2018.12.27.シャワーと西日



シャワーを浴びていた。


どこかの雑居ビル的な、

そんなに品のある感じじゃあない建物の、

隅っこ。


高さは上めで、

5、6階ぐらいの意識があった。


時間は、

なんとなく日差しが傾きだすぐらい。


シャワーだけの浴室の窓は空いている。

外への、突き出し窓、小さい。


背伸びすると、

日差しに淡く塗られた町が。


日差しは浴室にも入り込む。


浴室はとても狭い。

壁は厚い。

その厚みと、

妙な天井の高さが、

ボクに閉塞感と、

その逆の解放感に近いものを与える。


いたるところに赤カビが生えている。

西日のせいで、

ちょっと変わった色になっている。



カビ除去薬が置いてあって、

めっちゃシュッシュした。



………………



最近いい感じの人と歩いてた。

下北沢と三茶の間の、

緑道。


その人はボクの前を歩いていて、

なんかの拍子にかがんだ。


こんなに髪、茶色だったかな、

って思ってたけど、

日差しのせいか。


ボクの中にいっつもある、

申し訳なさ みたいな、

モヤモヤが、その時は強かった。

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