~怪の押売屋~
「おっほほほほほ。おやおンや。どうやら『探偵』が動き出しているようですンねぇ」
とある駅ビルの喫茶店、通路に面した窓際の席に落ち着くその男は、書類大のタブレットを片手に、キャラメルマキアートを
タブレットの電源をスリープモードに切り替え、セールスマンのようなカジュアルスーツの男は残り
そして男は席を立ちあがり、入り口付近の
右の
「これは、もう一、二仕事をすればお
ズボンから伸びる男の足は、靴下を
駅ビルを出て、セールスマン風の男は裏通りと大通りを渡り歩いていく。
数分移動した大通りのバス停。男がそこを通りかかったその時、
「くそっ。ふざけんな。なんでクソな客に口答えしただけでクビにならなきゃなんねーんだよ!」
いかにも不機嫌な雰囲気を
「おっほほほほほ。これはこれンは。不幸そうなお
「あぁ!? うっせ人の
すれ違い様に男は声を掛けるが、青年はそれに
「んンっふふふふ。手厳しいですンねぇ。おっと興奮だけしていてはいけませンね。
更に十数分、
「ホントに、もう、
「おっほほほほ。おやおンやぁ。これはまた、
「ひっ!」
男の前からふらふらと涙を流しながら歩いてくる学生と
突然
そこへ、渋さをふんだんに
「おい。
女性が顔を半分振り返り、見上げた先に立っていたのは、
「
言われ、女性は腰に下げていた腹のミニバッグを両腕で抱えて、涙を
それを残念そうに見送る雑なスーツ姿の男にも、威圧感を
「押し売り屋。俺は
「おっほほほほ。私は物語の黒幕だとか、そういった大したものでンはありませんから、近いうちに姿をくらませますンよ」
話が噛み合っているのかいないのか、視線を交わし合う二人の男は、そのまま無言で数秒か十数秒
沈黙を
「おっほほほほ。ご安心下さンい。私の目的は、既に終えていまンす。その後を見届けれっば、ちゃんと居なくなりますンよぉ」
変わらず真顔のままそう吐き捨てるセールスマン風の男は、
横目でそれを見送った顎髭の男は、
「あ、この
「行くかっ! とっとと
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