5 ~侮の叫少女~
どこか遠く。
また
まるで大地を
「―――……」
「あー……。ぅ~~~……」
いつも無意識に出る声の後に大きく
画面の中央付近に大きく表示されている数字は、5:10。このまま頭も布団に潜り込みたい欲求を何とか押し殺し、小さく
そのまま体位をもぞもぞと動かし、
昨日、一昨日はそうでもなかったけど、ここ最近、寝汗を
修学旅行から帰ったら掛け布団をブランケットに替えようか。
そんなことを考えながら起き上がり、布団を片付けようとして手を止める。先にシャワーを
布団も少し
部屋の
左手の玄関とは逆の、少し長い廊下の
軽くシャワーで汗を流した後は、パジャマ姿にまた戻って、右隣の台所に立つ。
修学旅行初日の今日は、お
カバンの中で
それを持って部屋に戻ると、携帯端末に映し出される
お弁当のタッパーを軽移動用のナップサックに押し込み、携帯端末を充電チャージパッドに乗せて制服に着替える。
旅行カバンの中は昨日のウチにチェックしているから、あとはちゃんと持って出るだけだ。
出る前にトイレに寄って、台所に置いてある、お弁当とは別の、朝ごはんの分のサンドイッチを二切れ持って玄関に向かう。歩き食べはあまり
外に出た
このお家を残してくれたお婆ちゃんに『行ってきます』と心の中で声を掛けて、くるりと回り道路へ出る。そこで、結局お布団を
そして、
いつもとは違う時間の電車の雰囲気に
改札口を出て、学校へ向けて歩き出そうとしたその視界の
「おはよう。
「
通り過ぎかけた足を止めて、背後から声を掛けてくる親友の女の子に振り返る。
いつもの通学
「どうしたの、
「
「それで駅まで迎えに来てくれなくても……。いつもの場所で待っててくれても良かったのに」
「待ってる時間がヒマじゃない。それとも
「ううん! すっごく嬉しい!」
「ふふ」
一緒に歩きだす
学校に着くまでは、向こうに行ったらどうするかとか、
どうやら双子ちゃんは何かを調べるのは得意ではないらしく、一昨日の尾行も手段としては考えていなかったらしい。あの後の、ミサキさん。《高校生探偵魔法少女》のことも、個人的に気になる。
多分ルナちゃんのことではないだろうけど、
どこか
集合場所のグラウンドには、もう半分以上の三年生が集まっていた。
こういう時はいつも体育館が集合場所だけど、冬や夏のような
「
「……」
「
「え? あっ。
「あんた、またボーっとしてたでしょ」
「ご、ごめんごめん。ちょっと考え事してたみたい」
「その感じじゃー、今の絶対
「進学先の
「あー。そうだねー、どうせならカッコいいのとか可愛いのを着たいって思うかな」
「スラックスが
「そうそう。スカートもいいけど、やっぱりたまにはパンツを
ラフな
「ウチは
「ホントそれ。中学ってやっぱなんやかんやまだスカートだけんとこ少なくないし」
「昔に
「でもそーゆーとこって、ここらじゃ
「
「うっ……。そ、それは……」
「あっははは。私も
「私もそれ
「その割にはよく
「あ……」
「
「ホントにねー」
「ちょっ、
想定外の集中砲火を回避せんと、
「そ、そんなことよりも
「お、恋バナー? なになに
「あ、やっぱなし。私と
「
「あー、確かに
「
「あー
「そうそう。確かに
「……ホントに?」
「う、うん。(変なのに騙されそうな心配はあるけど……)」
思わぬ飛び火にブルーになりかけるも、すぐに
それから少しして、
「そーいや
「え!? いや――あー……えっと、うん。
「なんで疑問形なの……? 教室で
「わー! タイムタイム! そうです
「いや別になんかの犯人探してるとかそーいうんじゃないけど……」
もう
そもそも
「まあなんでもいいけど、やっぱ関西の方でディザイアーとかが出たら行かなきゃなんないの?」
「んー。
「まぁそれもそーね」
そして、
ゴメンなさい。
「なんでこんな時に
オオサンショウウオ型のディザイアーが発生したらしい。名前通り、
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