10% 護華
狐さんは宣戦布告をした直後, 生の殺気をこちらへ剥き出しにした. そして僕たちは体験したことのない畏怖に押しつぶされそうになる. しかしそれは一瞬だった. 凶悪な怪物の気配が消えてまたかわいい狐さんに戻った.
『 ん?おかしいなお前。おい女。お前はもう既に
狐さんがいつもの様に話しかけたのは
『 勿論よ。』
『 なぜここにいる。』
『 更なる高みへ行きたいからに決まってるでしょ狐。』
『 ……クハハ!
『 ……。今の実力も試したい。』
『 まぁよいわ。勝手にせい。白けたが仕切り直そう。』
会話の意味は理解しきれないが, 皇さんが何らかの力に覚醒しているのは内定式での
こちらへトコトコ走りながら狐さんが叫ぶ.
『 この世界をまだゲームの中と思うか!否!ここもまた現実の世界よ!
まずは、戦闘が全てではないことを知れ!その為の戦いの型を知れ!行くぞ!』
「ここもまた現実?なんのことだ!それに闘いなんて僕は無……」
狐さんの姿が線となり音とともに消えたあと, 視界が変わる. 僕は横たわってどす黒い空を見ていた. 腹部に哺乳類の頭突きが飛んできたとは思えないほどの鈍痛が響いている.
「痛っ……た……」
『 はぁ。さっきから黙って聞いてれば要はこの狐をぶっ飛ばせばこれから仕事できるようになるんだろ。簡単じゃねーか。』
ため息と共に前に出たのは
『 なんか社会人て何すりゃいいのかよくわかんねーけど、
藤堂くんに続いたのは自信に満ちた顔の愛葉くん. さらに,
『 わ、私も怖いけど、お花咲かせる!!ごめんね狐さん!』
皇さんも踏み込む.
『 私は私なりに戦う。』
未経験者4人と経験者1人のバラバラグループが, 横たわる僕をお構い無しに一致団結をした.
『 御託はいいからさっさとかかってこんかぁ!!
狐さんの怒号に真っ先に反応したのは藤堂くんだった.
『 あぁ行かせてもらうよ、クソ哺乳類がァァァ!!』
その刹那, 藤堂くんは一気に狐さんへ間合いを詰める. しかし, 距離を詰められたはずの狐さんの姿は既にない. なぜなら, 狐さんは僕らの目の前にきたから.
僕と愛葉くんと八月一日さんが反応できない中ただ1人, 皇さんが動いた.
『 ━
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