4 ~巫の告少女~
以前は双子ちゃんがよくお世話になっていたというイワオくんのお
最近になって、彼の変調が違和感から確信に
そして
結局、公園に場所を移動したことから今日は
場合によっては、明日も
そんなことを考えていると、隣を行く黒色長髪の後輩ちゃんから声が掛けられる。
「色々と思考を巡らせるのは構いませんが、ぼーっと歩いていると転びますよ」
「やだなー、
「……フラグの回収が早過ぎます」
良く分からないことを
合わせて立ち止まってくれた
汗が落ちた少し手前。何とか地面に着いている左足のスニーカーの先は、ちょうどその部分だけ色が違う、工事中の
「あ、ありがと。
行く手の方から歩いてくる犬の散歩をするお姉さんにも、さっき
それを確認して歩き出す
そのタイミングで先程の犬――改めて近くで見ると、テリヤキよりはやや薄い
その時だった。
後から聞いた話だと、
しかし、この時は、それがただの笑い話に収まる結果には、残念ながらならなかった。
「こ、コタロー? どうしたの急に――きゃあ!!」
小型犬とは思えない鳴き声で低く必死に吠えるその身体が、いきなり膨らみ出したのだ。
「でぃ……ディザイ、アー……?」
それが
「そ……そんな……私……わた、わたし………!」
隣に居ても微かにしか聞き取れない、弱々しい声だった。普段のしっかりとした
それに呼応してか
「っ―――!!!」
ビクンッッ!!! と
その瞬間、どこからともなく耳を打つ『
代わりに、どこから現れたのか、薄く
「ルナ、ちゃん……?」
突然
「何をしているの、トモナ? あなたが変身しないで誰があれを
「え……? あっ」
声を掛けられてようやく、ルナちゃんは魔力が
変身直後。
それはつまり。
変身する前は、その場に居たのは、
最後に、
胸の内に
その様子を確認した
「
「っ、うん!」
ルナちゃんの
生まれたばかりのディザイアーは、
ゼロ距離に詰め寄られた影の怪物がその
ディザイアーは勢い良く周りの建物より高く吹き飛ばされ、
「ギ……ギゃゥォォオおおオオオオオおオオオ!!!!」
炎の
それを
「こ、たろー……? ……………あ、あぁあああああぁぁあああああああ!!!」
ゆらりゆらりと落とされる視線が
それは数秒か、あるいは一分ほど経った頃か。ディザイアーの
「………言っておくけれど、あなたの犬がディザイアーとなったのは
「だから、どんな姿でも生きていてほしいと思うのは当然でしょうけど、あなたの家族だった
「っ…………っ……、―――」
乾いたアスファルトに、そこだけ雨を降らせるお姉さんは、もう一度目線を
お姉さんは強かった。
下唇を甘く噛みしめると、また
「……ぇえ。―――っ。分かってる、わ。ありがとう。あの子を、コタローを人殺しに、させないで、くれて……」
手首を握るルナちゃんの力が
それをチラ、と視界に収めた野生の魔法少女は、反対側へ顔を
「それに、
「っっ!?」
が、美人さん顔はすぐに、背後から
ルナちゃんとお姉さんの後ろ。
「この近くを歩いていたのは気まぐれの偶然だけど、ディザイアーの気配と
「止まりなさい。この一般人に危害を加えられたくなければ」
大きい
「見たところあなたも
ルナちゃんの制止の
「国の
「………
言われ、
「……じゃあ、野良の魔法少女。とりあえず、そのおねぇさんにはどっか行ってもらってもいいのわ?」
少女が指をパチン、と鳴らすと、黒いスーツのいかにもな男性が、彼女の来た
瞬時に
お姉さんを乗せた車は、同乗者を
やがて大通りの方へ曲がったそれを見送った
「今回は私の個人的なお話だけど、他の人に聞かれるのはダメなのわ」
いや、正確には、ついでなのはルナちゃんの方か。
「このところ、
「………っ?」
「え……っと? それって、どういう、こと?」
「コンドーの報告からそれが
「待ちなさい」
「あなたの話は
「ん……。分かったのわ」
ルナちゃんに
「えっと……。”
「んー? んっと、なんだっけ」
どこか聞き覚えのある気がする言葉だけど、すんなりと記憶の引き出しから出てきてくれない。
「数十年前に、
それなら分かる。
【
その頃はディザイアーが出現し始めたばかりで、今なんかよりも苦戦を
中学校に上がってすぐの
「そうだわ。ディザイアーの存在が
「「………!?!?」」
「……それって、どういう……?」
授業では聞き及ばない内容に、
それに、
「私は
「ま、まさか……」
「魔法少女フレア。先月から三度に渡って歴史の
「「……………!!!」」
つなぎちゃんが何を言っているのか、いまいち良く分からなかったけれど、この時の
いずれ、時代の未来を担うかもしれない、強力な魔法少女。
そんな魔法少女になれるかもしれない。その可能性。
「今日ここで会えたのは本当に
その場にそれぞれ固まる私とルナちゃんへ最後にそれだけ言い残して、つなぎちゃんは現れた時と同じようにのほほんとした空気を
そして変身を解きながら、
第一章 - 災禍と希望 完
「ん? 何これ。ルナちゃん、何か変な紙が落ちてたよ」
「……? あぁ。それは私達には必要のないものよ。捨て置きなさい」
「はーい」
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