第110話 一人称と三人称を混ぜてもいいじゃないーー文章は自分のために書こう!
いわゆる、「文章の正しい書き方」的なものありますよね。文章入門みたいな。小説なら、一人称と三人称は統一しろ、とか、論文なら、「だ・である」調か「です・ます」調を統一しろ、とか、やかましいルールが、調べると、まあたくさん出てきます。
そういうルールですけれど、いったん棚上げしましょうよ。電車の棚の上にあげて、置き忘れてきましょう。連絡が来ても、そんなもんはわたしのものじゃありません、と取りに行かない。
もちろん、賞を狙っているとか、課題で提出しなければいけないとか、あるいは、そういうものではないけれど、できるだけ多くの人に読んでもらいたいとか、こちらの意図を正しく伝えたいとか、そういう目的があるのであれば、読んでおいてもいいと思います、文章の正しい書き方。
でも、そういうのではなくて、とりあえず書きたいものがある、頭の中にあるものを形にしたいという欲求を満たしたいというなら、それをそのまま、あなたの手持ちの書き方で、書いてみたらいいんじゃないでしょうか。
いいじゃないですか、小説の中に一人称と三人称を混ぜても。それじゃ形式が整っていない、小説とは言えない、なんて他人の評価はとりあえず無視。他人の評価を気にすると、ものを書くということは、あんまり面白くなくなってしまいますよ。
文章は、他人のためではなく、自分のために書く。他人のために書かされるから形式がどうこうとかいう話になって、そこから話が始まるから、文章を書くのって、難しいしつまらないなあということになってしまうわけです。読書感想文、つまらなかったでしょ? あるいは、入試の小論文とか。
他人のために書かされた文章なんて、あんなもん、まあ、言ってみれば…………なんも思いつかないな…………まあ、たとえも思いつかないような、くだらないものですよ。あなたが書いた読書感想文や小論文、課題のレポートに、価値あると思いますか? 無いでしょ、そんなもん。
話がそれたかな、それもまたよし!
でも、わたしはとりあえず書き方を知りたいんだという人もいるかもしれないので、まあ、そういう人は別にして、その他の人はもうめちゃくちゃでも支離滅裂でもなんでもいいから、書きたいことがあったら書いてしまいましょう。それはあなただけのもの。自分から自分へと向けられたことば。それこそが正当にも価値ある文章と言えます。
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