第4話

週末、4人で遊園地に出かけた


沙紀は行く前から今日こそ、遼くんに気持ち伝えなよって私を急かしてた


わかってる、わかってるんだけど


日が暮れ始めた頃

気が付くと遼くんと2人


いつもニコニコしてる彼がさっきから、

難しい顔してる


私といても面白くないのかな

急に不安になってきた


「愛美?

どうしたの?元気ないよ?」


「遼くん、どうして?どうしていっつも、私のことわかっちゃうの?

いっつも、そうやって、心配してくれる」


「どうしてって。

それは...愛美のこと好きだからに決まってんじゃん」


「遼くん...私のこと...好き...なの?」


「そうだよっ」


不貞腐れた顔で言うとぷいとよそを向いてしまった


私は勇気を出して言った


「ねぇ、遼くん、こっち..向いて?」


「え?うん」


「私もちゃんと伝えようと思ってた。

先に言われちゃった」


「愛美?」


「私も...遼くんのこと、好きだよ」


何も言わず照れくさそうに笑った彼がそっと私の手を握った


「じゃ、愛美は俺の彼女?」


「うん」


ぎゅっと握り返して答えるといつもの優しい笑顔が眩しかった



「遼くん...っで、紗希達どこ行ったのかなぁ?」


「さぁーなぁ.....

あっ、夕焼けすっげぇ綺麗じゃん

愛美、観覧車乗ろ!」


「もっ、遼くん、聞いてるの?

あの2人...」


「いいのいいの、あいつらは」



観覧車に乗ると遼くんが急に黙ってしまった


何か喋ってよって思ったけど、そんなこと言う余裕もなくて...。


日が沈んでしまうと

遼くんがゆっくりと私の横に座りなおした

ガタンと観覧車が傾いた


「きゃ」


「ごめん。でもさ、普通こうしない?」



遼くんが静かに近付いていくるとふわっと何かに包まれてる感覚になる


ゆっくり重ねられた唇がすぐに離れて、一瞬目を開けると

じっと見つめる彼の目は何も言わなくても、もっとと言ってるようで

再び瞼を閉じた


肩に置いた彼の手が背中に回り、長く甘いキスが降ってくる




好きって言って

彼女になって

何度もキスをして


今日1日がジェットコースターみたいに

猛スピードで進んでいった

心がついていかなくて


でも、そんな私を包んでくれる彼の温もりの中はとっても居心地が良くて...


大好きだよ、遼くん




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る