vol.04~「RIDE ON TIME」(1980)山下達郎~

 海に出た。

 真っ白な空の下の、真っ白な波が立つ海に出た。

 どんな海が待ち構えているか、わかってはいたけど、やはり、うれしい。

 しょっぱなの歌詞から、この冬の海に合わないことはわかっているけど、

 やっぱり、この曲で海岸線道路のスタートを切りたい。


 『ザ・ベストテン』では、海に入って決めポーズをする山下達郎のジャケット写真のみで対応していたと記憶している。

 マクセル・カセットテープのCMは、今では、うすら覚えである。

 しかし、「青い…」から始まって、サビのリフレインに入るまでのしばらくの間、この曲がかもし出す期待感は、1980年からずっと色褪せることが無い。


 今から、20年前に、一本のビデオ映画をつくったことがある。

 デジタルビデオカメラたった1台で作った、ビートルズのナンバーを使った青春ドラマ風映画だった。

 公共のスタジオにある編集機(しかも当時はVHSテープの編集機)を借りて苦労して70分にまとめた。

 その後、何作か企画もののビデオ映画を作ってはみたものの、やっぱり、この処女作が一番気に入っている、という情けない結果のまま、もう何年も作っていない。

 

 その処女作をもしかして超えるかも…と思っている構想が、この海岸線の道路から始まり、この海岸線で終わる映画だ。

 もう、最初のシーンと、最後のシーン、そしてそこで使う曲は決まっていて、真ん中だけ抜け落ちた状態で、もう、何年も経ってしまった。


 最初のシーンは、出演者の短いやりとりのあとで、車でスロープを登ったその先には、真っ青な海。

 その瞬間、すべての音が速めのフェードアウトで消えて、すぐに「青い水平線の…」で始まる予定なのだが。


 そんなことを、もう、何回頭の中で繰り返しイメージしたか。

 そして、今日も、

 相変わらず、最初のシーンと、最後のシーンだけ・・・



♪山下達郎 「RIDE ON TIME」

https://www.youtube.com/watch?v=aXZM77g_YiA


現在地:新潟県新潟市西蒲区角田浜 走行中

https://www.google.co.jp/maps/place/%E8%B6%8A%E5%BE%8C%E4%B8%83%E6%B5%A6/@37.787805,138.8258118,14z/data=!4m12!1m6!3m5!1s0x5ff4e9b587e24f81:0x54fc68609394cb2c!2z6IKJ44Gu44Gq44GL5b-D!8m2!3d37.759803!4d138.886451!3m4!1s0x5ff4ea44eb27d3cf:0x85886ba4e00e5d0d!8m2!3d37.7912354!4d138.8184357?hl=ja

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る