第7話
2人で戸惑いながら向かったホテル
部屋に入るとどうしていいかわからず、落ち着きのない私を遼くんはそっと抱きしめ、髪を撫でながら言った
「愛美だけが緊張してるんじゃないから」
遼くんの声は魔法の声
いつも、どんな時も胸の奥があったかぁーくなるの
見上げると同時に唇が重ねられた
いつもとは違うキス
後頭部に手を回して何度も角度を変えながら、彼の舌が口内で暴れて、頭がふわっとする。
立っているのがやっとで遼くんの背中のシャツをぐしゃっと掴んだ
「ごめん、俺、焦ってるよな」
脇の下に通された腕に体を預けると軽々と抱き上げられ、ベッドにおろされた
「愛美、さっきから、何も言わないけど...怖い?」
「うううん、怖くないよ。大丈夫、遼くんなら...」
しっかりと目を見て答えると遼くんは長い指で私の前髪をよけて額にチュッとした
どんどん身体に触れていく彼の手が何処へ進んでいくのか、わからないのに、不安じゃなかった
むしろ、もっと...って思う
その度に体の中心が熱くなる
「ンンっ、遼...くん」
「愛美.........」
どこに触れても柔らかくて、
鼻から抜けるような今まで聞いたことのない愛美の声はすごい破壊力で気持ちも身体も抑えが効かなくなる
太腿からゆっくりとその先に触れると
ビクッとして俺の腕を掴む
「やっ、ダメ」
「嫌?」
「やじゃないけど...恥ずかしい」
涙目になって訴える彼女の体を起こして向き合って抱きしめた
「愛美が嫌なら、しないよ?
でも、愛美も俺のこと欲しくなってるんじゃない?だから...こんなに」
そう言って、もう一度触れるとさっきよりもすごくて
「ぁあ、ンンっ...きっと...そう...だと思う
嫌じゃないの。やめない...で」
「わかった」
再び、愛美を押し倒して跨ると彼女は自分から俺の首に手を回した
膝に手をかけて間に入ると彼女の手に一層力が込められる
「愛美、力、抜いて」
頭を抱えるようにして愛美と...
「りょ...ぅ...」
「愛美......好きだよ」
荒い呼吸で告げられた遼くんの言葉が
夢の中で聞こえているようだった
痛みなんかよりもずっとずっと幸せな気持ちの方がおっきくて、
私は顔を横に向けしっかりと握ってくれてる彼の指にキスをした
卒業式の夜、
私達はひとつ大人になった
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