6話-2章 恐怖の機動大砲塔!!
----------------------《2ターン目》----------------------
〈玉希 望美〉 〈須王 ヤイチ〉●
ドロシー Lv1 鬼火 Lv0
Lp 1000 Lp 1000→500
魔力2 魔力5
手札3 手札6→4→3
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---------------------《フィールド》-----------------------
〈玉希 望美〉
ドロシーLv1/100/100
《砂塵のノーマ》Lv1/攻0/防100
《追影のシェイド》Lv1/攻0/防100
〈須王 ヤイチ〉
鬼火Lv0/50/0
《機動大砲塔 マキシマム》Lv7/攻0/防600
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「《マキシマム》が出現した今…、もうお前に勝ち目はない。レアカードを召喚する暇もなく、試合終了だ」
ヤイチの言葉に応えるように、起動砲台がその砲身を望美とドロシーに向ける。
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《機動大砲塔 マキシマム》
Lv7 永続アイテム
タイプ:地,機械,建造物
●:自身をユニット扱いとしてユニットゾーンへ出す。
その攻撃力・防御力は0/600となる。
その時、以下の効果を得る。
〔●:???〕
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「アイテムが、ユニットになった??」
望美は巨大さ以上に、そのカードとしての特異性に驚いた。
別のカード扱いになる効果の存在を彼女は知らなかった。
『俗に言うアイテムユニットってやつですよ、マスター』
種類は少ないがクロユニには他の種類扱いになるカードが存在する。
ヤイチの使った《機動大砲塔マキシマム》 もその1枚であった。
「やれやれ、アイテムユニットも知らないなんてねぇ。やっぱり初心者かぁ」
ヤイチは呆れたようにそう言った。
「さぁ…、《奇跡の図面》のコストで捨てた《灼熱の報酬》の効果で、100のダメージを受ける代わりに1枚ドローさせてもらう」
そう言うと手札を1枚ドローする。
『《灼熱の報酬》はお互いに及ぶ。さあ、マスターもですよっ』
「え、あ、うん」
ドロシーに促され、望美も1枚ドローした。
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〈須王 ヤイチ〉 Lp500→400
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「このまま《マキシマム》で攻撃したいところだけど、こいつの攻撃力は0…。攻撃するための
そう言いながら、ヤイチは1枚のカードをその手に取る。
「だから…、"
そう言いながら1枚のカードをフィールドに出した。
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《写し身の鏡》
Lv2 通常アイテム
タイプ:光,闇
●:自分フィールドのユニット1体を選ぶ。
その同名のユニットを好きなだけデッキから召喚する。
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「対象はパートナーの《鬼火》…!!」
4つの鏡が宙に現れ、その鏡面に《鬼火》の姿を映す。
次の瞬間にはそれらの鏡が全て割れ、後には実体となった4体の《鬼火》が現れる。
「《鬼火》はデッキに何枚でも投入可能なカード、考えましたわね…」
望美を超える連続召喚に、巻宮や観客は感嘆する。
気が付けば、ヤイチのフィールドには6体ものユニットが並んでいた。
「さあ…、ここからさぁ!!《マキシマム》の効果、
フィールドに出現した4体の《鬼火》が全て《マキシマム》の砲身に吸い込まれる。
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《マキシマム》攻撃力0→900
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「これにより、《マキシマム》は装填した弾の数まで攻撃できる!!」
『4回連続攻撃が来るよ、マスター!!』
ドロシーの警告も終わらぬうちに、《マキシマム》の砲台が望美たちに狙いを定める。
「まさか、自分のユニットを砲弾代わりに!?」
重厚で巨大な大砲を向けられながら、予想もしない展開に望美は恐怖する。
「さあ、全てを吹き飛ばせ!!連続砲撃4連打ァッ!!」
ヤイチの宣言と共に、砲が火を噴き、ごう音が轟く。
放たれた4発の燃える砲弾が、次々と着弾する。
最初に着弾した2発で《ノ-マ》が、続いて《シェイド》が、吹き飛び消える。
『次が来るよ、マスター!!』
「お願い、《小さな献身》!!」
望美がスペルを宣言すると、小さな妖精 《シルフィード》が現れて3発目の弾丸を代わりに受け止め消える。
だが、精霊にお礼を言う間もなく、最後の砲撃が望美たちを襲う。
『「きゃぁぁっ」』
強力な一撃が望美たちを吹き飛ばし、その全身を打ち付ける。
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〈玉希 望美〉Lp1000→200
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これまでに受けたどんな攻撃よりも強力な一撃だった。
直撃を受けたドロシーは傷だらけで地に伏し、衝撃を受けた望美もまた膝をついてしまう。
「はぁ…はぁっ…」
ニューロビジョンだと分かっていても、望美は魂を裂かれるような感覚を覚えた。
「スペルカードで何とかしのいだかぁ」
ヤイチが残念そうにため息をつく。
「捨てたのは《シルフィード》か…、なら」
《献身》で望美を守ったユニットの姿を確認すると、ヤイチは手札から1枚を場に出した。
「僕は《指名手配書》を使って《オズ》を宣言!!…これで君の切り札は封じたぁ」
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《指名手配書》
Lv1 永続アイテム
●:ユニット名を1つ宣言する。
●:宣言ユニットが召喚された時、そのユニットと自身を破壊する。
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追い打ちを掛けるように宣言される、無慈悲な言葉。
それは《マキシマム》に対抗できる数少ないカードが封じられたことを意味していた。
「そして《廃品回収》。コイツは捨て山のアイテム2枚を手札に加えるレベル1スペル。これにより、捨て山から《写し身の鏡》 と《奇跡の図面》 を手札に戻す」
《写し身の鏡》が手札に戻った、つまりまた砲撃が…。
その先を考えるより先に、望美は膝に力を入れ、立ち上がる。
その横のドロシーもまた、フラフラになりながらも立ち上がる。
圧倒的に不利な状況を前に、その目は真っすぐと先を見つめていた。
「………」
そんな望美の様子に、ヤイチは少しだけ意外そうな顔をする。
運に恵まれただけの温い初心者、そう思っていた。
追いつめられても食らいつく、そんな気概があるとは微塵も考えていなかった。
………まあ、叩き潰すだけだけどね。
そんなことを考えながら、ヤイチはターンエンドの宣言をした。
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