6 ~耀輝の少女~
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リサ先輩が繋げる通信端末の向こう側から、世界中の人々の不安の声が
端末の通信を切り、
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「だめ。どこの国もここと同じで視覚情報がほぼほぼ
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とはいえこの暗闇をどうにかできない以上、なけなしの魔力を消費し続けることになる。そうなれば、魔力切れで戦えないのはおろか、反撃の糸口を
魚ガエル型ディザイアーに吹き飛ばされた時にヒドく魔力を放出したらしく、加えてこの体育館に激突した衝撃で気力が乱されうまく魔力を練れないのだ。落ち着いた場所でゆっくりとであればまだまだ余裕はあるだろうけど、この切迫した暗闇の中でそれは叶わない。
精神がまだまだ未熟な証拠だ。と、
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「これ………やっぱりあの大型ディザイアーの欲圧なのかしら………。だとしたら、いったいどんな欲からこんな大層な現象を———」
「《
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リサ先輩の
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「え……? あ、アンタ、欲圧のこと知らないの? 本気で言ってる?
「あなた達の常識を押し付けないでくれるかしら。
「んなっ………」
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「……………ち、ちなみに、アンタ今までどんくらいのディザイアーを倒してきたわけ?」
「はい? 今それは関係のないことでしょう。…………私が、
「よ、ん………!」
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多い。
出現
それなのに、彼女がいつから魔法少女として戦ってきたのかは分からないけど、一人———野良の魔法少女としてずっと国の運営する魔法少女組合に
そしてそれが
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「す……凄い、ね。
「それはあなた達
「っ……」
「(そんなだから、私が魔法少女になる
「……?」
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リサ先輩が今にも噛み付きそうな様子で息を漏らす。
胸の内が熱い。
野良の少女の
その時、グラウンドの真ん中の辺りから「くぁ、ぁっぁっぁっぁぁぁ……」、という何かの
野良の少女とリサ先輩が反射的に声の方に視線を
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「…………………ともかく、この暗闇の
「———っ」
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言われて、さっきまで
気が動転して気付かなかったけど、意識を傾ければさっきから、
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「チクショウ―――何にも見えねぇ。どうなってんだこれ……」
「怖い………。なんなのよ……もうっ」
「あいつら魔法少女が来てからロクなことになってねえ。なんとかしてくれよ、まったく」
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胸が痛い。さっきから熱い体の内で、胸がズキン、と痛む。
ざわざわと不安と不満がわだかまるその中で、聞き覚えのある声が毒づいているのも耳に入ってきた。
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「クソが! あの落ちてきた魔法少女、絶対
「ちょ、
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「! しまった。ともなアンタ、
「えっ、あ……うん、
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なおも、聞こえる。
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「———
「
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暗闇の向こうで、痛みを
身体が更に熱くなる。ついでとでもいうように、
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「だってそうだろ。魔法少女になったんなら俺ら無力な一般人を守るのは当たり前。危険に
「……っ。
「お前だってそうだろ。いつも
「なっ……、そんなこと………」
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「っ!」
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熱い。
その時「クェァァァアアアアアアアアアアアアぁぁぁぁああぁぁっぁっぁっぁっぁっぁぁ!!」、と肌に響く
前方で、「ふん」、と鼻で
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「
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ズダンズダン、と徐々に大きくなる
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「勝手なことばかりを言うんじゃない!」
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「———っ」
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半壊した体育館に、
知らず知らずのうちに下げていた頭をはっ、として上げ直した瞬間に、すぐ近くを一層
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「っッ!?!? ———きゃぁっ―――――――」
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数メートル先の、
離れていたはずの
大型ディザイアーがこの一寸先も見えない暗闇の中、
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「……く―――――――ぅっ!」
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『ほら笑って』
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「……違うよ」
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体が、熱くなる。
不思議な感覚だった。今まさに襲ってきている
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「………
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ふつふつと
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「違うよ、
「———っ………、! なん、で、笑っているの? ———くっ………。なんで、あんな、に言われて……なんで、笑っていられる、の……?
