4 ~素の奇少女~
明日からは、修学旅行が始まる。三年生の
そんなとりとめもないコトを考えていると、
「さてぇ、
手にしたカップは膝の上に置いたまま、
「ええぇと始める前にぃ、今まで確認が出来ていないのとぉ、先程の計測結果から
「……あなたがそう思いたいのであれば、好きに解釈してくれて
「あっはっはっはぁ。そうですねぇ。それではそういった感じで進めていきましょうかぁ」
まず、
「トモナさん――ゴホン。失礼しましたぁ。今はフレアさんでしたねぇ。フレアさんの場合は、例外も例外なものですからぁ、
「ちょっと待ちなさい。前例がない、というのはどういうこと?」
「ああぁ。失礼ぃ。前例がない、と言うのは
「…………なるほど。はっきりとした
「ええぇ。ですので、フレアさんについては私はこれ以上ぉ、
「サイ……」
「
「わ、分かってるよ! ……多分」
目を泳がせる。
そして、魔法少女が使える魔法は、基本的に一つだけ。魔力の波長や契約した魔法精霊獣の属性というものが一人一人、個人によって決まったものがあるらしく、発現した魔法を工夫していろんな
魔法というのは
「そう聞かされると、この子が本当に
「そうですねぇ。普通の魔法少女の
「いやあ、えへへ」
「晴れがましく思うのは構わないけれど、その魔力量も魔法へ転用できなければただの
「うっ」
目の前の二人に
「というか、魔法の大まかな
「う、うん。魔力の操作は、魔法少女になったばかりの
「……今、少しだけあの
「ルナちゃんがリサ先輩のこと
「あっはっはぁ。まあぁ、なんにせよ、かくしてフレアさんは希少な戦力を
「そ、そうかな」
「これまではそれで良かったとしても、またこの
「……はい」
「あっはっはぁ。課題は
色々と他にも言いたいことがありそうなルナちゃんだったが、
「それにしても、私からすれば
「……そうかしら」
「ええぇ。肉体を強化する魔法を使われる魔法少女の
「……はぁ。――食えない男ね」
「あっはっはっはぁ。誉め言葉として受け取っておきますねぇ」
紅茶を飲み終えたルナちゃんは、ため息と共に
「私の知るところはこのようなものではありますがぁ、
「……そうね。あなたの話は本当に基礎の、何も進展しなさそうな内容だったけれど、それでも情報としては有益だったわ。
「いえいえぇ。
「ところで、あなたはさっき、フレアの状態に関して、前例がないと言ったけれど、一つ、聞いてもいいかしら」
「え? ええぇ」
そこで野良の少女は視線を鋭くし、
彼女の面と向かった態度に、
「”ネームレス”。という単語に、心当たりはないかしら?」
「はあ、ネームレス、ですかぁ。聞き覚えは……なくはないですがぁ、残念ながらそれ以上のことは
顎を指で掴み、一考する近藤さんだが、すぐに
ホームレス――いや違った、【ネームレス】。ルナちゃんが
そうだ。確か、この間名古屋で戦った時に、誰かが口にしていたんだ。良くは覚えていないけど、多分、
「
「いえ。
「そうですかぁ。そうおっしゃるのであればぁ、
「ええ。そうね」
ルナちゃんがそう返し、
「あ――!! 忘れてた!!」
「どわぁう。びっくりしたぁ!」
寸でのところで
「ご、ごめんなさい
「ひやはや……。なるほどぉ、それは
「だから、私とこの子とで、あなた達の取り決めているマギアールズとやらを組むという話よ」
今日
「い、いや、よもや、まさか
「あら、不満なら……」
「いえいえいえぇ。
「なさるわけがないでしょう」
「――ですよねぇ」
「寝言は寝てから死になさい」
「ルナちゃん、『に』と『し』が逆じゃないかな……?」
「あら、間違えたつもりはないのだけれど」
「「……」」
ルナちゃんのあっけらかんとした高度な冗談にどう答えたらいいのか分からず、
しかし、やはり野良の魔法少女のその対応にも慣れてきたのか、
「あ、あっはっはぁ……。変わらず
「私は、今のまま野生の魔法少女としてこの子――フレアと組むわ。
ルナちゃんのその質問もとい確認に、
「ええぇ。
「”宝賞石”……?」
「あっ。そうだ忘れてた! 宝賞石!」
「あなたは何をどれだけ忘れれば
ルナちゃんの今日
「……これが?」
「うん。
「千葉……ああ、あの時の」
が、すぐにそれを
「確かに、最終的にあれを倒したのは私ではあるけれど、
「え!? でも、宝賞石は国家魔法少女の保護局の施設に行けば、誰でも報奨金と換金してくれるんだよ!」
「ええぇ。魔法少女であればぁ、国家機関の所属の
「
しれっと便乗する
「で、でも、宝賞石はきゅーふ金
「所得税よ。
ここまで拒否されては、
「分かりましたぁ。それではぁ、フレアさんは、
色々と食い下がりたそうな雰囲気はあったけど、
その
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます