双子は魔法少女 -2
序章 - 雪辱
0 ~儚の未少女~
そこに
「ひ。……ひ、ひぃぃぃぃいいい―――」
気が動転しているのか、はたまた酒でも入っているのか、男の
あと一つ角を曲がれば
「
「あひぃっ――!」
場面が変われば可愛らしいとも思えるその声に、驚き足をもつれさせた男は、少しよれたスーツにアスファルトの
「ひっ……!」
男の
フリルをふんだんにあしらった、パステルピンクのドレスを身に
レースソックスの足を乗せたダークグレーのスーツは、男が転んだ
「う……ふ、ぐうっ………。ぅあ、タ、助けて……ゆるっ。許してくれぇ……!!」
「………」
「きぅ……っ」
少女が足に
その代償として細足の
が、
「へぇ。あれか、
男が角の家の
「でもその根性は普通に
見えない何かの力が、男の肢体を
「ひ……ぁっ! ぁぁぁあああ!! ――ぁう。ひっ……」
「どうしたの? あんたが今まで散々、
「ひっぎ―――ぁぁあああああああああ」
男の
「ぐぁっ…………」
「まったく、こんな夜中に大声出したら近所迷惑でしょ」
数十メートルを吹き飛ばされその場に崩れ落ちた男の眼前に、パステルピンクの少女はいつの間にか静かに立っていた。
コツ。
一歩。
コツ。
また一歩と、謎の襲撃者は短い距離を詰め寄る。
「ひ、あ……お、おれ。いやわたしが悪かった。二度と、あんなことはしない……」
コツ。
「ぁ……。い、今、手持ちで、なな、
コツ………。
「はぁはっ……。はぁはっ……。い、今の会社も
「ゆ、許して――いや、せめてこの場はみ、見逃し、て下さい………!」
「………」
ほんの
それを
「……いいよ。あんたはまだ、他のゴミよりかは人間らしいや。だからこそムカつくってのもあるけどね……!!」
「ひっ!」
ガチガチと歯を打ち鳴らせる男の顔から、
その手に
それを一瞬
これ以上の現金は持ち合わせていないと、男は
そこで、男の頭は運
男の名刺を受け取った少女は、ようやくその手を握り締め引っ込めた。
「……」
少女が無言で一歩下がり、そのまま立ち尽くす。
男はまだ何かあるのかと気持ちだけ
荒い息を吐きのっそりと逃げる男の背中を見送りながら、少女はため息を
男が
「もう
男が逃げ去った方向とは逆へ足を引きずるように歩き出し、少女は徐々に声を低くしながらそう
「早く帰らなきゃ。姉さん、心配するから」
片手で
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