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
いつの間にか野良ちゃんの、将来は
更に体中が熱くなる。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「
■ ■ ■ ■ ■
夢の中のあの人の言葉を思い出す
温かい。
温かい魔力が、熱く
■ ■ ■ ■ ■
「———
「あのね、野良ちゃん。
野良ちゃんの
「トモナ……アンタ、その体……!」
「ギェぇッ!」
■ ■ ■ ■ ■
野良ちゃんに体当たりを打ち
■ ■ ■ ■ ■
「させない! みんなを不安にさせるものは、
■ ■ ■ ■ ■
それに対し
■ ■ ■
「みんなの笑顔は、
魚ガエル型ディザイアーが
それは学校だけに留まらず、東京に、関東に、日本中に、海に、空に、大地に、まるで早送りの
そして朝だったところには朝を。お昼だったところにはお昼を。夕方だったところには夕方を。夜だったところには夜を。
光は光を呼び、暗闇は
「
「
いつからそこに居たのか、
「っ! 言われなくても! ——『
目にも止まらない速さで
ズワンッ! と純白の少女から巨影の獣を引き
「うはっ、なーにこれ。こんなバカげた
剣を握りしめ振り切った姿勢で、白銀と山吹色の少女は自身の撃ち込んだその馬鹿げた斬撃に驚きを
「ギッ、クェ、くげぁっぁぁぁぁあああ―――——あっ!?」
その
「やっと追いついた! 急に暗くなったかと思ったら今度は何よ。急に力が
「
大型ディザイアーと道路を
「
「
「
思わぬ
「
「……魚は、オリーブオイルで焼き上げるに
「くぎッ————ィヤリぇぇぇぇぇえぇぇええええ!!」
とそこへ、火の光に輝く
「
「
「
リサ先輩がそう
それを見て、
「———! させない!! はぁあ!!」
気合と共に杖の玉に魔力を練り込み、
暗黒の
だけど、巨体を
「う……ウソ。まさか……」
ズウンンンッッ!! とグラウンドを揺らして着地したディザイアーの体は、つるりとした大きい
「そんな……まさか今の一瞬で回復再生したの!?」
リサ先輩が
その動揺は、その場に
ディザイアーは、どの個体も根本的な特性として、
終幕の糸口をいとも簡単に断ち切った大型ディザイアーは、「くぅぇっ、クゥェァッ」、とまるで
それを眺めていた野良の少女が、ポツリと言う。
「どうやら、あの
「
「
綺麗な黒い髪を
「あなたが人々の笑顔を
その手に一度
「お願い。私に、私の大事なものを
「……
「はぁ……? なんでこんな時に―――」
そう言いかけた
「……あなた達
思わず笑みが
「うん! 一緒に
差し出された手を取り、横に並び立つ。
右手で杖を握り締め、体中を
「あ、でも
「恐らくそれはないわ。さっきあの魚型ディザイアーは再度
「そっか、だったら全力で、笑顔の限りに照らしてあげるね!」
「調整をミスして私の
「そんなこと―――、………わ、分かってる!」
「………」
どこか不安そうな気配を感じた。
すぅっ、と目を
ふと、隣を見る。そこには、大立ち回りを繰り広げる大型ディザイアーを視線に定める、あどけなさを残した少女の
その視線の先に、
「多分、あんまり長い時間は
「大丈夫。もとより一撃で決めるつもりだから。
そう言い放つルナちゃんに目線を奪われそうになったその時、ちょこん、とまた頭の上に何かが乗っかる感触が伝わる。
「
「言わずもがな! あなたの精霊、面白いわね―――」
テリヤキの号令に、即座に言い返した
それは
「みんな! いっっっっくよ―――!!」
叫び、ありったけの
「———凄い……。またあのディザイアーを投げ飛ばす程度の魔力を
ある者は浮き上がったディザイアーに繰り出そうとしていた攻撃の手を止め、ある者は他の魔法少女をサポートしようとしていた手段をディザイアーの
「「「「「「「「「「いっっっっっっっっっっっっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええええ!!!!!」」」」」」」」」」
半壊した体育館の
「——————っ、はぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
「いけ、ルナちゃん!!!」
「———クタバレぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええええええ!!!!」
さっきまでの
特大の一撃を
それに
「…………終わ、った……?」
短くも、とても長い時間静まり返っていたように感じ、
そして、それは次々と周りに
「———勝った!」
「「勝ったんだ!!!」」
続いて体育館の中から様子を見ていた生徒達が
それらに釣られて、
ルナちゃんは背中を見せたまま顔だけでこちらを
「
ルナちゃんを思って涙ながらほほ笑んだその時、体育館の
ふらつく足はその衝撃を受け止めきれず、
「こ、
「
「私は、
「大丈夫だよ。
衣装や体と同じようにボロボロになった腕で強引に涙を
「ほら笑って。
「と………
その
やがて辺りは夕焼けに包まれ、世界を巻き込んだ一大事件の起こった日は、夜の
『ありがとう……トモナ』
第一章 - 覚醒 完
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