4 ~出撃の少女~
『
学校のグラウンドでは、救助ヘリや警察、自衛隊の護送車両がひっきりなしに
この学校では逃げ遅れた生徒が出ないように、各クラスごとに点呼を取って登校していた生徒が全員
階段の踊り場でディザイアーが
一抹の不安に
来る途中にこっそり確認した
『東京及び東京近郊の魔法少女は、緊急指定地域を担当する者以外は出動態勢が取れ次第、
と来ていた。最後の一文を読んだだけでも、今回のディザイアーの異常性が見て取れる。
さっきから何度も見上げている空ではちら、ちら、と
魔法少女は、原則的にその正体を知られてはいけない。
ふと気配を感じ、体育館から目線を外し辺りを見回す。そして見つけた。
「
「あ、うん」
体育館に群がった人だかりが、ようやく動き出したみたいだ。テリヤキに手だけで
人ごみに
誰でもいいから先生に声を掛けようとするけど、女子平均の身長より
三年生の集合場所まで来たところで、ようやく生徒に指示を出している先生を見つけることが出来た。
その先生の
「先生!」
「ん?
「っはい。ありがとうございます!」
声を掛けた先生は運の良いことに、
その途中、出口付近に集められる一年生達の近くを通ったときに、男の先生の大きく通りの良い声が耳に入る。
「おい。
それだけがはっきりと聞こえ、体育館を出る。
『東京』。ついさっき聞いたばかりの、珍しい苗字だ。まさかと思いつつも、今はすぐにでも変身していち早くディザイアーと戦っている皆の元へ向かわなくちゃ。
気になる思いをひとまず頭の片隅に追いやって、教室棟の
「遅い!」
小動物
「だって……
「あの
「うぅー。そうだけど……」
その厳しさは頼もしさの証でもあるんだけど。ただ、そうはいってもやっぱり、
「グダグダと言っていないでさっさと始めんか」
「はーい。……いくよ。テリヤキ!」
「その
「だってテリヤキ、ホントの名前教えてくんないじゃん」
「
「じゃあテリヤキでいいでしょ」
「名付け方がずさんだと言っとるんだ」
「はいはい。分かったからいくよ」
「キサマっ」
テリヤキの
「まったくこの小娘はッ」
テリヤキはそう言いながらも、
ドレスから
それを手に取り、変身は終わりだ。
「ふん、いつもより遅いな」
「いいでしょ別に。
実体から魔力体へと変態し、
「その一瞬の中の
「あー! そうだ忘れてた」
「最後まで聞かんかこの小娘!」
テリヤキの忠告もそこそこに、慌てて渡り廊下へ出て校舎に飛び込むと廊下を
体育館から出てからテリヤキの元へ向かう前に連絡端末の情報を見たとき、
用務倉庫、生徒指導室、資料室、第二資料室を一息で駆け抜け、保健室のドアを潜る。
「せんせー!」
「あらトモナさん。今日も変身してから来ちゃったの」
人の良いおばさん。といった
「あ、うん。
「
「ごめんなさーい」
魔法少女は、原則的にその正体を知られてはいけない。
日本政府から
魔法少女が通う学校の生徒や家族を、第三者の一般人や、
政府が取り組んでいるそのシステムの一つが、さっき
どこかしらの学校に通う魔法少女は、
そしてこの学校の
変身する少し前から遠く、
湯呑みが机の上にコト、と置かれる音が
振り向いた先の
「トモナさん。——気を付けて、ね」
「ッ!」
「……うん、行ってきます!!」
満面の笑みを浮かべて飛び出していく彼女。あんなに小さいのに、心配で
廊下に響かせる
そこへ、他の庇護担当者の子たちが保健室に入ってくる。
「あれ? さとちゃん先生どうしたの?」
「はぁ。……やっぱり、少し心配だわ」
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