2018.12.20.赤洗剤と小鬼


—————


実家かな。

いやどこだろ。


母さんがいた。


ガスコンロをいじっている。

大きなものだったから、

うちじゃぁないかもな。


ガス管の根元あたりに、

火がちらついていた。

(普通ガス管に火ついたら爆発だろうけど)


火はちらちらと、

ガス管、ホースや、ネジのあたりを、

ちらちら、チラチラと燃え移る。


母さんがなんとかしようとしてる。


私は、

「いや、元栓しめればよくね?」


と言い、

元栓をくいっと閉めた。



でもなんか、ダメだったらしい。


母さんが、

「逃げて!」と叫んだ。


私はしょうがないから逃げた。


ぼかーーん! とガス管が爆発。


あちゃー、みんな逃げ遅れた。



………………




地元の、実家の団地の裏山。

小さい時そこに秘密基地を作っていた。

団地からも見上げれば見えた。


今はもう、私らが作ったアスレチックはない。


今の子供達も、

秘密基地は作っていないから、

そこにはなにもない。



私は誰かたちとそこにいた。


なにしてたんだろ。


下から、

団地に移ってきた、

若い世代の家族なんかが上がってきた。


私たちはこそこそと藪に隠れるようにして、

迂回して、逃げた。


逃げた先は、別の土地。


追われていた、気がする。



……………


どっかの建物。

でかめだ。


紆余曲折あって、


私は誰かたちと

その建物の中の一室に足を踏み入れた。

そこそこ広い。


学校で使うような机がたくさん。

椅子はない。


部屋の中央あたりに、

洗剤が置いてあった。


私のバイト先で使ってるスプレーで、

赤い液体……頑固汚れに使うやつ、

それが数本置いてあった。


「かまえて!」


的なことを、その建物を根城にしていた、

組織の女が言った。


私は彼らに倣って

スプレーを手にした。


あたりにとりあえずぶっかけまくる。


なにもいない、汚れもないのに。


「いいから撃つんだ!」


わりとな剣幕。


私も辺り構わず、シュッシュッ、って洗剤噴射。


何か意味があるのかと思ったその時、

宙を飛んでった洗剤がなにもない空中で、


ぺちゃ……!



どういうことや!


と身構えると、

なにもなかった場所に

パッと現れたものがあった。



醜悪の、小鬼。


小学生くらいの背丈、

卑しい顔、

剥き出しの乱杭歯。



他にも数体、姿を現した。


赤洗剤が弱点なのか……。



「きゃっ!」



だれか女が悲鳴を上げた。



「触られた……!」



目をやると、

彼女の服の裾に、無数の蛆虫が。



(うわ、きも)


内心、純粋に思った。

闘ってるところ悪いけど。



こんな洗剤に弱いやつ……、

と若干私の中に緊迫感はあまり。。


しかし、別部屋には、

その小鬼にやられた隊員がいた。


なんと瀕死だった。




私の感想。


『へぇ〜大変ですね』



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