GOLDBARG
15% 配属先
反省会が終わったあと, 僕たちは帰路についた. かなり濃い一日だった. ほとんどこっちの世界にはいなかったが.
帰り道では皇さんが僕と同じ方向に家があるようでたまたま足並みが揃った. 隣を歩きながら無言も苦痛なので, 社会人初日とは思えないような日であることに共感を求めようとしてみた. しかし, その結果は適当な相槌だけが虚しく返ってきただけだった.
「ところで、明日から配属先発表らしいけど希望なんて取られてないよね?」
『ええ。でもあれ、ピュアクラが戦略事業部とかデバクラが警備技術部とか、もう分かり切ってるわよ。』
えあそうなのと僕は寂しく小さく驚いた. 僕はいつのまにかサポートクライアントに属した思想を持っているのでおそらくそのまま研究開発部に配属されるということだろうか. また暫く無言が続き, 次に発せられた言葉は分かれ道での別れの挨拶だった.
翌日. 昨日の皇さんの話通りの展開だった. 僕は研究開発部, 皇さん八月一日さん愛葉くんは戦略事業部, 藤堂くんは警備技術部に配属された. 朝礼の
具体的な業務内容とこれからの行動指針も説明された.
①毎日ダンジョンへ行くことは可能だが前日までに申請が必要であること. ちなみに, ダンジョンへ多く足を運んだ者ほど報酬は増える.
②一人でダンジョンに潜るのは禁止行為. 他部署の社員との潜入も可.
③巡警日報はその日のうちに. 詳細を記すこと.
④各々の目的のために潜るのは構わないが, 部外者最優先のパトロール業務だということを忘れてはならない.
⑤ダンジョンへ潜らない日の方がもちろん多い. その場合は部署ごとの専門業務を遂行. つまりデスクワーク.
⑥自分に胸を張れるような者であり続けること.
以上であった. ちなみに本日二日目の仕事は, 簡単で一般的なビジネスマナー研修と配属先の部署案内, 社員紹介だった.
『...ようこそ研究開発部へ。部長の
僕の職場にはなんと, 極めて美麗な若い女性が待ち構えていた. はっきり言ってこんな美人は生まれて初めて見た. 僕が挨拶を返すと, 長くて綺麗な黒髪をさらさらと揺らしながら時雨部長は自分のデスクに座した.
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