第5話

遼くんと付き合い始めた


今までだって、いつも一緒にいたけど

変わったこと...

校門を出るとすぐに手を繋いだ

近くの公園で暗くなるまで話して、

時々...滑り台の下の土管の中で隠れてキスをした

遼くんの存在がどんどん、近くなって、大きくなっていった



「えー!まだ、してないのー?」


「沙紀、声おっきいって。

キス...はしたよっ!」


「何、そのドヤ顔?

だから、その先よー

おかしいおかしい、

あんた達、遼と愛美=天然記念物って、広辞苑にのるよー」


「の、のるの?」


「バカ、のるかっ」


「そ、だよね」


「ほんっと、相変わらずだよね、2人は。

元々、友達だったんだし、もうお互いよくわかってんでしょ?だったら...

まぁ、仲良くやってるんなら、いいけど

遼もどう思ってるんだろね」


「遼くんはいっつも優しいよ

紗希も律くんと...?」


「そりゃあね、まぁ」


「なぁーに?自分のことになると急に声ちっさくなるね、クスクス」


「うるさいなぁー。

そう言えば、愛美って、遼のこと、律のこともだけど君付けで呼ぶんだね」


「だって、彼氏でもないのに呼び捨ては...」


「遼、彼氏じゃん」


「あっ、そっか 遼

彼氏...か」


「そんなんで、照れてんの?

はぁーやっぱり天然記念物だわ」




ママの18歳の願い事通り、遼くんに気持ちを伝えた私は優しい彼との時間がとても幸せでこれ以上のものを求めることはなかった


そんな日々もあっという間に過ぎ、

私達は思い出のこの学校と別れの時が近付いてた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る