4 ~勧誘の少女~
「
語るも
「はぁ~~~~~~~~~~」
「どうやらさっきのディザイアーの
「えげつないな。
テリヤキを頭に乗せたまま
そこでようやく
「あっ、はっ、はぁ………。ひどいです、ねぇ」
「あら、もう欲圧の効果が薄れてきたのかしら。残念ね」
「る、ルナちゃん………」
「冗談よ」
本当に冗談かどうか分からないルナちゃんは、腕を組んで
少しフラフラとしてから、
「あっはっはぁ。ご心配を、おかけしましたぁ」
「大丈夫、
「ええぇ。………しかしお
「………人それぞれよ。それよりも、一人で立って歩けるのであれば、問題はないのでしょう。私は私の目的は果たしたわけだから、行かせてもらうわ」
ルナちゃんはそう言って戻ってきた病院から見て右側、江戸川の方へ歩き出そうとした。
「ああぁ。申し訳ありませんン。実は今回、というよりも、こうして
「………そう。残念だけれど、私にはあなた達
呼び止める
「ああぁ。お待ちくださいぃ。あなたの事は私達
お願いするように手を合わせて、ルナちゃんに笑い掛ける。
すると
話を促すように
「あぁ、ありがとうございますぅ」
ルナちゃんに渡されたそれを覗くように、さり気なく彼女の隣へ移動する。街灯に照らされても分かるくらいに透き通った白い肌の手に置かれたそれは、
「
「
「ひゅっ」
受け取った名刺から外されたルナちゃんの凍てつくような
「え、えぇ。大変失礼
「
「か、かしこまりましたぁ。あなたがそれでよろしいのでしたらぁ、
ぴしゃりと言い放つルナちゃんに、
「えぇ、ええと、それでは本題の方へと入らせていただきましょうかぁ。
「断る」
「あっはっはぁ。そうでしょうねぇ。まぁ何も国家所属でないといけない、という訳ではなくてですねぇ、この日本の魔法少女は基本的に、大雑把に
「民制………マギアールズ?」
そこで、ここぞとばかりに
「魔法少女は、基本は二人以上でディザイアーと戦う、ってこの前会った時に話したよね。ルナちゃん。マギアールズっていうのは、魔法少女の子達の相性だったりその子達の特性をいろんな場面に合わせて出動できるように分けられた、グループの事なんだよ」
「………なるほど」
「
「でしょうね…………」
「それでね、この前
「
「うん。正式に決まったグループじゃないけど、状況に合わせて組まれる
「猛牛ができてどうするの。それを言うなら
「そうそれ! それで
「そ、そう。いきなり、水を
少し引き気味に体を
そんなルナちゃんの手を取って、
「だってもしかしたらルナちゃんとパートナーになれるかもしれないんだよ! そうなったら
「——―! ………言ったでしょう。そもそも私は国の狗になる気は無いと」
ルナちゃんは何かを隠すように顔を背けると
「でっ、でも! もしかしたら早く走れるようになったりするかもだよ!?」
「あなたみたいに
「………? どゆこと?」
「流してくれて構わないわ………………」
「あ、あのぉ~~………」
そこへ
またも睨むような視線を向けるルナちゃん。そんな調子だから
「誤解のなさられないよう付け足しますとぉ、先程も申し上げた中で民制所属の魔法少女というものもございますぅ」
「……そういえば、そんなことも言っていたわね」
「ええぇ。民制の魔法少女保護管制局は、国家所属とは違い相対的な支援や援助、ディザイアー討伐の際の
「えっ?
「それは
初めて会った時から
そんな
「あっはっはっはぁ。ひどい言われようですねぇ。私これでも、一応
「「えええぇぇぇえええ!?!?」」
ルナちゃんと二人揃って声を上げる。
こんな、魔法少女達に不人気で
「あっはっはぁ。トモナさん。それ以上は
「あ、ご、ごめんなさい………」
若干
振り下ろさた頭の横目で
「いえいえぇ。話す機会も、あまりありませんでしたからねぇ。さてぇ、少し話がそれてしまいましたがぁ、魔法少女として、民制の所属に
「そう。………色々と聞く機会のない話だったけれども、直接の管理下に無いとは言え、国の影響下にあるという以上どこかの組織に入るつもりはないわ。そもそもあなたのような国の狗が出入りしているのなら
「あっはっはぁ………。やっぱりファーストコンタクトが私では、印象悪いですよねぇ………」
そう言って肩を落とす
そして
確かに、
国家魔法少女———正確には国家機関に所属している人達のことを
国家という組織に良い印象を持っていない人も、世の中にはもちろん居るだろう。だけどルナちゃんが胸の内に
そんな
「それじゃあ、私はもう行かせてもらうわよ」
「ああぁ。お引止めしてすみませんでしたぁ。今回お話したことはいつお返事頂いても構いませんので、頭の
去り際の
その背中を見送ってから、小さい影が見えなくなったところで、はたと思考が切り替わり、近藤さんの方を向き直る。
「あ、そうだ! ごめんね。
「ん、あぁ。いえいえぇ。お
そう言って、今度は
「え、あ、んーん、いいよいいよ! ………あんなことがあったばかりだから。仕方ないよ。ほら、頭上げて
「そうですかぁ。しかし、こちらとしてもただ謝罪するだけでは参りませんので、このようなことしかできませんが、今回のディザイアー討伐に関する
頭を上げた
「え、ちょっこんなに!? だってこれ、一つ十二万円でしょ? えっと、いち、にぃ………」
「問題ありませんよぅ。今回の事を考えれば、六十万でもやや少ない方ですぅ」
「いや、こんなに受け取れないよ! それに今日のは、ルナちゃんが倒したし、そもそもルナちゃんが居なかったら倒せてたかもどうか………」
「でしたらぁ、後日
それから
ルナちゃんが帰っていった時と同じように屋上の
今度、ルナちゃんと会えたらどんなお話をしようかな。
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