2022.1.1. あの頃好きだった人と廃団地へ
2022.1.1. あの頃好きだった人と廃団地へ
恋人に背中を向けられて眠り
初夢
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高校なんて卒業して何年だ。
年取ったとか傷つきたくないから数えないけど
私は高校生だった。
…
歳は、今のまま。
制服なんてキツすぎないかなんて思わざるをえない。
でも、私服? だったのかな。
修学旅行中だった。
私は、中学生の頃好きだった人と
一緒にいた。
その人も、高校生らしい。
歳は、今のまま。
2人とも
大人の高校生……っていう稀有な立場を理解していた。
私は高校の修学旅行を行ってないし
その人……Aも高校を中退してる、たしか。
…
だからちょうどよくない?
みたいな事を言われた。
まぁたしかに、と思った。
修学旅行の行き先は
台湾とか
なんか安く行ける近場だった。、
にぎやかな人々、
屋台が並んで、食べ歩いて……
そんな町並みとはちょっと離れて
ホテルは高くそびえていた。
私にとっては面白味がなくて、
四角いなぁ〜、なんて感想しか。
建物だし、だいたい四角いよな。
夜に
私たちはホテルを抜け出した。
…
一応は学生の身分なわけだし
勝手に抜け出るなんて
アカンやろ
とビクビクする私とは反対に
Aは堂々としていて、
先に行ってしまった。
高校生を楽しもうとしてるんだな。
どきどきしてくるよな。
Aについていく。
夜だったはずなのに
昼間になってた。
まさか夜通し歩いたわけじゃない。
夢だもんな。
……
夢なんだなって、
どこか気づいてる自分もいたな。
…
明晰夢か。
夢だとわかると、
楽しむぞー
って気になるんだよな。
でも
もしかしたら現実かもしれない
と危惧する小心者もやっぱり私で。
人がいないところに行きたくて
そばにあるとかいう廃墟の団地へ向かった。
「ここ、夜になると花火の音とかするって」
Aが言う。
崩れた建物の雰囲気や
ゴミや、落書きや……
そういったものを見ると
じゃあ、不良とかいたらやだなぁ、
と
さっきまでのどきどきとは
違うタイプの
どきどきが。
言葉の通じない不良こわいな。
一つの棟へ。
階段を上って、
2階。
〜〜〜
〜〜〜
なんか、理由があって
ここの団地、
病院だか、
精神病院だか、そんな感じにも
使われたらしい。
(そこで、「花火の音」とか言う会話が
私の中で、ホラー的な伏線になった。)
2階の廊下に出たとこで、
先に
看護師かな、そんな服を着た人が立っていた。
廃墟だし
いるはずないのに。
看護師が
私たちに気がつく。
また、不良のどきどきから、
別のどきどきにチェンジ。
にっこ〜、と笑うソイツの顔、
まるで一昔の心霊写真みたいに
ぐにゃあっと歪んだ顔。
服も汚れてる。
サイレントヒルのアイツみたいなノリだな。
うわぁ、おるやん……
なんてたじろぐ私たち。
階段すぐに部屋があって
そこは入り口の上半分が壁にされてて
その下に、鉄格子がはまってる。
……
奥の闇に何か、いそうだ。
なんて
思ったそばから、
檻の中の闇から
うええ〜〜! なんてモロなうめき声。
床を叩くような音が
奥から近づいてきて
で、人とは思えない何かが……!!
っていう、初夢。
どんな年になるやら。
あけおめ。
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