

 ・中学時代、香子に誘われて同じ高校に入ったことを思い出す双葉

 ・香子が学校を離れる(真矢の言葉に思うところを感じる)

 ・新幹線乗り場でケンカする香子と双葉


第2プロットポイント

 ・オーディション五日目が開催され、香子と双葉が戦う


フェーズ3

 ・過去にした約束のために頑張ってきたことを打ち明ける双葉

 ・香子が双葉から勝利を勝ち取る

 ・香子が学校の日常に戻る

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