vol.18 最終回~「Moonlight Shadow」(2002) Aselin Debison ~
今日、初めて、海を左側に見て走る。
たった一車線違うだけで、海の感じが違う。
といっても、真っ暗な海。
いや、映画の夜のシーンにありがちな青緑色の海。
灰色の雲が知らないうちに晴れ渡って、とうに真上に昇った真っ白いお月様が思い切り光を放っているからだ。
“平日の海辺を走ろう百数十kmの旅”の最後をこの曲のリピートで終えたい。
「Moonlight Shadow」
題名を見ただけで、メロディーが浮かんで鼻歌が始まる、そんな曲ではありませんか?
でも、今夜はMike Oldfieldではなくて、Aselin Debisonのバージョンで。
ある仕事で、BGMをいろいろ使わなければいけなくて、レンタル店で適当に選んで借りた癒し系オムニバスアルバムの中にこの曲がひっそりと入っていた。
聴き慣れた前奏。
だけど、発せられる声はティーンエイジの女の子の声。
Aselin Debisonの名前も、その評判も全然わからなかったけど、すっかり、この曲の虜になって繰り返し聴いた。
いろいろ調べてみると、「天才」「上手い」と評価する旨のレビューが多い。
きっとそうなんだろうけど、彼女がこんなに評価が高いのは、おそらく、一度聴かせただけで、その人の心に入り込んで離さない力があるからだろうと思う。
癒しながらも、それだけじゃなく、力強く、勇気が湧いてくる。
そんな歌声。
この曲を聴きながら直行しよう。
“とんかつ野菜入り”と“豚汁”と“アイスコーヒー”が待っている昔馴染みのレストランへ。
♪Aselin Debison 「Moonlight Shadow」
https://www.youtube.com/watch?v=NnNA305kWcw
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長い間、このシリーズをお読みいただいてありがとうございました。
“新潟の田舎の道を紹介されてもしょうがない”とか、
“お前に、この曲を語ってもらいたくない”とかの感想をもたれたかもしれませんが、気持ちよく自分の旅と曲を文章で表したかった“自己満”としてご容赦いただければと思います。
1泊2日の旅だったのですが、帰りは、海を左に見ながら、前日と同じような曲をリピートしながら帰った、ということで「西へ」を閉じたいと思います。
西へ 橙 suzukake @daidai1112
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